患者さんのほんね、医療者のホンネ

2023年02月27日

Q. 患者さんの経済状況と糖尿病の医療費についてご意見・アドバイスをお願いします。

A. 医師・医療スタッフのホンネ

※自由記述でお寄せいただいたコメントの一部をご紹介します。

  • 医療費負担について、高齢者ばかりが取り上げられるが若年~中年の糖尿病患者の方が問題。若年~中年は所得が増えず、かつ窓口支払いが高齢者より大きいので、治療強化(一般的には医療費負担増)に躊躇する方が多い。【医師】
  • あまり医療費のことを重要視していなかった頃、SGLT2阻害薬を処方した次の外来で「いつもの薬代のつもりで用意していたので薬代が払えなかった。先生はとりあえず薬出して満足かもしれないけど、支払う患者の身にもなってくれ」と言われて気がついた。皆さんがそうかはわからないが、商品やサービスを提供する際に金額を提示しないのは医療くらいではないかと思い、それ以降は金額のことはある程度は説明するようにしている。【医師】
  • 先発品メーカーは必ず汎用薬品との配合剤をつくる、といった取り決めを厚労省が提案するといい。【医師】
  • 1型は無条件で公費にすべき【医師】
  • 給料日後の診察を希望する。【医師】
  • 1型糖尿病やインスリンが枯渇してる人への身体障がい者手帳の交付など、広く使いやすい制度【看護師】
  • お薬をギリギリに出してもらった結果、足りなくなった。という電話が増えている【看護師】
  • そのような相談された事は無いので分からないが、然るべき部署にスムーズに相談出来ればと思います【看護師】
  • コロナ禍で受診できず食事も1食(糖質のみ)高血糖でインスリンが打てない⇒バイオシミラーに変更 ・注射や注射針の残量を確認してもらい余計な処方箋料や、注射代を削減 【看護師】
  • 投薬日数よりも通院間隔が開いてしまい明らかに薬が切れHbA1cが悪化してから来院してくる。合併症が進むと、さらに治療費がかさむのに。説明しても、何度も繰り返しています。【看護師】
  • 医師より新しい注射薬への変更がされたが、薬局で薬価を聞いた患者から変更をキャンセルしたいとの申し出があると薬剤師から問い合わせがあり、もとの治療に戻すことになった。医師は薬の変更時は効果とともに薬価や管理料などの説明もする必要があると感じた。【看護師】
  • 以前、お金がないからと、処方された薬を取りに行かなかった患者さんがいました。 【看護師】
  • 経済的に治療費負担が厳しく検査や受診回数を減らしたいという要望が増えている。院長に許可を得て検査内容を削減したり、SMBGの回数やタイミングを減らしてコストを抑えた血糖管理を継続できるように介入している。本格的に厳しい方は、ドロップアウトしてしまい状況悪化した状態で再診されるので結果、また治療費が嵩むという悪循環に陥っている。今後、さらなる低コストの治療薬や、SMBGの低コストアイテムが開発されることを期待します。【看護師】
  • 薬剤ではないのですが、訪問看護の導入を断られることがあります。訪問看護よりヘルパーサービスの回数を、増やしたいなど。【看護師】
  • インスリン等の注射製剤の使用をされている方(特に1型糖尿病や強化療法中の方)は医療費負担額が高額になるため、医療費が高いと言われることがよくあります。医療費負担の相談を受けたり、公的扶助があればと言われたりもしています。【看護師】
  • インスリンの中断、針の使い回し【看護師】
  • 仕事のシフトを減らされた、会社が倒産した、などで医療費や食費にお金をかけられないと相談を受けた。通院頻度変更や加算算定の変更、薬剤変更など医師に相談して行った【看護師】
  • 医療費負担は治療自己中断につながることがある。しかも経済的負担が理由と患者がなかなか言わないことが多い【看護師】
  • 壮年期の男性患者。突然1型糖尿病と診断されて医療費増加。本人は独身で、派遣勤務でコロナ禍で収入も不安定となり、仕事の内容でリブレの利用とインスリンポンプが望ましいのだが、負担が大きく、苦渋の選択でリブレのみ導入された。【看護師】
  • 病気で仕事をやむなく退職され、治療のために病院通院されていた40代の方が、医療費が払えずケトーシスで運ばれてくる方が多い。(生活保護になれない低所得者の方) 当院はDPCによる診療報酬を受けているが、病名によって値段がかなり変わるので患者にとっては支出が多いと死活問題だと思います。【看護師】
  • 経口血糖降下薬からインスリン注射の導入になった。間も無くして本人より、夫の癌化学療法に掛かる費用が多額であるため自身の治療にかかる費用を抑えたいと相談を受けた。主治医に相談治し療薬や検査回数などについて検討された。 【看護師】
  • 病状により仕事を続けることが難しくなった方で治療費について困っていると相談されたことがありました。MSW、会計事務に相談し、公的支援制度とか受けられるという情報を知って安心された様子でした。 でも、一番は病気を抱えながらでも、治療を続けて仕事が続けられる環境や社会作りも必要だとも感じました。そのために医療業界としてもできることをもっと考えないといけないと思います。【看護師】
