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2005年05月30日

糖尿病網膜症に対するカンデサルタンの大規模臨床試験「DIRECT」

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 武田薬品工業は、同社とアストラゼネカ社が共同で実施している、アンジオテンシンII受容体拮抗薬カンデサルタンの糖尿病網膜症に対する効果に関する大規模臨床試験「DIRECT(DIabetic REtinopathy Candesartan Trials)試験」に登録された全症例の被験者背景が、科学雑誌「The Journal of the Renin Angiotensin Aldosterone System」に掲載されたと発表した

 DIRECT試験はカンデサルタン(商品名:ブロプレス®)の糖尿病網膜症に対する効果と発症予防を検証する世界で初めての大規模臨床試験。カンデサルタン32mg投与群とプラセボ投与群を比較する二重盲検試験であり、3つの独立した試験で構成される。それぞれで、血圧と腎機能\\\が正常範囲にコントロールされている糖尿病患者での効果を調査する。

 試験は以下の3つの独立した試験で構成される

  1. 糖尿病網膜症未発症の1型糖尿病患者を対照とした発症予防(n=1,421)
  2. 1型糖尿病で糖尿病網膜症を発症している患者を対照とした進展抑制(n=1,905)
  3. 2型糖尿病で糖尿病網膜症を発症している患者を対照とした進展抑制(n=1,905)
 試験の被験者登録は2004年2月に完了し、現在、世界30カ国、309施設で5231人の患者が参加して行われている。2007年には試験の結果が明らかになる見込み。

 糖尿病網膜症は、先進国での成人の失明原因の第1位であり、糖尿病の既往が20年を越えると、1型糖尿病患者のほぼ全員と2型糖尿病患者の60%以上が発症し、最終的には失明に至る危険性があるとしている。カンデサルタンは現在、世界約70カ国で販売されている。

詳細は武田薬品工業(株)のサイトへ

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日本医療・健康情報研究所

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