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2007年06月08日

新しい作用機序の高脂血症治療薬「ゼチーア」

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 シェリング・プラウとバイエル薬品は、高脂血症治療薬「ゼチーア錠10mg」(一般名:エゼチミブ)を、共同で販売すると発表した。

 「ゼチーア」は、世界で初めて開発された小腸コレステロールトランスポーター(輸送タンパク)阻害剤。これまで治療に使われている高脂血症治療薬(スタチン系、フィブラート系など)とはまったく異なる新しい作用メカニズムをもつ高脂血症治療薬として、日本で4月に18年ぶりに承認された。

 体内のコレステロールには、主に肝臓で合成されるものと、小腸で吸収されるものがある。小腸で吸収されるコレステロールには、肝臓から小腸に排泄される胆汁性コレステロールと、食事に含まれる食事性コレステロールがある。

 「ゼチーア」は小腸でこれらの胆汁性および食事性コレステロールの吸収を選択的に阻害することで、血中のコレステロールを効果的に減少させる。

 2002年米国で承認されて以来、すでに世界90カ国以上で承認・販売され、1,000万人以上の患者の治療に使われているという。

 日本人の総コレステロール値は、食生活の欧米化などにより上昇傾向にある。高コレステロール血症は自覚症状がないのでサイレントキラーともいわれ、放置すると動脈硬化を招き、知らない間に脳卒中や心臓病など、脳・心血管系疾患の発症につながる。

 潜在患者も含めた日本の高コレステロール血症患者数は約3,000万人と推定され、そのうち約8割の患者が未治療と考えられている。

詳しくはバイエル薬品(株)のサイトへ(プレスリリース)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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