東京女子医科大学糖尿病センター「Diabetes News No.148」
東京女子医科大学糖尿病センターは1985年より四半期毎に「Diabetes News」を発行しています。小児・ヤング糖尿病、腎症、神経障害、妊娠、高脂血症・肥満、フットケアなど多岐に及ぶテーマを取り上げています。
Diabetes News No.148 2014年8月15日発行
糖尿病センター40周年を迎えて
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東京女子医科大学糖尿病センターセンター長 内潟安子 先生
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東京女子医科大学糖尿病センターは本年7月に開設40周年を迎えることができました。これからの10年は、「充実した患者さんのための糖尿病センター」に向い、さらに改革していきます。・・・
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当センターにおけるフットケアと足病変治療の取り組み
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東京女子医科大学糖尿病センター 助教 井倉和紀 先生
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糖尿病の最も重篤な合併症のひとつは、足潰瘍が悪化して下肢切断になることです。ちょっとした靴擦れや、熱傷、胼胝、巻き爪など様々な原因から足潰瘍を発症し、下肢切断となるとQuality of Life(QOL)低下とともに生命予後の悪化をきたすことが知られています。
フットケア外来では、潰瘍を発症させないための「予防的フットケア」と、足潰瘍を発症した後の「創傷ケア」の2つを、他科・他職種と協力しながら行っています。
下肢切断となる糖尿病患者さんがいまだ多いのが現状です。1人でも多くの糖尿病患者さんの救肢に向けて、優れた予後予測因子の同定の研究や、新しい治療法の確立が急務となっています。・・・
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脂肪由来幹細胞シート(ASCシート)を用いた新しい糖尿病足潰瘍治療法の開発
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東京女子医科大学糖尿病センター 医療練士・大学院生 加藤ゆか 先生
東京女子医科大学先端生命医科学研究所 准教授 岩田隆紀 先生
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東京女子医科大学糖尿病センター フットケアグループでは、東京女子医科大学先端生命医科学研究所の間葉系幹細胞シート開発グループとともに、脂肪細胞から抽出した幹細胞「脂肪由来幹細胞」(ASC)を用いた、新たな創部局所治療の開発を行っております。
ラットの実験では、ASCシートが著明な創傷治癒促進効果を認められました。現在は、ヒト臨床への応用を目指して安全性と有効性の確認を進めています。
創部閉鎖までの期間短縮が実現すれば、二次的な感染リスクが減り、糖尿病足潰瘍患者さんの予後を改善できます。・・・
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東京女子医科大学糖尿病センター
Diabetes News No.148
[ Terahata ]