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2007年09月06日
米国人の3分の2に2型糖尿病などのリスク
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全米の州ごとの肥満率を集計しているNPO組織「Trust for America's Health(TFAH)」はこのほど、2005年の年次報告を発表した。
連邦政府や州が肥満対策を行っているにもかかわらず、31の州で成人肥満者の比率が増加したことがあきらかになった。減少した州はゼロだった。
連邦政府や州が肥満対策を行っているにもかかわらず、31の州で成人肥満者の比率が増加したことがあきらかになった。減少した州はゼロだった。
TFAHは、全米国人のおよそ3分の2が肥満か過体重で、2型糖尿病や脳卒中、心筋梗塞などの疾患のリスクが高いと推計している。
F評価の米国肥満対策 2007
身長を体重の2乗で割った肥満指数(BMI)が30以上を肥満(Obesity)、25以上30未満を過体重(overweight)とし、人口に対する比率などを調べた。 |
有効な対策を施さないと、肥満に関連する医療費が増加するだけでなく、健康悪化が生産性低下を引き起こし、米国の経済競争力が損なわれると警告している。
19州で「肥満率25%以上」
「F評価の米国肥満対策 2007(F as in Fat: How Obesity Policies Are Failing America, 2007)」と題された今年の報告によると、全50州と首都ワシントンのうち、成人のBMI(肥満指数)が30以上の肥満者の比率が25%を超えた州は、昨年の14州から19州に増えた。
特にミシシッピ州は全50州のなかで初めて30%を超え、30.6%になった。次に肥満率が高かったのはウェストバージニア(29.8%)、アラバマ(29.4%)、ルイジアナ(28.2%)だった。肥満率の高かった15州のうち10州が南部に位置する。
公式推計では、1991年の調査時には肥満率が20%以上の州はゼロだったが、2004年から06年のデータを基にした今回の調査では、20%未満の州はわずか2州のみだった。
また、BMIが25以上30未満の過体重を合わせた比率も公表された。32州で肥満と過体重を合わせた比率が60%を超えており、50%未満の州はゼロだった。
子供の肥満の増加も深刻
今回初めて10歳から17歳の子供についても調査も行われた。
その結果、全米で肥満や過体重と推定される子供の数は、約2,500万人だという。過体重の子供が20%を超えているのは、ワシントンDC(22.8%)、ウェストバージニア(20.9%)、ケンタッキー(20.6%)、テネシー(20.0%)の4州だった。
TFAHは子供の住環境による影響が大きいと指摘している。治安の悪い貧困層が多い地域は、子供が安全に遊んべる場所が少ない。さらに、食事はファストフードを利用する頻度が高いとしている。
●詳しくはTrust for America's Health(TFAH)のサイトへF評価の米国肥満対策 2007(英文)
F as in Fat: How Obesity Policies Are Failing America, 2007 関連情報
米国の糖尿病人口は2,080万人 自己管理の「ABC」が重要
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所