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2007年06月20日
子供の1型糖尿病が世界で増加
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1型糖尿病は、自己免疫疾患(免疫機能が自分のからだに対してはたらいてしまう病気)などで、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊され発病するタイプの糖尿病。2型糖尿病と異なり、生活習慣と関係なく発症する。
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毎年7万人以上が発症
10歳以下の子供が発症する糖尿病は1型糖尿病がほとんどで、40歳以上の中年世代で2型糖尿病が多いというのが、特に先進国で一般的だった(現在では途上国を含め世界中で、子供の2型糖尿病や肥満は増えている)。
国際糖尿病連合(IDF)の公表によると、これまで行われたいくつかの国際的な臨床研究をもとにした推計数は、1型糖尿病を発症する14歳以下の子供の数は毎年7万人以上で、全体の患者数は44万人。
10万人当たりの年間発症率を国別に比較すると、中国やベネズエラはもっとも低く(0.1)、フィンランドやサルジニアはもっとも高い(37)。中国と比べてフィンランドでは、1型糖尿病を発症する割合が350倍以上も高いという計算になる。
1型糖尿病の患者数は、特に先進国で増加
子供の1型糖尿病患者数が増えていることが、いくつかの調査研究であきらかになっている。例えば、1型糖尿病患者を対象に欧州で行われた大規模臨床調査「EURODIAB(欧州糖尿病研究)」では、毎年約3%増加していることが示された。欧州以外でも患者数の増加が報告されており、全世界では今後15年に50%以上増えるという予測がある。
1型糖尿病の発症が増えた原因はまだよくわかっていない。研究者らは、あまりにも急速に増えているので遺伝子学では説明できないとし、環境要因を挙げている。母乳授乳で育てる親の割合が減ったことや、清潔な住環境にいて雑菌にふれる機会が激減したために、からだの免疫機能が発達していないなど、なんらかの理由で膵臓のβ細胞への負荷が増したのではないかと考えているが、決め手となるものみつかっていない。
●詳しくは国際糖尿病連合(IDF)のサイトへDiabetes Atlas(世界糖尿病地図)
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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所