  • 負担を少なくしたい意向を確認後、医師から出たインスリン導入指示に対してカートリッジを提案したところ、クリニックでは導入されておらず、そこで初めての導入となった。専門医でも、カートリッジを処方することに不馴れな場合があるようです。【看護師】
  • 高額医療に引っかからないため医療費負担の影響から病院の予約をよくキャンセルし、懐が潤ったときに来院される方が居ました。50代男性。 その方はかなり合併症が進行しており脳、心、目に疾患も出ていました。 費用負担の話しを聞きDrに医療費負担減の働きかけや、公的減免についても説明しましたがどれも上手く行かず。 家族のサポートも乏しく精神疾患もあったことから高血糖でのコントロールをするということでインスリンを全面的に中止した例があります。 公的補助が受けられる生保の方のほうが血糖コントロールが安定している感じがします。 診療の度に約1万の壁。患者さんからすれば死活問題になっているのが現実です。 血糖のコントロールはしたいけど他に削るものがないならば症状のない糖尿治療をと考えるらしいです。 生保の方の医療費全面無料との差がここにはあるように感じております【看護師】
  • 薬剤師に相談しインスリンのデバイスの変更【看護師】
  • インスリンやGLP-1を開始するときや検査入院する時等費用がいくらくらい掛かるか聞かれる事がよくあります。【看護師】
  • コロナ禍で失業してしまい求職中。失業保険も切れ、国民健康保険料が負担出来ず、無保険に。その状態で予約日に来られず。ケースワーカーを交え相談し役所の手続きに行ってもらったが、保険料が月六万になる、払えない。受診と薬で三万の負担の方が良いと仕事が決まるまで無保険を選択した。元々、治療中断や薬に対するアドヒアランスもよくない。血糖コントロールが上手く行っていない。万が一、入院となった時困るのではないかと危惧している。気になる患者としてフォローしている。 【看護師】
  • CGMのメリットを感じるが医療費の家計への負担を考え諦めている方がいる。血糖のコントロールにはSAP療法、クローズドループを望んでいるが「医療費の関係で続かない」と相談を受けた。また、妊活や不妊治療中で妊娠成立時の血糖コントロールが重要であり、また悪阻等で血糖調整が難しい状況になる前にポンプ療法やSAP療法に慣れることを勧めたが、経済的理由で始められないという声がある。また高額になるSAP療法のセンサ不具合に対して「怒り」「無力感」を話される方もいる。【看護師】
  • 高い薬を使ってデータが良くなるのは当たり前だから薬に高いお金は払いたくないと言っていた患者さんがTV等で情報を得た高価なサプリなどには高いお金を払っているという事があり印象に残っています。【看護師】
  • 1型糖尿病の患者さんでは、インスリンペン型をカートリッジへ変更することもあります。 医療費の件では、患者と何を軽減できるのか検討する、方法等を提案し患者さんが選択できるようにしている。【看護師】
  • 薬でなく、生活習慣是正する しかし、 サプリやタバコは、論外がある【管理栄養士】
  • 2型糖尿病で薬物療法(インスリン・経口剤併用)であった患者様が、食事療法と運動療法で血糖値のコントロールが良好となり、インスリンが離脱できたときに、「月に1万以上薬代が、5000円以上安くなって通院が続けられるよ。」とおっしゃっていた。薬代が高くて、薬が無くなってから受診するように医療費負担が難しく、受診控えをする患者様が実際にいらっしゃった。 【管理栄養士】
  • 主治医から薬の追加を提案されたが経済的に厳しいため拒否された患者がいる。 食事療法で野菜の摂取をすすめることが多いが、買う余裕がないと言われたことがある。【管理栄養士】
  • 血糖コントロールが困難で、一旦入院してコントロールを行った方が良いと思われる患者さんが入院すればさらにお金がかかるとの理由で入院を拒まれていることはよく経験します。【管理栄養士】
  • 降圧剤と糖尿病薬を内服している肥満の患者さんに、食べ方の癖を修正するのと同じような効果のある薬(αGIなど)は自力で試す提案やインスリン抵抗性を改善する薬は運動療法と親和性があることを説明してスマホアプリでの管理を提案し減量と数値改善に至ったため、主治医に治療費について相談してみるよう促して良好に経過している例がある。できるだけ薬は飲みたくないという患者さんは多いが、そう申し出て主治医に薬を調整(減量、中止)してもらい数値が悪化し、その原因を顧みず医師への不満をぶつけてくるケースもある。医師へ聞きたいことがあってもなかなか言い出せず、患者さんが一方的に不満を募らせていくケースをときに経験する。【管理栄養士】
  • 栄養指導の中で、経済状況により食事の内容に影響が出ているのを実感しています。 以前は、食材の質に気を配っていた患者さんでも、質より価格、量に変化が出てきています。 医療費を捻出するために、食事にしわ寄せがきていると感じます。【管理栄養士】
