日本に約4,000万人いるとされる高血圧の原因のひとつは、食塩の過剰摂取だ。日本人は世界的にも食塩摂取量が多く、塩のとりすぎがもたらすリスクは高い。
減塩を推進する日本高血圧学会の減塩委員会は、塩分が少ない食品の一覧表「減塩食品リスト」の試行版を公表した。
「お塩控えめの ほんだし」や「コンソメ 塩分ひかえめ」など52食品が紹介されている。同委員会では今後、リストの拡充をはかる予定で、10月26日に大阪国際会議場で開催される「減塩サミット in Osaka 2013」では、掲載製品募集の説明会を開催する。
世界保健機関(WHO)が推奨する1日の塩分摂取量は5g未満だが、日本がもともと塩分摂取量の多い風習であることを考慮し、日本高血圧学会のガイドラインでは1日6g未満を推奨している。しかし、2011年の調査によると、日本人の平均塩分摂取量は、男性で約11g、女性で約10gと推奨量を大きく上回っている。
そこで日本高血圧学会は減塩委員会を立ち上げ、減塩の大切さを啓発する活動を展開している。今回の減塩リストの公開はその活動の一環だ。
同委員会によると、加工食品のパッケージに記述された食塩量について、栄養表示基準(強調表示)では以下のように定められているという。
(1)含まない旨の表示(「無塩」など):食品100gあたりのナトリウム量は5mg未満
(2)低い旨の表示(「低塩」など):食品100gあたりのナトリウム量は120mg以下
(3)低減された旨の表示(「減塩」など):対照となる製品からのナトリウム低減量が100gあたり120mg以上
また、加工食品にはナトリウム量だけが記載されているものが多くあるが、病院などでの減塩指導では食塩量で行われており、実際に料理をする時の調味料として使われるのも食塩だ。食塩相当量は「ナトリウム(g)×2.5=食塩(g)」という式で計算できる。
減塩食品リストに掲載されているのは、以下の52食品。塩やしょうゆ、だしなどの調味料だけでなく、かまぼこやハム、梅干し、からしめんたいこなどの加工食品も選ばれている。リストは
日本高血圧学会のホームページで公開されている。
NPO法人日本高血圧学会
[ Terahata ]