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2006年08月29日
米国の31州で成人肥満が増加 3分の2に糖尿病などのリスク
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政府や州により肥満対策が行われているにもかかわらず、米国の31の州で成人肥満者が増加していることが、全米の州ごとの肥満率を集計しているNPO組織「Trust for America's Health(TFAH)」の2004年の年次報告であきらかになった。米国人のおよそ3分の2で糖尿病や脳卒中、がんのリスクが高いと推計している。
28州で肥満と過体重が6割超
「F評価の米国肥満対策 2006」
「F評価の米国肥満対策 2006(F as in Fat: How Obesity Policies Are Failing America, 2006)」と題された報告では、成人の肥満率が25%を超えた州は13州に上ると述べられている。全米成人における肥満者の割合は1980年の15%から2004年には32%に増加し、過体重者も加えるとその割合は64%に達している。
米国南部は肥満者の割合が高い州が多く、肥満と関連する糖尿病と高血圧症の罹患率も高かった。肥満がもっとも深刻なのはミシシッピ州で、成人人口の29.5%が肥満と推計された。肥満率のワースト2位と3位はアラバマ州(28.7%)とウェストバージニア州(28.6%)。ミシシッピ州は肥満と過体重を合わせた率も67.3%でもっとも高かった。
一方、もっとも肥満が少ないのはコロラド州で、成人の肥満率は16.9%だった。西部と北東部はおおむね肥満率は低く、ハワイ州18.2%、マサチューセッツ州18.6%、ロードアイランド州19.5%、モンタナ州19.9%と10%台にとどまった。これら18州とワシントンDCでは肥満率は横ばいで推移している。
小児肥満の増加も深刻で、1980年の5%から2004年の17%へと3倍に増加し、全米で肥満や過体重と推計される子供の数は約2,500万人だという。過体重の子供が20%を超えているのは、ワシントンDC(22.8%)、ウェストバージニア(20.9%)、ケンタッキー(20.6%)、テネシー(20.0%)の4州だった。
報告の主な内容は以下の通り―- 28州で成人の肥満率と過体重者率の合計が60%を超えている。
- 成人2型糖尿病の発症率がもっとも高いのはウェストバージニア州(10.4%)、もっとも低いのはアラスカ州(4.5%)。
- 成人高血圧症の発症率がもっとも高いのはミシシッピ州(32.7%)、もっとも低いのはユタ州(19.8%)。
- 学校教育でBMI(肥満指数)値測定を行っている州は7州。
- ワシントンDCと44州で健康教育は必修とされている。17州とワシントンDCでは、糖質の多い炭酸飲料やジャンクフードの課税措置が行われている。
F評価の米国肥満対策 2006(PDF)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所