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2009年04月08日
楽観的な人の方が長寿 米国女性10万人を調査
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楽観的であると、さまざまな良い結果につながることが人生では多い。「楽観的な人は長生きである」ことを科学的に確かめた調査研究が米国で発表された。
コップに水が半分でも「満たされている」と感じる?
研究では楽観的な人を、悪いことが起こるよりも、良いことへの期待が高い傾向の強い人とした。楽観的な人では、特に心臓病で死亡する割合が3割低く、糖尿病や高血圧になる割合も低かった。逆に冷淡で批判的になりやすい人では、そうでない人に比べ死亡率が高く、特にがんに関連した死亡率は2割ほど高かった。
研究リーダーのHilary Tindle・ピッツバーグ大学医学部内科学準教授によると、楽観的な人はBMI(肥満指数)が低く、より活動的で、精神的なストレスに対する体の反応が少ない傾向があるという。医師のアドバイスを良く聞き、結果として体の状態を良好に保っている人が多い。共通する類似として、楽観的な人はグラスに水が半分入っているのを見ても「満たされている」と感じるが、悲観的な人は「空だ」と感じる。楽観的な人は「人生はやがて良い方向に向かうだろう」と信じる人が多い。
年齢、教育、収入、喫煙習慣、糖尿病、抑うつ症状などの因子を調整し解析したところ、死亡率との関連は認められなかった。研究者らは「不明な点は多いが、研究結果から心理的な要因と寿命は関連があることが明確に示されている。楽観的であることを増長し、悲観的であることを抑えることが、より良い保健指導につながるのではないか」としている。
この調査は、米国立衛生研究所(NIH)が資金提供している研究プロジェクト「ウイメンズ・ヘルス・イニシアチブ」の一環として行われた。研究では閉経と加齢にともない女性で増える病気の治療と予防について、50歳以上の女性を対象に1994年より調べている。結果は3月にシカゴで開催された「第67回米国心身医学会年次学術集会」で発表されウイメンズ・ヘルス・イニシアチブ(Women's Health Initiative:WHI)(英語)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所