患者さんのほんね、医療者のホンネ

2023年05月16日

Q. 糖尿病の「スティグマ」や「アドボカシー」についてご意見をお聞かせください。

A. 医師・医療スタッフのホンネ

※自由記述でお寄せいただいたコメントの一部をご紹介します。

  • 病院の場合、指導という名前が多く使われていて、糖尿病領域だけではなく、医療全体でやらないと進まないと思われる [医師]
  • まずは、医療従事者(予防教育をしている者も含む)が正しい情報、接し方などの教育を受けられることが重要だと考えます。 [医師]
  • 初めて聞いた言葉です。糖尿病はありふれた疾患。1型若年発症以外で、スティグマ(偏見、差別?)があるとは思っていませんでした。 [医師]
  • 世の中が寛容になってほしいと切に願います。 [医師]
  • 社会と患者さん自身への啓蒙 [医師]
  • 30年前とは異なり、今は治療法も多種多様に進歩しているので、糖尿病患者さんご自身のエンパワーメント等も盛り込んで、治療・支援にとりくむことが重要になってきていると感じます。 [医師]
  • アドボカシー活動は必要だが、盲目的に進めるとただ寄り添うだけの指導にもなりかねないことを危惧している。 [医師]
  • 永く一般診療と企業の産業医をしていますが、これまでそして今も糖尿病のスティグマなど問題に感じたことはその事例も含め一度もありませんでした。また、個人的にも自分自身の考え方にそのようなことは全く思いも当たりません。 このたびスティグマだ、差別だと声高に社会問題化されていることにはかなり唐突さを感じますし、妙な過剰反応であるように感じています。 一部のゆがんだもののとらえ方や卑屈な物言いの事例を大きく一般化しているように思われます。 [医師]
  • 精神分裂病は統合失調症に変わりました。怖い病気と というイメージが無くなりました。糖尿病も高血糖症 に変えるべきです。 [医師]
  • 一般の方は元より、医師や医療従事者自身がスティグマを持ち、それが患者さんのセルフスティグマにつながっているという事が多々あるのではないかと思います。 [看護師]
  • 偏見や差別的な仕打ち受けて、苦しんでいる糖尿病の方を救おうという活動に期待します。糖尿病イコール面倒、厄介というイメージは医療関係者にもあるので。 [看護師]
  • スティグマを抱えているという現状を理解して、きめ細やかな対応ができる医療従事者の育成が大切だと思う [看護師]
  • スティグマを取り除くのは賛成ですが、根強くある偏見を改善できるまでには時間がかかりそうです。 [看護師]
  • 指導時、普通に会話していた事が患者を見下している様に感じられるのであれば言葉をきちんと選び行わなければいけないと思いました。難しいですね。 [看護師]
  • 糖尿病のスティグマやアドボカシーについて看護職への教育支援活動ができるとよいと考えています。 [看護師]
  • スティグマをテーマにイベントを行った時、職員で糖尿病の方が、こんなんしても、体は痛くもかゆくもないし、糖尿病にはかわりないし、見る人おるんかなあ、僕は見んけど。と言われました。スティグマの啓発活動は3年目でしたが、スティグマ、アドボカシーの言葉とその意味については、まだまだ認知度は低いと感じました。 [看護師]
  • 糖尿病患者を糖尿病がある人となおすことまで、やらなくて良いとおもいます。だらしなく食べすぎるからDMになると世間がおもわないように、呼び名ばかり考えるのでなく、啓蒙活動が大切。最近の動きは呼び名にこだわりすぎる感じがしてます。結核などのイメージみたいとの意見がありますが、私は療養指導と呼んでいいと思います。 [看護師]
  • 職場で差別をうけた1型の患者さんに辛かった思いを聴く機会があった。2型の患者さんも 自分なりの頑張りを周囲に認めてもらえずに 苦しんでいる方もいた。患者さんが自分の思いを率直に話せる環境つくりが必要です。楽しいこと、辛いこと、困っていること、なんでも 溜め込まずに話せるコミュニケーションが 患者さんを前向きにさせる。患者さんは 話しているうちに、自分で答えを見つけ出すことが多いと感じます。患者さんを生活者として捉えると、がんばっておられることを医療者としても、同じ生活者としても感じます。 応援したい気持ちが湧いてきます。 人間関係が大切ですね。 [看護師]
