ネットワークアンケート
院内の血糖測定におけるPOCT機器の利用について
医師・医療スタッフに聞きました
POCT機器はベッドサイドや診察室、救急など院内の様々な場所で導入されています。血糖測定においては、SMBG機器と比較して測定精度が高く、電子カルテとの連携が可能なものもあるため、より適切な診療や看護に繋げられると考えられています。今回は、POCT機器の利用に関するアンケートを実施しました。
POCT機器を導入している施設は53.3%、導入していない理由のトップは費用がかかる59.3%
最初に、POCT機器の導入状況を聞いてみました。その結果、「導入している」のは53.3%。「導入していない」25.0%、「導入を検討している」8.7%という結果でした。導入していない理由は、「費用がかかる」59.3%、次いで「導入に手間がかかる」29.6%という回答でした。
Q1 貴施設では院内での血糖測定においてPOCT機器を導入していますか?n=92
- 導入している
- 導入していない
- 導入を検討している
- わからない
Q2 院内の血糖測定においてPOCT機器を導入していない理由を教えてください。(複数回答)n=27
POCT機器を導入している施設がもっとも感じているメリットは測定精度の高さ、次いで測定範囲の広さ
POCT機器のメリットとしては、「精度の高さ」77.6%、次いで「測定範囲が広い」49.0%、「ヘマトクリットや干渉物質の影響を受けづらい」46.9%という結果でした。ただ、POCT機器と電子カルテ等が連携している施設は32.7%に過ぎず、連携していない施設が61.7%に上りました。
Q3.POCT機器をご使用になって、メリットと感じられることを教えてください。(複数回答)n=49
Q4. POCT機器と電子カルテ等の連携を行っていますか?n=49
- 連携していない
- 連携している
- わからない
POCT機器を現在導入していない施設では、SMBGの使用が7割超
POCTを「導入検討中/導入していない」施設の71.0%は、院内での血糖測定はSMBGを使用しているということがわかりました。また、SMBGを用いた血糖測定を行う際に困った経験を聞いたところ、「測定値を電子カルテに手入力しないといけない」54.5%、「測定範囲外で測定できなかったことがある」45.5%が上位の回答で、測定値を電子カルテへ手入力する際に「手間がかかって困る」という人が73.7%に上りました。
- SMBG機器を使用している
- 院内の自動分析装置を使用している
- 血糖測定は行っていない
- わからない
- 外注している
Q6.院内でSMBG機器用いて血糖測定を行う際に困った経験はありますか?(複数回答)n=22
今回の調査結果では、POCT機器の導入施設は約5割、メリットとしては測定精度の高さが挙げられました。POCT機器は電子カルテと連携できるものもあるため業務効率の向上に役立ちますが、導入施設の6割強は連携していないという結果でした。令和6年には外来迅速検体検査加算も改訂されていますので、POCT機器のさらなる普及が期待されるところです。
実施時期:2024年 11月27日~12月3日
調査方法:インターネット調査
対 象:「糖尿病リソースガイド」メールマガジン会員
協 力:株式会社三和化学研究所
<回答者の属性>
医師・医療スタッフ 92名(医師17名、看護師43名、薬剤師15名、管理栄養士・栄養士5名、臨床検査技師6名、保健師2名、その他4名)
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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