米国の5歳から19歳の小児で、2型糖尿病の治療薬を処方された比率が、4年間におよそ2倍に増加していることが分かった。2型糖尿病はもはや成人が発症する疾患ではないことが示され、今後の医療費の増大が懸念されている。
この研究は、セントルイスを拠点に活動している医薬品管理会社Express Scriptsが行ったもの。5年間に370万人以上の子供の薬物の処方状況を、1型糖尿病と2型糖尿病を分けて調べた、米国で初めての全国的研究としている。
2002年から2005年に、小児における糖尿病の薬物の使用率は41.0%増加した。1型糖尿病に限ると30.5%増加した。
4年間に31万1,500人の子供が2型糖尿病の予防や治療のための薬物を処方され、使用率は1,000人あたり0.3人から0.6人に増加した。薬物の使用率は最大で10〜14歳の子供で106%増加し、最も使用率が高かったのは2005年の15〜19歳で、1,000人あたり0.6名から1.2名に増えた。
Express Scriptsの主任医長であるEd Weisbart博士は、「ここ数年に小児糖尿病の発症が増えている。小児科の標準的な医学書には、小児糖尿病の発症について『1万人あたり』と説明されているが、いまや1,000人あたりで考える必要がある」と述べている。
糖尿病治療薬の使用が増えた因子として、小児の肥満が増えたことが考えられている。1999〜2002年の米国の国民健康栄養調査(NHANES)によると、過体重や肥満の小児の割合は10年間に11%から16%に増加した。
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詳細はExpress Scriptsのサイトへ(ニュースリリース/英文)
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日本医療・健康情報研究所