  • 1型糖尿病の方のインスリン注射は、医療というよりは生活に欠かせないものなので、必要量によって自己負担額が変わる制度はいかがなものかと思う。【管理栄養士】
  • 我慢が出来ない程度に悪化しないと動かない沖縄県民の中でも特に男性は動かない 何度も何度も検査に行くように伝えても動かずにいたら、その後倒れて...とか話をよく聞く 数値が悪化してもピンとこないお客様も多く 医療費がもったいない、高いとか言うお客さんにはもう何も伝えてない登録販売者
  • 当町の場合、福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示等の結果として、医療費の減免措置が継続しています。そのため、適正受診とは言い難い状況の住民が存在することは事実です。 今後、減免措置が終了した場合、住民の受療行動がどのようになるのか、注意を払いつつ適正受診に向けた啓発活動と、自己判断で治療中断しないように注意を促す必要があると感じています。【保健師】
  • 注射剤使用中の患者様より、医療費負担を軽減するため処方を最低限にして欲しいと相談受け、医師へ報告したことはある。 注射剤使用中の患者様が血糖測定をした方がよいが医療費負担が増えるため、測定をするかどうか相談を受け、在宅自己注射管理料について説明し、医師へも報告したことあり。【保健師】
  • 昨今の円安等で物価が上昇する中で、定期的に薬価は下がる。薬のみを考えれば世の中の人にとってこれほどの恩恵はないと思う。 【薬剤師】
  • 不必要な薬は処方されていないので、どうすれば減らせるのか(A1c が改善する等)、いつまで必要な薬か等を説明し、今後の生活について一緒に考える。 どうしたらインスリンを止められるかという質問は多い。内服薬になれば、薬代が安くなるので、血糖値の改善につなげられるような療養支援のきっかけにしている。 【薬剤師】
  • 医療削減の前に、服用している薬の見直し、服用率から残薬の見直し、治療目的を明確にすることが必要。 個人病院の院内処方による薬剤をもらっている患者は、薬の説明が無いまま薬を飲み続けています。 【薬剤師】
  • 血糖を測定してこない 測定回数を40回以上から20回以上に減らす。そういう工夫をされている患者さんがいます。【薬剤師】
  • リベルサス増量により薬代が高くなった時、「食欲が無くて食費が減ったのに、薬代に消えちゃったわ」と言われました。【薬剤師】
  • 何らかの理由で治療薬の変更がある場合は副作用・効果等の確認のためにも受診は通常よりも短期間で行い処方薬もその日数に応じたものであるべきだと何回も感じています。患者さまは副作用により飲めず・使えない薬なのに60日分もまだある・・・といような状況は医療費の無駄でもあり患者負担増の温床だと思います。【薬剤師】
  • 重症高血糖のため入院された方が、「お金がないから受診しなかった」というお話をされたのがとても印象的でした。袖口や襟口のほつれたトレーナーを着用されていました。公的機関の紹介をしたくて当院ソーシャルワーカーとの面談をお勧めしましたが、かたくなに断られました。インスリンの注射が必要でした。退院後受診されているのか確認できていません。【薬剤師】
  • 同じ施設の職員の中にさえ、医療費が高いからと診察を拒むスタッフが出てきた。【薬剤師】
  • 支払いの時にどの薬が高いの?と聞かれることが複数回あります【薬剤師】
  • 経済負担軽減のためインシュリンの針の複数回使用や空ウチの未実施などがある。また治療中断になった方は来局がないしデリケートな問題なので薬局内で詳しく話伺えないこともある。負担軽減のため影響の少ない薬の服用タイミングを揃える 食前と食後 朝と夕各々分1を朝に揃えるなどの対応を医師に相談して変更した【薬剤師】
  • 複数の診療所を受診している患者さんには採血結果持参で内容を変更したり、受診間隔を延ばしたりします。診察室ではなかなか言えないこともあるようなのでコメディカルの方から患者背景などを医師に提案、報告したりします。【臨床検査技師】
  • 一型で低血糖も多く、isCGMやrtCGM、SAP等紹介したが、お金の面で難しいと。 インスリンを安価なものに変更する提案や、将来的な医療費削減につながるとお伝えしても現状無理と。わかる部分も多く、お金の問題は難しいと感じます。【臨床検査技師】
  • 1型の方でポンプの使用を検討したらと医師から提案あったが、通院回数や自己負担増があり導入に至っていない患者様がいます。 私自身も1型で、過去にポンプを勧められたが、前述の方と同じく負担のことを考えると踏み出せずにいました。 通院の医療費、薬剤費ともに高額で家計の負担になります。医療費助成の対象にならないかなと思います。 【事務作業補助】

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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