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糖尿病の尿検査 トップページへ メールマガジン無料登録
第6回
 近年、空腹時血糖値は正常または境界領域でも、食後の血糖値が糖尿病の人と同じくらい高くなる「食後高血糖」が注目されています。“隠れ糖尿病”とも言われ、糖尿病の初期は健康診断ではなかなか見つかりにくいので、糖尿病と診断されるまで放置されてしまうことが予測されます。

 今回は、東京医科大学病院の小田原雅人先生に、尿糖測定の有用性についてお話をうかがいました。尿糖測定は食後の血糖状態をある程度把握できることから、耐糖能異常者の早期発見に大きな有用性を発揮するのではと期待を寄せておられました。

1. 尿糖測定を有効に活用するために
——尿糖測定は、どのような方が実施するとよいと思われますか?

小田原 雅人 先生
Dr.小田原: まずは、特定健診で保健指導まで引っかかった方、血糖値が高めとの判定が出た方、もしくはご家族に糖尿病の方がおられる方など、糖尿病予備群の方には定期的なチェックをおすすめします。こちらのお話は、後で詳しく触れていきたいと思います。

——糖尿病患者さんではいかがでしょうか

Dr.小田原: 糖尿病患者さんでは、血糖コントロールの状態をみるSMBGを行っていない非インスリン療法の方。また、食事の内容をチェックするのに、尿糖測定は有効だと思います。炭水化物が多い時や少ない時、食事量が多い時少ない時を比較してみたり。また、食後に運動して尿糖が出るかどうかのチェックを行ってみるのもよいでしょう。運動しない時と比べてみると、食後血糖値の下がり方(尿糖の出る出ない)が違うことを実感されるのではないかと思います。このように、日常生活で、食事療法や運動療法の振り返りとして、尿糖をチェックするのは、非常に有効です。

——日常生活で、自分の状態を把握することは大切ですね

Dr.小田原: とても教育的効果があると思うのです。甘いものをちょっと食べたり、食事したりした後に、SMBGをするとものすごく血糖が上がっている。それを見て皆さんびっくりされて、モチベーションが上がります。SMBGができない人は、同じように尿糖で測ってください。試験紙の色が変わったのを見て、尿糖が出ていることをご自身で確認できれば、食事も運動も気をつけようという動機につながると思うんです。がんばっても結果がすぐに見えない状態では、目隠しで治療を行っているようなものです。モチベーションが上がりませんよね。

——その他に、活用できそうなケースは想定できますでしょうか

Dr.小田原: インスリン療法を行っている人でも、高齢者など、手技的にSMBGができない方がいらっしゃいます。そういう方の場合は、病院に来た時はこちらで測りますからよいのですが、在宅時は、尿糖チェックの結果が飲み薬やインスリン量の調節に役立つことも考えられます。

——インスリン療法を行っている方でも、SMBGでフォローできないときに、代替的に尿糖でチェックしてみることもできるわけですね

Dr.小田原: そう、朝一番に尿糖測定を行い、尿糖が出ているとすると、これは血糖値が180mg/dL以上ある可能性があります。そういう時は、時効型インスリンを増やしてもらうとか、空腹時血糖をもっと下げる治療をしてもらうなど、人によっては薬剤量調整の参考にすることもできます。また、空腹時に問題のない方でも、食後2時間に尿糖測定を行っていただき、色が強く出るようであれば、食後の血糖値を下げるようなインスリンを増やすなどの対応ができます。SMBGができる方には、もちろんそれを勧めますけれど、できない方、保険がきかない方には非常に有用だと思います。

——活用のコツはありますか?

Dr.小田原: 予備群の方は、まずはとりあえず一回やってみるということですね。食べたものによって結果は変わりますので、繰り返し何回か測定してみることが大切です。その時たまたま炭水化物量が少なかったから、あまり上がってないということもありますので。また、定期的に測定するということがとても大事なんです。年に何回か、食後2時間値を1日3食×3日〜1週間程度測定するとよいと思います。

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2012年03月 


※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。

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