国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、世界の2007年現在の糖尿病人口は2億4,600万人。2025年には3億8,000万人に増加すると予測されている。
世界の糖尿病とIGT(耐糖能異常)人口
| 2007年 | 2025年 |
世界人口 | 66億人 | 79億人 |
糖尿病 |
有病率 有病数 | 6.0% 2億4,600万人 | 7.3% 3億8,000万人 |
IGT(耐糖能異常) |
有病率 有病数 | 7.5% 3億800万人 | 8.0% 4億1,800万人 |
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調査結果は「糖尿病アトラス」にまとめられ、昨年12月に南アフリカのケープタウンで開催された第19回国際糖尿病会議で発表された。
IDFに加入している200以上の国や地域の糖尿病協会などの組織、世界のおよそ30の疫学調査を基に、糖尿病と糖尿病予備群(IGT:耐糖能異常)の数と、2025年の予測数、糖尿病の医療費を概算した。
現在の糖尿病人口である2億4,600万人のうち80%は途上国に集中しており、爆発的に増えている。いずれの国や地域でも、前回の調査と比べ共通してみられる点は、より若い世代で2型糖尿病が増えていることだ。
世界の糖尿病人口
2007年現在の糖尿病有病者数と2025年の予測数
糖尿病アトラス
Diabetes Atlas, third edition
世界の200以上の国や地域の糖尿病有病者、予備群の概算、糖尿病の医療費などをIDFがまとめたもの。
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日本は、オーストラリア、中国、韓国、インドネシアなどともに、西太平洋地区に分類されている。西太平洋地区は世界で最も有病数が増えると予測されている。次に有病数が増えると
予測されているのはインドを含む南東アジア地区。
現在最も糖尿病有病者が多い国の順位は、1位 インド(4,090万人)、2位 中国(3,980万)、さらに3位 米国、4位 ロシア、5位 ドイツ、6位 日本、7位 パキスタン、8位 ブラジル、9位 メキシコとエジプトと続く。世界トップ10のうち7カ国を途上国が占めている。
糖尿病は未治療あるいはコントロール不十分のまま放置されると、腎障害、失明、血管障害、神経障害、心疾患などを引き起こす。また、世界で糖尿病により命を落とす人は年間380万人に上る。
国連決議、世界基金の設立へ
国際糖尿病連合(IDF)は、昨年12月の国際会議で糖尿病についての国連決議を要請し採択された。今年から11月14日は世界糖尿病デーとして国連の主催で開催されことになった。しかし、こうした国際的な対策が途上国で成果を上げるまでに、時間を要すると考えられている。
そこでIDFでは、今年3月に米国ニューヨークで約20カ国の医療関係者、患者団体、政府関係者などが集まって開かれた「世界糖尿病リーダーシップフォーラム」で、糖尿病の治療促進と予防のため、世界基金の設置を呼びかけると
発表した。
●詳しくは国際糖尿病連合(IDF)のサイトへ
糖尿病アトラス(Diabetes Atlas, third edition)
関連情報
糖尿病が国連決議 「unite for diabetes」
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所