糖尿病 男の悩み ―糖尿病と性機能低下―
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糖尿病3分間ラーニング
男性医学と泌尿器科専門医の立場から

2. “ED”という言葉について考える

熊本 悦明

その1

 最近“ED”(Erectile Dysfunction)という言葉が巷にひろがりつつあります。正確に日本語訳すれば“勃起障害”のことですが、それはかなり直接的というか、具体的医学的用語であり過ぎて、なかなか一般市民には受け取り難い言葉です。勃起ということは、日常的社会においては秘事的な事象とされていて、口にするのは恥ずかしい言葉という感覚を人々は持っていると思います。

 ところが、これが男性の性の基本的生理現象であり、今まで秘事であったものをもう少し事挙げして、その障害を治療に結びつけることが男性のQOL(生活の質)を高めるのに重要なことであるという認識が、最近社会的に高まってきているのも事実と言えます。

 それを勃起とか“勃起障害”とかの、あまりにも直接的な表現は憚られると言っても、女性における“月経”を間接的に “月のもの”などと上手く表現できるものがないのです。

 そこで英語で、しかもその略号である“ED”を用いてはどうかということになり、男性の性への関心を高めるという考えから、製薬会社やジャーナリズムによって、“ED”という用語の普及がかなり活発に行われるようになったわけです。


男の性機能診断名としては“ED”という表現は不適切。
「性機能低下」と言うべきです

 しかし問題は、EDという羞恥心を刺激しない表現とは言え、正しく理解すれば、話題にしたり言挙げし難い事象であることには間違いなく、やはり一般人には使い難い用語であることは否定できないようです。やはりあまり具体性のない“性機能低下”という表現のほうが、感覚的にソフトで一般の方々がより使いやすいと思います。

 EDの意味のわからない人に、その意味を説明すると何となく口を濁し始めるのが、一般日常会話における状況であることを考えれば、啓蒙的にもあまり好ましい表現とはいえません。

 要するに“勃起障害”ということは“性交渉における陰茎勃起不全により性交渉不能の状態”を念頭に置いた発想であるのです。しかし男性医学の立場からすれば“男の性”はもっと広い意味を含んでおり、性交渉と無関係な、より基礎的な、男の生理機能の問題を諸々もっているのです。

©熊本 悦明

もくじ

2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した
「NGSP値」で表わされるようになりました。過去の記事はこの変更に未対応の部分があります。

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