  • 相手を尊重して日々話をききながら、いかに血糖コントロールを実践するかを話し合っているが、わかっているのに食べてしまう患者には、厳しく言うことは必要だと思う。言い方かまろやかになる為患者に伝わりにくい。 [看護師]
  • 知らず知らずのうちにスティグマを感じさせてしまう言動をしてしまっているのかも知れない と最近思います。 患者さんの気持ちに寄り添う事 立場になることに努めていきたいと思います。 [看護師]
  • 生活習慣病といわれる病気は自己コントロールできないと思われる。糖尿病以外にもスティグマがあると感じています。また、考え方が真面目すぎると、鬱病の人とか。 1型糖尿病は2型とは違うけれど治療は周りを巻き込まないといけないので、スティグマをうけやすいと思います。 [看護師]
  • 病院職員の中にも慢性疾患で繰り返し入院してくる患者について固定概念が付いている場合が多い。色眼鏡を取り去るための病院職員への勉強会も必要と思う。 [看護師]
  • 糖尿病という名称自体がスティグマになっているのではないかと思っているのでアドボカシーとして名称変更もあっても良いのかもと思いました。 [看護師]
  • 有名人の方が、糖尿病と戦っているというマスメデイアの利用は有効と思います。しかし亡くなっている方も多く難しいですね。 [看護師]
  • 世間では糖尿病についての一定の理解あるとおもいますが、逆に糖尿病の方がバリアをはっているような感覚があります。カミングアウトして、周りの協力を得られるようになればいいと思います。 [看護師]
  • 糖の代謝異常などの言葉選びをして糖尿病の人と限定しないようにしている。耐糖能異常が起こり始めている人はたくさんいるとおもうから。 [看護師]
  • 指導より、患者さんが主体なので、情報提供をするという意識で、患者さんがいいコントロールの維持ができていけたらと思います [看護師]
  • 糖尿病のスティグマについては医療者の方が一番もっている気がします。医療者への教育も必要に感じます。 [看護師]
  • まだまだ糖尿病に対するスティグマはなくなりにくいような気がします。 中には食べたいから食べるなどのように開き直るような発言もあり尊重しながら関わっていく個別性のある看護をしていく難しさも感じます。 [看護師]
  • 難しいことだけれど重要なことだと思います。 [看護師]
  • なるべく多くの医療スタッフに偏見のない関わりを持ってほしい [看護師]
  • 病名変更の話が出てかなりの年数が経過したがどうなったのかといつも思っている [看護師]
  • 一般的に、確かに糖尿病のスティグマ、アドボカシー...差別はあるのかも知れないが其れは糖尿病だけでなく、全ての病気に対しての差別だと思っている。 [看護師]
  • 糖尿病というだけで自堕落な人、贅沢病、肥満と思われるという話を聞いた。やはり糖尿病に対するマイナスなイメージは根強いと思う [看護師]
  • 個人差があるので難しい問題ですが、名前を変えるのは賛成です。 [看護師]
  • 1型の患者さんが自分の辛い体験や状況を話せる場がもっと増えるよう活動したいです。 [看護師]
  • 過剰になりすぎず、1人の人として普通にできると良いと思っています。 [看護師]
  • 社会全体が認めて、通院しやすい状況をつくる事 [看護師]
  • 医療関係者全体で取り組むべき。 [看護師]
  • 糖尿病について正しい知識が広がるようにマスコミやSNSなどネットの活用も大切だと思います。 [看護師]
  • 早く病名の変更を実現してほしいと思います。 [看護師]
  • 前向きに治療を受けることができるようになってほしい [看護師]
  • 糖尿病の病名を変更しただけでは事態は変わらないど思う。それよりも患者自体が変わらないと意味がないと思う。 [看護師]
  • スティグマ,アドボカシー活動はとても重要な事だとおもいます.しかしながら,2型糖尿病に至った経緯が明らかに自己責任の場合もあるため,一律に理解してもらうことは難しいのではとも考えています. [看護師]
