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第6回
3. 尿糖測定の有用性を検証
——先生は、尿糖測定の有用性について検証されたそうですが

Dr.小田原: はい。食後血糖の測定法としての尿糖試験紙の有用性を検証し、第52回日本糖尿病学会学術集会で発表いたしました。

 この検証は、糖尿病と診断されていない555名を対象にしました。男性が多く、平均年齢は45歳位、BMIは平均22台。日本人の2型糖尿病患者さんの平均BMIは23.1〜23.5位なので、対象者はそれよりもちょっと低めです。日本人全体の平均では22.8位ですから、日本人のごく平均的な普通の方と考えていただいてよろしいかと思います。

 この方々に、尿糖が陽性かどうかを3日間、尿糖が一番上がりやすい夕食後に自宅で測定してもらい、結果、陽性(+)(±)が1回以上出た方に対して、実際に糖尿病かどうかを測定するためのブドウ糖負荷試験(GTT)を受けてもらいました。同時に、特定健診の基準である、空腹時血糖(FPG)が100mg/dL以上、あるいはHbA1Cが5.2%以上(JDS値・以下同)の方もGTTを受けてもらいました。試験紙には、一般の薬局でも手軽に購入できるテルモ社の新ウリエースGa(写真)を使いました。

新ウリエースGa
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 すると、陽性が出た方のうちGTTが施行できた82名を見てみると、食後の尿糖陽性が24名、FPG100mg/dL以上が56名、HbA1c5.2%以上は30名おられました。この中で、尿糖陽性が出た24名のうち11名(46%)が耐糖能異常(IGT)でした。

 また、特定健診の基準内であるFPG100mg/dL未満、HbA1c5.2%未満で、食後尿糖のみ陽性であった方を検証したところ、なんと41.2%がIGTでした。

 つまり、尿糖陽性の方の約半数が、実際に食後高血糖タイプの糖尿病あるいは糖尿病予備群だったということです。また、特定健診の基準(HbA1c、FPG)をクリアしていたとしても、尿糖陽性の方の約4割が、糖尿病あるいは糖尿病予備群だったのです。このことから、通常の検査で実施される空腹時血糖だけでは捕捉できない糖尿病やその予備群を、尿糖試験紙が捉える可能性が高いことが明らかになりました。

——半数というとかなりの確率ですね

Dr.小田原: そうですね。陽性者の46%がIGTでした。これに加えて、特定健診の基準であるFPG≧100mg/dLではIGTは57%、、HbA1c5.2%以上であればIGTは63%になります。こうしてみると、尿糖が出ている人の糖尿病リスクはかなり高いと言えるでしょう。そして、特定健診の基準で引っかからなくても、尿糖が出ている人の41.2%がIGTというのは、とても重要な結果です。このことから、健診での"もれ"が相当あることが推測できます。

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2012年03月 


※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。

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