糖尿病セミナー

12. 病気になった時の対策
シックデイ・ルール

2014年11月 改訂

?. シックデイのその他のポイント

 ここまで、シックデイ・ルールの原則を4つに分けてお話ししましたが、最後にその他の注意事項をいくつか挙げます。

夏場は特に脱水に注意を

 気候の温暖化で近年の夏は異常な高温になります。シックデイでない状態で屋内にいたとしても脱水に注意が必要です。シックデイの場合は特に注意して、喉が渇く前にこまめに水分を補給してください。

いつもと違う医療機関の受診時には

 かかりつけ医とは別の医療機関を受診する際には、次の情報を伝えてください。薬局で市販薬を購入する際も同様です。

★医師・薬剤師に伝えてください
1.ご自身が糖尿病であること 2.処方されている薬の名前(薬の名前がわからなければ実物を持参) 3.ふだんの療養経過の記録(『糖尿病連携手帳』など)を持参>

低血糖の症状と対処法を覚えておこう

 低血糖を経験したことがない患者さんが、シックデイに初めて低血糖になることもあります。初めての低血糖では、その症状が低血糖によるものだと気付くのに時間がかかります。低血糖症状がシックデイの病気自体の症状と似ていて区別がつきにくいこともあります。

★低血糖でよくみられる症状
動悸/手足のふるえ/冷や汗/頭痛/手足に力が入らない/物が二重に見える/だるい/考えがまとまらない/意識がもうろうとする/呂律〈ろれつ〉が回らない/昏睡 など
 低血糖は分単位で症状が進み、ご自身で対処できなくなったり昏睡に至ることもあるので、すぐにブドウ糖または砂糖(少なくとも10g)を口にするなどの対処をしてください。詳しくは『シリーズNo.20/低血糖』を参照してください。

高齢患者さんのご家族の方へ

 高齢の患者さんは、脱水や高血糖高浸透圧症候群、低血糖になりやすく、また、それらの初期症状がはっきり現れず、加えて、認知機能が少し低下していて的確な判断が難しくなっていることがあります。ご家族の方は気配りをいつもより少しプラスして、患者さんの安全と少しでも早い回復をサポートしてください。
こまめな水分補給を促す...喉が渇いてなくても数時間おきに飲むように勧めてください。
薬を加減しているか確認...食事をあまり食べられないのに薬はいつもどおりきちんと飲んで、低血糖になってしまう高齢患者さんも少なくありません。
眠っているのか?昏睡か?...急性合併症や低血糖は、どちらも重度になると昏睡に至ります。昏睡に陥っている患者さんは一見ぐっすりとよく眠っているようにも見えますが、一刻も早い治療が必要です。大声をかけて体をゆすっても反応しない場合には、直ちに119番!

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