  • 患者さんへ敬意を払うことだと思います [管理栄養士]
  • 見た目で判断しない 考えをよく聴く [管理栄養士]
  • 自分自身で気付いていないことも多いと思います。出来れば患者さんと一緒に学ぶ機会があれば良いと思います。 [管理栄養士]
  • 差別をうけているという患者さんに会った事がない。地域性か?知識の違い?糖尿病患者さん以外の人たちの教育が必要と思われる。 [管理栄養士]
  • スタッフとの情報共有 [管理栄養士]
  • 医療者側の何気ない言葉、行動がスティグマになってしまうことがあることを常に自覚しなければいけない。 [管理栄養士]
  • 糖尿病の名称を変更すべきと思う。 [管理栄養士]
  • 糖尿病のもつイメージを社会的に変えていくことも必要と思います。 [管理栄養士]
  • スティグマによって早期治療・治療継続、血糖コントロールに対する意欲が低下して悪化しないようコミュニケーションをとっていきたい [管理栄養士]
  • 糖尿病患者である前にそれぞれの人生があって、本人にとっては治療が最優先ではない場合もあることを忘れないようにしたいと思う。 [管理栄養士]
  • 不勉強でスティングマやアドボカシーの言葉を理解していませんでしたが、言葉ももっと平坦ないいまわしだと広く伝わりやすいと思いました。 [管理栄養士]
  • 意識なく行っていることがたたあります。まずは医療者が正しい知識を周知すること。マスコミはその後 [管理栄養士]
  • 糖尿病は自業自得という理由だけでなる病気ではないことを糖尿病でない一般の人に知ってもらいたい。 糖尿病の人が自分で自分をおとしめるような負の感情を抱かせないように、医療者の患者への接し方を学ぶ機会があるといいと思います。特に普段から糖尿病診療に深く関わらない科や一般職員も含めて。 患者に負の感情を抱かせてしまう医療者の態度は患者のアドヒアランスを削ぐものとなりえるから。 [管理栄養士]
  • 肥満、糖尿病と診断されても前向きに治療に取り組める環境づくりは大切。 [管理栄養士]
  • 糖尿病でない人にスティグマやアドボカシーの意識がないことが多いので、今の状況では変えることは難しいと思います [管理栄養士]
  • 世間にスティグマをしないように求めるのはとても難しいと思うので、まずは医者、医療従事者がスティグマをしないような環境を整えてほしいです。 栄養相談をしていると、自分自身が糖尿病になるリスクも0ではないと感じます。そんな中で、糖尿病だからと患者さんにレッテルを張るような医療従事者がまだまだ沢山いることがショックです。 [管理栄養士]
  • 糖尿病を持つ方は、自己管理が大変なので、他人に聞こえるくらいの大きな声で、患者さんの血糖値やHbA1cを伝えない方がいいと思う。また、1型,2型糖尿病の病名を変えるべきだと思う。 [保健師]
  • 糖が尿に出る病気=糖尿病 という理解しやすい名前だと思いますので、2型は糖尿病、1型は膵機能障害とかはいかがでしょう? [保健師]
  • 一人一人の人権を尊重することが何より大事だと思います [保健師]
  • 糖尿病の患者さんもドクターも、検査の結果の数値だけに目が行くことが多く、薬剤療法以外の日常生活や食事への関心が今一つ低い。話をよく聞くと病院では、何も指導やアドバイスはなかったと言われることがほとんど。それでも、生活自体が重要なことをもっと伝えたい。そのためにも、毎日の生活のリズムや家庭環境をじっくり聞きたくなる。 [薬剤師]
  • 国民のヘルスリテラシーを高めるため(今回は糖尿病)、正しい知識を、リテラシーを高める必要がある層(Segment, targeting)に届ける様にpromotionを工夫が必要だと思います。 [薬剤師]
  • 糖尿病というだけでだらしない生活、食習慣の不摂生をしているのではないかと医療者側である私自身も思ってしまうので、まずは本人の生活リズムや考え、服用中の薬など客観的に見ることを重要視するよう努めている。 [薬剤師]
  • 自身も糖尿病があり、がん保険加入を諦めていたところ乳癌になってしまいました。最初診断がついた時に尿とつく病名に多少の抵抗感を覚えた記憶もあります。 [薬剤師]
