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2005年06月30日

職場で重度の低血糖が起こることは少ない

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 インスリン依存性糖尿病の患者が職場で重度の低血糖を起こす頻度は低いという調査結果が、「Diabetes Care」6月号に発表された。インスリン治療を行なっている1型糖尿病患者では、低血糖のリスクをなくすことはできないが、実際には低血糖が職務に支障をきたすことは稀であると考えられている。

 この調査は、Institute of Occupational Medicine(スコットランド)の研究者が、インスリン治療をしている就労者243名を1年間追跡して調査したもの。他の人の助けが必要なものを重度の低血糖とし、自分で対処できるものは軽度の低血糖とした。

 軽度の低血糖の発現数は年間1人あたり平均8件で、この中の30%が職場で起こった。重度の低血糖は238件あり、その中の35件(15%)が職場で27人に起こった。重度の低血糖の職場での発現率の平均は、1人あたり年間0.14件と少なかった。重度の低血糖54件(23%)に、意識消失、発作、頭部損傷、器物損傷などがみられた。

 また、低血糖により失われる作業時間も計算された。軽度の低血糖後によって必要になった休養時間は1人あたり最大で30分、重度の低血糖後では1.5日だった。

Diabetes Care, June 2005, vol. 28 no. 6, 1333-1338

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日本医療・健康情報研究所

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