世界糖尿病デーが、国際糖尿病連合(IDF)とIDFに加盟する170の国や地域の糖尿病協会などの組織が中心となり、11月14日に開催される。この日を中心に、世界のさまざまな場所でイベントやキャンペーンが開催される。
11月14日は世界糖尿病デー
世界糖尿病デーは、糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、世界規模で糖尿病に対する注意を喚起しようと、IDFと世界保健機関(WHO)によって1991年に開始され、2006年には国連の公式の日になった。
世界糖尿病デーのシンボルとなっているのは「ブルーサークル」だ。2006年に国連で「糖尿病は世界的な脅威であり、実効的な対策が必要だ」と採択されたのがきっかけに、ブルーサークルは糖尿病のシンボルに掲げられた。ブルーは国連の旗の色、サークルは「団結」「生命」「健康」を意味する。
今年5月に開催された世界保健機関(WHO)の第68回世界保健総会で、来年4月に開催される「世界保健デー」のテーマが糖尿病であることが決まった。
11月14日は、1921年にチャールズ ベストとともにインスリンを発見したフレデリック バンティングの誕生日にあたる。インスリンの発見により、糖尿病治療は飛躍的な進歩をとげた。
生活改善を今日からはじめよう、
明日の世界を変えよう
2015年の世界糖尿病デーのテーマは「健康的な食事(healthy eating)」。食事療法はすべてのタイプの糖尿病の治療の基本であり、糖尿病の発症リスクの高い人が食事を改善することで2型糖尿病の70%の発症を防ぐことが可能だ。
糖尿病合併症は、健康的な生活スタイルと適切な治療を続けることで、ほとんどの場合で予防が可能だ。そのことを世界規模で呼びかけるため、「生活改善を今日からはじめよう」(Act to change your life today)、「明日の世界を変えるために行動しよう」(Act to change the world tomorrow)というスローガンが掲げられている。
世界の糖尿病有病者の数は、2035年までに5億9,200万人に増加するとみられている。糖尿病が原因で亡くなる人は年間に約500万人で、6秒に1人が亡くなっている計算になる。糖尿病による経済的損失は年間に約73兆円(6,120億ドル)に上る。
2型糖尿病の70%は健康的な生活をおくることで予防が可能だ。1型糖尿病とともに生きる人も増えている。1型糖尿病の発症を予防する方法はまだみつかっていないが、健康な食生活はすべてのタイプの糖尿病の人が治療を効果的にマネージメントするために欠かせない。
「健康的な食生活は、糖尿病の人だけに勧められる特別なものではなく、すべての人に勧められるものです。健康的な食事は、1日に食費を180円(1.5ドル)増やすだけで実行できるという調査結果があります。年間ではわずか6.5万円の違いです」と、世界糖尿病デーでは強調されている。
IDF理事長のマイケル ハースト氏は「糖尿病がもたらす脅威は世界中で拡大しています。いますぐ糖尿病に対し行動をはじめてください。世界糖尿病デーには、170以上の国や地域の230を超える団体が参加し、糖尿病患者、その家族、医療従事者、指導者が中心となり、糖尿病への認知を高める行動を世界規模で拡げています。あなたが新たな行動に踏み出すことが、世界中の糖尿病に関わる人々に勇気を与えます」と述べている。
2型糖尿病とともに生きる人は2035年までに6億人近くまで増える。
その70%は健康的な生活をおくることで予防が可能だ。
1型糖尿病を予防する方法は見つかっていない。
しかし健康的な食生活は糖尿病をマネージメントするために欠かせない。
日本でも、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会の「世界糖尿病デー実行委員会」が中心となり、全国各地で関連イベントやブルーライトアップが開催される。
世界糖尿病デー(国際糖尿病連合)
世界糖尿病デー 公式ホームページ
[ Terahata ]