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2005年06月30日

カフェインと夜間低血糖の軽減の関連

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 1型糖尿病患者が日常で摂る程度の量のカフェインを摂取すると、夜間低血糖が軽減される傾向があるという研究報告が、Diabetes Care 6月号に発表された。糖尿病療養で患者を悩ませる最大の要因である夜間低血糖が、カフェインなどの一般的な薬剤により軽減される可能性がある。

 この研究に先立ち、日常での摂取と同等のカフェイン摂取が軽度の低血糖と自律神経反応に影響することがわかっていた。そこで英国の王立ボーンマス病院の研究者は、1型糖尿病患者19例を対象に二重盲検試験を実施した。

 被験者に1日50mg未満のカフェインを含有する低カフェイン食を2週間摂取してもらい、さらに250mgのカフェイン2カプセルを1日2回服用してもらう群と、プラセボ群に無作為に分けた。それぞれ2週間の最終48時間に組織内ブドウ糖を連続測定し、ホルターモニターを用いて心拍数の変動を評価した。

 夜間低血糖の平均時間はカフェインを摂取した群で49分、非カフェイン群で132分だった。心拍数の変動性低下と低血糖の発現低下との間に相関はみられなかった。

 研究者らは、基礎的な生理的原因は不明だが、コーヒーによる副交感神経の活発化によるものではないと予測している。カフェインがノンレム睡眠の変化に関連している可能性があり、さらに検討する必要があるとしている。

Diabetes Care(英文・要約)
Influence of Caffeine on Frequency of Hypoglycemia Detected by Continuous Interstitial Glucose Monitoring System in Patients With Long-Standing Type 1 Diabetes

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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