32. 糖尿病予備群

2014年9月 改訂
◆糖尿病予備群の人が注意すべきこと◆
(1)糖尿病にならないようにする
(2)動脈硬化の進行を防ぐ
(メタボリックシンドロームを治療する)

予備群の人に必要なこと

 ここまでの話をまとめると、ポイントは右の二つに絞り込めます。ここからは、この二つの目標を達成する方法を紹介します。

太らない、肥満を解消する

 太り過ぎは糖尿病になりやすくなる大きな原因です。また、メタボリックシンドロームは基本的に、太り過ぎ(とくに内臓脂肪型肥満と呼ばれ、おなかが出るタイプの肥満体型)が原因で起こる病気です。食生活では下記のようなことに気をつけてください。

肥満を予防し解消する食事
満腹するほど食べない(満腹感を得ようとする癖をなくす)
どか食い、まとめ食いをしない(食事回数の少ない人ほど太る傾向がある)
野菜(繊維の多いもの)を積極的に摂る。とくに、食事の最初に食べると、食後の血糖値上昇を抑えるのに効果的。また、空腹感がやわらぎ、食べ過ぎ防止にもなる
よく噛んでゆっくり食べる(早食いは食べ過ぎのもと。一口ごとに20〜30回噛む)
1日3回決まった時間に食事を摂る(食べる量はなるべく均一に)
寝る前に食べない(摂取エネルギーが使われず、貯蓄に回って脂肪になる)
 
ながら食いをしない
毎日同じメニューにしない(偏食しない)
脂の多いこってりしたものは多く摂らない
フライ、天ぷら、油炒めは少なく(小麦粉や油でエネルギーは倍以上になる)
間食をしたり食後に甘い物を食べない
糖入りのジュース、清涼飲料水は控える
乾果物を多く摂らない
濃い味付けは避ける(ごはんが進みがち)
アルコールは少量に(日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本まで)
エネルギーのないもの(こんにゃくや海藻、きのこ類)を上手に使う
体重測定を習慣にして、増えたら食事を見直す

からだを動かす

 運動不足は肥満の原因ですし、血糖値が高くなりやすい代謝状態を招きます。ふだんの生活の中で、からだを動かす習慣をつけていきましょう。メタボリックシンドロームの原因である内臓脂肪は、運動を続けると割と順調に減るので、運動がとくに効果的です。
 急に本格的なスポーツトレーニングを始めると、続かなくなることが多いので、まずは毎日少なくとも6,000歩以上歩くことをめざしましょう。

ストレスや疲れをためない

 精神的なストレスも糖尿病の大きな誘因。できる限りストレスを避けたいものですが、現代社会ではなかなか難しい問題です。趣味やレジャー、社会活動など、リラックスできる時間を探してください。からだや心の疲れを癒すために、睡眠時間をできれば7時間以上とるようにしたいものです。
 
メタボリックシンドロームの是正目標
肥満腹囲男性85cm未満
女性90cm未満
BМI〔体重(kg)÷身長(m)225未満*1
糖尿病空腹時血糖値100mg/dL未満
食後2時間血糖値140mg/dL未満
HbA1c6.0%未満
脂質異常症
(高脂血症)
中性脂肪150mg/dL未満
HDL-コレステロール40mg/dL以上
nonHDL-コレステロール150mg/dL未満*2
LDL-コレステロール120mg/dL未満*2
高血圧収縮期血圧130mmHg未満
拡張期血圧80mmHg未満
*1 BMIが22になるのが理想体重です。
*2 狭心症や心筋梗塞の人は20mg/dL低い値が目標値です。
〔日本糖尿病学会編・著:糖尿病診療ガイドライン2016。南江堂、2016・他より改変〕

健康診断を欠かさずに受ける

 すべての病気は早期発見、早期治療が第一。糖尿病やメタボリックシンドロームの場合、自覚症状があてにならないので、とくに検査が大切です。健康診断は忘れずに受けて、注意事項があれば必ず実行しましょう。

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