糖尿病の医療費 国内の調査・統計
糖尿病の年間医療費は1兆2,076億円 平成25年度 国民医療費の概況
平成25年度 国民医療費の概況(厚生労働省)

平成25年度の国民医療費は40兆610億円で、前年度の39兆2,117億円に比べ8,493億円、2.2%の増加という結果になりました。人口一人当たりの国民医療費は31万4,700円、前年度の30万7,500円に比べ2.3%増加しました。

国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.29%(前年度8.26%)、国民所得(NI)に対する比率は11.06%(同11.14%)でした。

このうち、糖尿病の医療費は1兆2,076億円でした。
また、年齢別では以下のような結果になりました。

  • 0〜14歳 ▶ 29億円
  • 15〜44歳 ▶ 673億円
  • 45〜64歳 ▶ 3,382億円
  • 65歳以上 ▶ 7,992億円
  • 70歳以上 ▶ 6,236億円
  • 75歳以上 ▶ 4,384億円

●情報ソース:平成25年度 国民医療費の概況(厚生労働省)

12年の糖尿病治療薬市場規模は3,688億円、21年は5,500億円超まで拡大
富士経済

 国立循環器病研究センターの岸本一郎糖尿病・代謝内科医長らの研究グループは、心臓病や脳卒中の高危険群である糖尿病の地域診療の現状を把握するため、約1,000人の患者を対象とした糖尿病実態アンケート行い、その結果を発表した。

調査結果の概要

  1. 約半数が血糖管理目標に達していない(注1)
  2. 特に50代後半から60代に血糖管理が悪い方が多い
  3. 4割以上が眼科を定期受診していない(注2)
  4. 8割以上が糖尿病連携手帳を所持していない(注3)

(注1)人口の約8%が糖尿病であるが、その半数が合併症を予防するために必要な血糖値の管理が出来ていない。

(注2)糖尿病性網膜症は糖尿病の主要な合併症の一つであり我が国における失明原因の第一位である。早期には自覚症状が現れにくく、定期的な眼科健診が早期発見と治療に重要であるが、今回の調査では、患者の半数近くが眼科の定期健診を受けておらず、ひいては動脈硬化や腎臓病など他の合併症にも注意を払っていないことが考えられる。

(注3)糖尿病連携手帳は、自分自身でHbA1c値に注意を払い、また合併症のチェックを定期的に受けてもらうことに役立つが、大部分の方は活用していない結果であった。

 この調査によって、今回の調査で合併症を防止するための血糖コントロールが不十分であることが明らかになった。また、同グループは、今後は地域での診療連携をさらに推進するとともに、自己管理に有用な糖尿病連携手帳の普及が必要であるとしている。

調査結果の詳細はこちら
<糖尿病実態アンケート調査結果>約半数の患者さんが血糖管理目標に達していない[国立循環器病研究センター プレスリリース]

糖尿病の医療費試算、年間自己負担額は4〜13万円 2012年度診療報酬・薬価改定
糖尿病ネットワーク
糖尿病は、治療内容や処方する薬剤、合併症の有無などにより個々の医療費は異なります。そこで、糖尿病ネットワークでは、一定の条件を仮定し、治療方法に応じて3つのケースを想定、1カ月にかかる医療費と自己負担額の目安を算定してみました。

【ケース1/食事・運動療法のみ】  再診料や特定疾患療養管理料、検査料などのベーシックな診察費用のみで、月額の医療費は12,130円、自己負担額(3割)は約3,600円。年間の自己負担は約4万3,000円。

【ケース2/経口薬療法(2種類)】  2種類の薬剤を院外処方された場合、処方箋料、調剤料、薬剤料などが加わり、月額の医療費は約2万5,110円、自己負担額(3割)は約7,500円。年間の自己負担は約9万円。

【ケース3/インスリン療法+経口薬療法+血糖自己測定(月60回)】  インスリン療法は、薬剤の費用に、在宅自己注射指導管理料や血糖自己測定の指導管理加算などが加わり、月額の医療費は3万6,580円で、自己負担額(3割)は約1万1,000円。年間の自己負担は約13万2,000円。

●詳細はこちら→糖尿病の医療費試算、年間自己負担額は4〜13万円

国民医療費、国民所得の1割を超す 糖尿病の医療費は1.2兆円
平成21年度国民医療費の概況(厚生労働省)
 厚生労働省は、国民が1年間に使った医療費の総額を示す国民医療費が、2009年度は前年度より3.4%多い36兆67億円となり、過去最高を更新したと発表した。1人あたり医療費は3.6%多い28万2400円で、ともに過去最高を更新した。国民所得に対する割合は10.61%で、はじめて10%を突破した。

2009年度国民医療費の主な内容は次の通り――

  • 2009年度の国民医療費は36兆67億円、前年度の34兆8084億円に比べ1兆1983億円、3.4%増加した。
  • 人口1人当たりの国民医療費は28万2400円、前年度の27万2600円に比べ3.6%増加した。
  • 国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は7.60%(前年度7.07%)、国民所得に対する比率は10.61%(前年度9.89%)。
●詳細はこちら→国民医療費、国民所得の1割を超す 糖尿病の医療費は1.2兆円

高血糖が見つかった人の43%が10年後に糖尿病を発症し、医療費は1.7倍に
政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書(医療経済研究機構)
 健康診断を受けた時に血糖値の異常が見つかった人は、「異常なし」の人に比べ、10年後の医療費が約1.7倍かかることが医療経済研究機構がまとめた調査でわかった。  この調査は、中小企業の会社員らが加入する政府管掌健康保険の加入者の中で、健診受診率の高かった三重県の約2,800人を対象に、1993年度の健診結果と2003年度の診療報酬明細書(レセプト)を比較し検討したもの。

血糖値等の代謝系の健診結果で異常があった群では、10年以内に43%が糖尿病になっており、異常がなかった人が7%だったのに比べ約6倍の開きがあることも判明。さらに、4つの検査のすべてに異常が見つかった人は、「異常なし」の人に比べ10年後の医療費が3倍以上かかっていた。

 さらに、糖尿病合併症のある患者とない患者の医療費を比べたところ、5年前はほぼ同額であったのが、年々格差が広がり現在の医療費では10万円以上の差が生じていた。

●詳細はこちら→健診で高血糖が見つかった人の10年後の医療費は1.7倍

糖尿病薬市場 2007年は2,400億円と予想
2007 医療用医薬品データブック No.4(富士経済)
 富士経済は、糖尿病治療薬や高脂血症治療薬など10薬効領域についての調査を行い、その結果を調査報告書「2007 医療用医薬品データブック No.4」にまとめ発表した。これによると、糖尿病治療薬の市場はこの7年間で倍増しており、2007年には2,425億円(前年比110%)に拡大すると予測している。拡大傾向は今後も続き、年平均9%の拡大を続け2015年には4,900億円規模になるだろうとしている。

●詳細はこちら→糖尿病薬市場 2007年は2,400億円に

※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で
表わされるようになりました。過去の記事はこの変更に未対応の部分があります。
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