  • 患者さんとのやり取りは気を付けてます [薬剤師]
  • 糖尿病イコール自己管理不良のイメージから、疾患に向き合えず、治療が医師まかせになっていたり、治療中であることを恥じていたりする患者さんが相当な割合でいらっしゃると思います。 患者であることを恥じたり隠したりする必要がなく、周囲の協力が得られる環境が治療上重要だと思います。 [薬剤師]
  • あまり言葉に固執することなく、その先に待っている合併症やCVDリスク等にもっと焦点を大々的に当てる [薬剤師]
  • 昔は皆食生活が貧しくて、糖尿病は贅沢病とも言われた。病気に対する正しい知識と治療の啓蒙が必要です。 特に極端な炭水化物制限など。 [薬剤師]
  • 最近は糖尿病の人はたくさんいて、特に珍しい病気でもないので、国内で偏見を感じたことはありません。海外ではあるかも知れませんが。 [薬剤師]
  • お医者さんの言葉がきつかったと薬局で悲しそうに話された方がいました。偏見は世間一般だけではないのでは。 [薬剤師]
  • 1型糖尿病インスリン作用不全  2型糖尿病インスリン作用不足 または、慢性高血糖症  など。まず病名変更したいですね。 [薬剤師]
  • 1型糖尿病と2型糖尿病他、全てを一括りにするのは治療上似ているからと言っても無理が多いように感じます。 病名は変えて欲しいです。 某先生が仰る通り、高血糖症として、その中で分類を作ればよいと思います。 統合失調症のように、病名の和訳に拘らなくてもいいと思います。 [薬剤師]
  • 普段接する患者が超高齢が多く、正直スティグマを感じることは少ないが、社会で活動する患者においては積極的に取り組むべき内容だと思っている。 [薬剤師]
  • 医師との信頼関係で患者さんの背景が影響している場面があるのではないかと思った。 [薬剤師]
  • 糖尿病になる原因が色々ある事をみんなに知ってもらいたい。本人以外にも、医療が関与している事、遺伝が関与している事、たくさんあると思う。 [薬剤師]
  • カタカナにて定義づけをすることは本来の問題をうやむやにしている印象を与えかねないと感じています。特に高齢の患者・家族には受け入れてもらえないと思います。 [薬剤師]
  • 幅広く糖尿病を持つ人の意見やコメントを聞いてみたい。 治療法や合併症についてどう思っていらっしゃるのかお伺いしたい。 [薬剤師]
  • 外来患者さんと接していて、どのような感じがスティグマなのかアドボカシーなのか全くわからない。 [薬剤師]
  • 患者さんの声が上がりにくいと思われます.理由として,自分たちが声をあげると今まで診てくれていた先生方に申し訳ないという雰囲気があるからです.今まで,厳しい人たちがガラッと変わるのは患者さん側にとってみれば,不安になるのではないでしょうか? 医療従事者側がどのようにできるか,よく考える必要があると思います. [薬剤師]
  • 糖尿病の病態を広く一般の人に伝える機会を増やす。 [薬剤師]
  • 世間の糖尿病(1型、2型に関わらず)に対する認識が良くない。糖尿病になるのは「暴飲暴食をしてきた、自堕落な生活をしてきたからだ」と個人に疾患の原因があったと誤った理解をしている。 世間の糖尿病に対する認識を高血圧と同じ程度に持っていく必要がある。 [薬剤師]
  • 病態に対する正しい知識(生活習慣のみに起因するものではないこと)を普及しきれないままにアドボカシー活動を無理に推し進めると、かえって糖尿病を持たない人たちからの偏見を助長するような気がしています。 [理学療法士]
  • 糖尿病だからアレダメこれダメって制限させるの、止めさせたいです。ましてや医療従事者に言われると今後心を開いてくれることがない気がするので。 [臨床検査技師]
  • 病名が、やはり問題だと思う [臨床検査技師]
  • 思いやることは大切だが、本来知らないといけない情報や持たなければいけない危機感を喪失することを避けていきたい。 [製薬企業]

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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