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2016年南米エクアドルでの支援活動について(1)(IFLレポート)

 オーストラリアで途上国の糖尿病患者を支援する、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアのニール・ドナラン氏が、アイルランドのエリザベス・トリムブレ医師とともに南米エクアドルを訪れ、現地で糖尿病患者さんを支援するFUVIDA(Fundacion aprendido Vivir con Diabetes)とともに支援活動を行いました。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)、ならびにFUVIDAを支援しています。








Insulin for Life(IFL)オーストラリア
Neil Donelan
ニール・ドナラン氏




 2016年4月16日(現地時間)、南米エクアドルでマグニチュード7.8の地震が発生しました。 現地で糖尿病患者さんを支援するFUVIDAでは、毎年、小児糖尿病患者と医療従事者を対象とした「糖尿病サマーキャンプ」を実施していますが、今年は地震の影響により、例年のようなかたちで開催をすることができませんでした。

 そのため、FUVIDAのスタッフやアイルランドのエリザベス・トリムブレ医師とともに、主に被災地の糖尿病患者さんへの支援活動を行うために、私は7月24日にエクアドル・グアヤキルに到着しました。

 FUVIDAが持っていたインスリン等の在庫は、既に被災者救援時に使用したため殆ど枯渇状態でした。そのため、私は、大きなスーツケース一杯に、インスリンとともにオーストラリア・シドニーに拠点を置くAlere社がHbA1cを測定する携帯用の器機を寄付してくださいましたので、その測定器数台とテストチップ150回分など、糖尿病治療に必要な機材を詰めて当地に運びました。
我々はFUVIDAの診療所にて糖尿病患者へのHbA1c測定を行いました。



オーストラリアのAlere社からIFLへ寄付された血糖測定器を使用し、グアヤキルにあるFUVIDA診療所にてHbA1cを測定しています。

 7月27日、トリムブレ医師はグアヤキル・カトリック医科大学にて、約100人の医学生を相手に網膜症についての講義を行いました。講義後、私はIFLのエクアドルでの活動について、地元のテレビ局とラジオ局のインタビューに応じました。


グアヤキル・カトリック医科大学にて撮影。写真左2人は同医大の医師、トリムブレ医師、
アラセリーさん、私。

テレビ局のインタビューを受けています。


 7月29日、我々はグアヤキルを発ち、車で5時間かけて、エクアドルの西海岸にあるマンタへ行きました。その翌日は、震源地であり600人の死者を出したポルトフィエホへ行きました。ポルトフィエホの街は、多くの場所に規制線が張られており、未だ立ち入ることが危険である状態が続いていました。路上の瓦礫や建物の破片は片付けられていましたが、多くの住人が家族、友人たち、その他の被災者と共に、いくつかの公園内に設けられた仮設避難施設で生活していました。

 7月30日はポルトフィエホから比較的近い、マナビ地区のサンタエレナにおいてFUVIDA主催のもと糖尿病の1日キャンプが行われました。HbA1cを測定するための場所が設けられる傍ら、小児糖尿病患者の他に地元の医師、看護師、ボランティアの人たちが参加しました。子供たちの活動や検査の他、助言やカウンセリングも行われました。


1日糖尿病キャンプの様子。

 5日間に渡って104人の子供たちが検査を受け、検査プログラムは成功を収めました。13歳と20歳の男性は、Alere社の製品では読み取ることができないほどの高い値を示しました。検査の実施によって、速やかな対応がなされたために、2人の男性の命が救われました。

 20歳の男性の母親は、息子が危険な状態にあることを知っていました。彼は自分が糖尿病であるという事実を受け入れることができず、自らインスリン注射を止めてしまいました。しかし、彼は今回トリムブレ医師と会い、FUVIDAのアラセリーさんからアドバイスを受け、自分よりも年下の子供たちがしっかりと糖尿病を治療していること、そして、多くの人たちが彼のことを心配していることを知ったのです。彼は、今後、怠ることなく治療することと、医師や看護師から教えられたことを実行して行くことを誓ったのです。

FUVIDA診療所にて、14歳のルイス君のHbA1cは6.6%でした。ルイス君は6年前に糖尿病を発病しました。写真に写っているのは、トリムブレ医師、私、ルイス君、アラセリーさん。5日間に渡って104人の血糖を測定をしました。


 我々が行っている取り組みの一つとして、途上国で実施される糖尿病キャンプへ継続的にインスリン等の物資を支援しています。現在のエクアドルは震災で多くの人々が家を失い、生活を破壊され、収入は殆どないか、ごく僅かです。ストレスに晒され、気落ちもしています。 このような場合、「ケア」が重要となり、多くの人をケアすることで精神的に回復させることが必要なのです。地元の人たちを含め外国人などが、自分自身のお金と時間を使って支援をすることで、被災者の人々に希望を与えることが大切です。

 我々は8月1日にグアヤキルに戻り、トリムブレ医師はアイルランドへ帰国しました。彼女はエクアドルの人々を援助することに自分のお金と時間を費やしたのです。

 私は、「ロス・フレスノス・カサ・デ糖尿病協会」の会長である、アナ・フェルナンダ・サンチェス医師を訪ねるため、アンデス山脈にある海抜9,000フィートに位置するクエンカへ行きました。
IFLでは、10年間ロス・フレスノス・カサ・デ糖尿病協会への支援を行っています。地元の保健担当官と糖尿病支援物資の受領と配給の問題について話し合う傍ら、多くの糖尿病患者と会い、何人かの人たちの話も聞きました。彼らは、来年の糖尿病キャンプに私を招待してくれました。 フェルナダ医師は震災後、以前、IFLが支援したインスリン2,000mlをポルトフィエホなどの被災地の糖尿病患者へ寄付をしました。サンチェス医師は、クエンカからポルトフィエホまでの交通費を自費で負担し、9時間の行程を4か月間で4往復しました。

 今回のエクアドル地震では、他のNGO団体も被災者を支援しました。キトのFundacion Deiabetes Juevenil Ecuador(FDJE)の会員たちも人道支援を行い、測定器等の機材を寄付しました。国際糖尿病連合(IDF)もIFLオーストラリアを通じて支援を行い、IFL米国と在米エクアドル人も協力し糖尿病支援に応じました。

2日後、私はグアヤキルへ戻りました。

2016年南米エクアドルでの支援活動について(2)(IFLレポート)へ続く

●関連サイト
2016年エクアドルで発生した地震について
Fundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(エクアドル)
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
国際糖尿病支援基金

 国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアを通じて、2008年よりFUVIDAの活動を支援しています。

 FUVIDAの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口
※通信欄へ「IFL支援」とお書き頂きますようお願い致します。

2016年08月
国際糖尿病支援基金
  • これまでに寄せられた寄付金
    2,007万9,888円 
  • これまでに実行した支援金
    1,951万7,033円 

(2024年11月現在)

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