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2026年08月31日

遺伝は挽回できる! 糖尿病を防ぐ「6つの生活習慣」とは

キーワード
2型糖尿病 予防

 生まれつき糖尿病になりやすい体質の人でも、「6つの生活習慣」を守ることで、糖尿病の発症リスクを大幅に低減できることが最新の研究で明らかになった。中国の研究グループが、英国の大規模バイオバンク(UK Biobank)のデータを解析し、結果を『Nutrition Journal』に発表した。遺伝的に高リスクの人であっても、6つの生活習慣関連指標をすべて達成すると、遺伝的に低リスクの人よりも糖尿病の発症リスクが低くなり、遺伝を挽回できるという。

38万人超のデータを13年間追跡

 2型糖尿病は、インスリンの作用不足によって高血糖が続く代謝性疾患であり、世界的に患者数が増加している。発症には遺伝的要因が大きく関与しており、家系による影響は25〜72%に及ぶと報告されている。一方で、食事や運動、喫煙、睡眠などの生活習慣も強く影響している。しかし、複数の生活習慣を総合的に改善することで、遺伝による発症リスクをどこまで低減できるかについては十分に解明されていなかった。

 そこで研究グループは、UK Biobankに登録された40〜69歳の成人38万2,313人を対象に、平均13.5年間に及ぶ大規模な追跡調査を実施した。「ポリジェニック・リスク・スコア(PRS)」を用いて、対象を、遺伝的リスクが高い群(高リスク群、191,157人)と低い群(低リスク群、191,156人)に分類し、6つの生活習慣関連指標の管理状況と2型糖尿病の新規発症リスクとの関連を詳しく分析した。

 PRSは、ゲノム解析に基づき、多数の遺伝子の影響を足し合わせて、特定の病気にどれくらいかかりやすい体質かを数値化した指標である。

発症リスクを大幅に下げる「6つの生活習慣」

 今回評価した6つの生活習慣関連指標は、以下の通りである。

1.非喫煙:現在タバコを吸っていない状態(過去に吸っていた人を含む)
2.高レベルの身体活動:ウォーキングや中・高強度の運動を週600 MET・分以上実施
3.健康的な食事:果物・野菜・魚・全粒穀物の摂取が多く、加工肉・赤身肉・精製穀物は控えめ
(7個中4個以上達成)
4.質の高い睡眠:朝型傾向、睡眠7〜8時間、不眠・いびき・日中の眠気がない
(5個中4個以上達成)
5.適正体重:BMI 30kg/m²未満
6.正常血圧:最高血圧140mmHg未満かつ最低血圧90mmHg未満(降圧薬なし)

 追跡期間中、高リスク群のうち9,210人が新たに糖尿病を発症した。解析の結果、管理できている項目数が増えるほど、発症リスクは段階的に低下することが判明した。

 驚くべきことに、遺伝的に高リスク群であっても6項目すべてを管理できている場合、糖尿病の発症リスクは、低リスク群と比較して21%低かった(ハザード比0.79、95%信頼区間0.68〜0.92)。つまり、適切な生活習慣の実践によって、遺伝的ハンディキャップを挽回できることが実証されたのである。なお、6項目のうち糖尿病の発症予防への寄与度が特に大きかったのは、「適正体重(BMI低値)」「正常血圧」「質の高い睡眠」の3項目だった。

糖尿病予備群になる前の早期介入が命運を分かつ

 今回の研究の意義は、たとえ「糖尿病になりやすい遺伝的体質」を有していたとしても、日々の生活習慣を整えることで発症リスクを劇的に抑えることができるという明確な証拠を示した点にある。遺伝的背景を変えることは不可能だが、生活習慣は自分の意思でコントロールできる。

 その一方で、研究グループは非常に重要な警告も発している。それは、すでに血糖値が上昇し始めている「糖尿病予備群(HbA1c 5.7〜6.4%)」の段階に入ってしまうと、たとえ6つの生活習慣を完璧に管理したとしても、糖尿病の発症リスクを完全には打ち消せないという事実だ。高リスクかつ糖尿病予備群の人は、6項目すべてを満たしても、正常血糖の低リスク群に比べて発症リスクが6.96倍と高いままにとどまっていた。予備群の段階に進行すると、代謝機能への慢性的なダメージがすでに生じており、正常な血糖値の人と同等までリスクを下げることが困難になる。

 以上から、研究グループは「血糖値が正常な『今』のうちから予防をスタートすること」と強調。「『血縁者に糖尿病患者がいるから』とあきらめるのではなく、今日から『体重管理』『血圧管理』『質の高い睡眠』『バランスの良い食事』『適度な運動』『禁煙』という6つの生活習慣を意識し、糖尿病予備群に進行しないよう予防に取り組むことが、将来の健康を守る最大のカギとなる」としている。

■参考

[ 糖尿病ネットワーク編集部 ]

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