現役中に1型糖尿病を発病するも、その後10年以上活躍
杉山さんは、柏レイソルでプロサッカー選手としてのキャリアをスタート。2003年に移籍したヴァンフォーレ甲府で徐々に出場機会が増えるも同年、1型糖尿病を発病し戦力外通告を受けます。絶望の淵でなんとか練習生としてチームに帯同。療養生活とサッカーの両立に苦しみながらも、3カ月の練習生期間を経て実力でプロ契約を勝ち取りました。以来、2015年2月に現役引退するまで大宮アルディージャ、横浜FC、FC岐阜と10年以上にわたり活躍し続けました。現役引退後は、指導者としての第二のサッカー人生を送るなか、1型糖尿病の認知を広める活動にも精力的に参加されています。
今回のブログは、杉山さんの生活を通して同じ病気に悩む患者さんたちへ挑戦への勇気と希望を与えたいという想いに、糖尿病ネットワークが賛同。杉山さんと糖尿病ネットワークのコラボ企画が、ブログという形でスタートしたものです。また、同ブログと連動した連載企画が進行中。糖尿病ネットワーク「インスリンポンプ情報ファイル」で紹介していきますので、こちらもお楽しみに。
「1型糖尿病への理解を広める活動を通して、子どもたちに最も人気のスポーツであるサッカーを、1型糖尿病の子たちにも楽しんでもらいたい!子どもたちに勇気を与えるきっかけを作りたいんです。子どもたちや親御さん、糖尿病医療に携わる医療従事者、学校の先生や養護教諭の先生にもぜひブログを読みに来ていただき、この病気に対する情報交流の場になれば嬉しい」と語る杉山さん。インスリン療法を行いながら第二のサッカー人生を送る杉山さんの日常生活、Jリーガーだった頃の経験や思いを発信していきます。
1型糖尿病の子どもたちが抱える悩み
1型糖尿病は、2型糖尿病のような生活習慣病とは異なりインスリンが出ない先天的な難病です。小児、若年発症が多く、この病気にかかった子どもたちは自分でインスリン注射を打って生活しています。近年は、杉山さんのようにインスリンポンプ(携帯型のインスリン注入ポンプを用いてインスリン製剤を皮下に持続的に注入する治療法)を利用している人も増えています。
2015年に糖尿病ネットワークが1型糖尿病をもつ小学生を対象に行った「小児1型糖尿病患児の治療環境に関するアンケート調査」によると、親御さんから担任の先生へ病気のことを話すことはあっても、クラスメイトへ話すことは少なく、病気に対して校内での認知が低いため低血糖になっても「なんとか自分で対処している」と答えた子は半数に及びました。インスリン注射は保健室やトイレで打っている子が多く、いじめを受けた経験者は4割。このような現状からも、やはり激しいスポーツを避ける子、スポーツ選手になる夢を最初から諦めてしまう子は少なくないと思われます。
小児1型糖尿病患児の治療環境に関するアンケート調査 ▶
関連情報
杉山 新ブログ「1型糖尿病と生きるー挑戦を希望にー」 ▶
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