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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から1型糖尿病患者を守るために(南米エクアドル・FUVIDAレポート)

―私たちは共に強くなる。―

 この言葉をモットーに、南米エクアドルで小児糖尿病患者さんを支援するFundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(代表:アラセリー・バスルト・カルデロン氏)では、300を超える現地の糖尿病患者さんとその家族を対象に支援活動を行っています。

 国際糖尿病支援基金は、この活動の趣旨に賛同し、2008年より南米エクアドルのFUVIDAを支援しています。




Fundación Vivir con Diabetes(FUVIDA)
president.Aracely Basurto Calderon

アラセリー・バスルト・カルデロン代表
(エクアドル共和国 グアヤキル在住)



 新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)は、わが国エクアドルでも深刻な社会的混乱と経済的影響を受けており、2020年8月現在もなお、緊急事態宣言は続いています。
この悲惨な状況は、FUVIDAと糖尿病患者さんやその家族との絆をさらに強くしました。
糖尿病のある人がCOVID-19に感染すると重症化しやすい。という報告が相次ぐ中、皆で団結して協力することによって、恐ろしいパンデミックから身を守ることにつなげることができると考えています。

 糖尿病の患者さんは、「糖尿病」と診断される前と後では人生が大きく変わります。
「糖尿病」となった事実を受け入れ、強い意志と忍耐力で乗り越えてきました。
日々の生活の中で、血糖値の変動があることや、血糖コントロールを良くするための方法を学んできました。しかしながら、今回のCOVID-19を含め、予測不可能な事態についても学ぶ必要があることを認識しなければなりません。今回のCOVID-19は、「日常」だけではなく、予測不能な「非日常」も含めた全ての状況下で、常に、「糖尿病の合併症に繋がってしまうもの」と「合併症を防ぐためにすべきこと・できること」を慎重に考えているのです。

 1型糖尿病患者にとって、インスリンは必要不可欠なものですが、エクアドルでは、普段からインスリンは不足しています。
それに加えて、今回のCOVID-19の影響により、仕事の休廃業で収入を絶たれたり、給与が減額されるケースもあり、FUVIDAが支援している糖尿病患者さんとその家族の中には、食料が購入できない家族も多数います。
FUVIDAでは、日本の国際糖尿病支援基金や、Life For A Childなどの国際機関からのサポートを受け、経済的に恵まれない患者さんの家族へ緊急対策として食料品等を支給し、また、インスリンが不足しないように投与量の調整も指導しました。

 グアヤキル市でのCOVID-19の急激な感染拡大に伴い、都市閉鎖やソーシャルディスタンスの徹底といった措置がとられました。COVID-19により、保健省の取組に対する問題点と弱点が発覚するなか、医療従事者の方々は、自らも感染リスクに曝される中、勇敢にも最前線で患者さんへの治療にあたっています。

 全世界的に、COVID-19に対するパンデミック対策に遅れがみられる中、エクアドルも例外ではありません。この緊急事態に、以前からあった貧困の問題に加え、政治家や官僚の汚職、社会・経済格差、利己主義がはびこり、適切なリーダーシップや計画性・積極性の欠如といった問題が浮き彫りとなりました。状況の悪化を招き、何千人もの命が奪われる結果を招いているのです。

 わが国の保健制度が機能していないことから、インスリンは不定期にしか供給されず、1型および2型糖尿病の患者さんは不安定な立場に置かれた日々を過ごしています。
糖尿病の患者さんは、血糖測定器やテストストリップが無ければ、血糖値の管理ができません。現在は、COVID-19に感染するリスクから受診ができません。
また、外出禁止令や検疫措置による物流への影響により、今まで以上に薬局でも医薬品の供給が難しくなる中、インスリンの在庫もますます不足している状態です。

 1型糖尿病のコミュニティーの一環として、私たちは家庭でできるCOVID-19の予防策に取組んでいます。そのために、継続的に国内外の医療専門家とビデオ会議を行っています。
また、国際糖尿病支援基金のサポートのおかげで、一部の家族へ必要な医療用品を確保することができました。

 私たちは、このパンデミックによって引き起こされた悲惨な状況を経験することで、社会的、経済的、健康的な問題に対する取組みの脆弱性を思い知ることとなりました。
しかしながら、この辛い経験からも最善策というものを学んでいかなければなりません。
私たちFUVIDAは、今後も当地(エクアドル)の糖尿病患者さんへの支援活動に取り組みたいと考えています。

翻訳協力:ダビド・ムニョス 様

●関連サイト
2019年エクアドルの糖尿病サマーキャンプ報告
Fundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(エクアドル)
国際糖尿病支援基金


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口座番号:00160−3−82542
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2020年08月
国際糖尿病支援基金
  • これまでに寄せられた寄付金
    2,012万9,888円 
  • これまでに実行した支援金
    1,951万7,033円 

(2024年12月現在)

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