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2009年12月04日

糖尿病の総患者数は237万人 入院患者の16%が糖尿病 患者調査

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 厚生労働省が3日に公表した患者調査で、入院患者の27%が高血圧症、16%が糖尿病をもっていることが、初めて分かった。入院のきっかけになった病気(主傷病)としては、両疾病とも入院患者全体の2%未満に過ぎない。脳卒中や心臓病などで入院する患者が、主傷病以外の疾患として高血圧症や糖尿病をもっているとみられる。
入院患者と外来患者が減少
 患者調査は、患者の傷病状況の実態などをあきらかにすることを目的に3年ごとに実施。全国の病院や診療所、歯科診療所の約1万4000施設を対象に、10月21日から24日の指定された1日について外来、入院患者の計235万4000人から推計した。

 調査日の入院患者数は139万2400人で、2005年の前回調査から7万400人減少した。外来患者数は686万5000人で、22万7000人減少した。

 入院患者を傷病分類別にみると、「精神および行動の障害」(30万1400人)、「循環器系の疾患」(28万300人)、「悪性新生物(がん)」(15万9200人)の順に多かった。いずれも病院がほとんどで、一般診療所では「循環器系の疾患」(1万3300人)、「損傷、中毒およびその他の外因の影響」(9500人)、「筋骨格系および結合組織の疾患」(7700人)の順に多かった。

 一方、外来患者は「消化器系の疾患」(124万9800人)、「筋骨格系および結合組織の疾患」(94万5300人)、「循環器系の疾患」(89万4800人)の順に多かった。病院では「循環器系の疾患」(27万3700人)、「筋骨格系および結合組織の疾患」(19万7800人)、「悪性新生物(がん)」(17万700人)の順。一般診療所では「筋骨格系および結合組織の疾患」(74万7500人)、「循環器系の疾患」(62万1100人)、「呼吸器系の疾患」(53万7300人)の順に多かった。

総患者数:糖尿病は237万1000人
入院患者の16%が糖尿病
 主要な傷病(疾患や外傷)について、継続的に医療を受けている総患者数は、「高血圧性疾患」(796万7000人)、「歯及び歯の支持組織の疾患」(600万2000人)、「糖尿病」(237万1000人)、「悪性新生物(がん)」(151万8000人)、「脳血管疾患」(133万9000人)、「白内障」(91万7000人)となっている。

 今回調査では、初めて主傷病の他にもっている疾患(副傷病)も合わせて調べられた。調査では、糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧、虚血性心疾患、脳卒中、閉塞性末梢動脈疾患、大動脈疾患、慢性腎不全、精神疾患を対象とした。

 その結果、主傷病と副傷病を合わせた推計患者数(総数)は、「高血圧症」(164万6100人)、「高脂血症(脂質異常症)」(75万9200人)、「糖尿病」(74万2900人)、「脳卒中」(46万3500人)、「虚血性心疾患」(40万5800人)、「慢性腎不全(慢性腎臓病)」(21万3100人)となっている。

 主傷病のみでみると推計患者数は、「高血圧症」(61万1000人)、「高脂血症(脂質異常症)」(11万8900人)、「糖尿病」(21万4200人)、「脳卒中」(29万5000人)、「虚血性心疾患」(8万6800人)、「慢性腎不全(慢性腎臓病)」(15万1100人)であり、副傷病を合わせることで患者数が膨れあがることが分かる。

 入院患者に限ってみると、高血圧症は26.8%(37万3500人)、糖尿病は16.4%(22万8700人)がもっているが、主傷病としてはそれぞれ0.6%、1.9%に過ぎない。脳卒中や心臓病、慢性腎臓病などの患者が、主傷病以外に高血圧症や糖尿病を副傷病としてもっているとみられる。

 一方で外来患者では、主傷病と副傷病を合わせた推計患者数(総数)は、高血圧症は22.9%(127万2700人)、糖尿病は9.3%(51万4200人)となっており、外来患者のおよそ10人に1人は糖尿病をもっている。

平成20年(2008)患者調査の概況(厚生労働省)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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