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2.発表者インタビュー
1.研究発表 食後2時間の尿糖値から食後血糖を把握
 安部先生らによる研究では、清水内科に通院する糖尿病患者さん155名に対し、食事負荷試験における血糖値のピークおよび推移と、食後2時間尿糖値との相関、そして食後2時間尿糖値から食後の平均血糖値の推定を行いました。

 対象者は、男性85名、女性70名、平均年齢58歳、HbA1cが8.2%、BMIは約25。食事負荷試験を行った後に、0分、30分、1時間、2時間と血糖を測定するとともに、食前と食後2時間でデジタル尿糖計(タニタ社・UG-102)を使い、尿糖値を測定しました。

 食事療法のみ、経口薬(薬剤別)、インスリン療法と、治療法によって比較してみると、食事療法群では食後1時間にピークが多く、インスリンやSU薬など重い治療になるほど食後血糖のピークが遅くなっていくことがわかります。

 また、HbA1c別にみてみると、5.7%以下の群では1時間が最も多く、高くなるほど食後後半にピークがみられました。しかし、同じ人であっても、食事内容やその日の体調でも変わることが推定されるため、食後1回の血糖自己測定では、高血糖のピークを把握するのは難しいことがうかがわれます。

治療別の血糖値ピーク >>クリックして拡大


HbA1c別の血糖値ピーク >>クリックして拡大

 食後2時間の尿糖値と血糖値について、食後30分血糖値、1時間値、2時間値、ピークを出したケースすべてに良好な相関関係がみられました。なかでも、最も好ましい相関関係がみられたのは、食後平均血糖値(食後の血糖値180mg/dLを越えている時間の平均値)と、食後2時間の尿糖値でした。

 また、その感度から下記のような数値が導きだされました。つまり、食後2時間後に尿糖を調べて、260mg/dLであった場合、その人の食後の血糖値は平均200mg/dLであったことを推測できるというわけです。

 

食後2時間尿糖値で把握する食後の平均血糖値
尿糖値125mg/dL 平均血糖値180mg/dL(感度86%・特異度88%)
尿糖値265mg/dL 平均血糖値200mg/dL(感度87%・特異度89%)
尿糖値620mg/dL 平均血糖値220mg/dL(感度83%・特異度83%)

食後2時間尿糖値と血糖値の相関 >>クリックして拡大

 これらのことから、食後2時間尿糖値は血糖値との相関が良好であり、食後平均血糖値をある程度予測できるため、食後血糖管理ツールとして有用であるとの結論が導き出されました。応用すれば、食後2時間尿糖値から食後平均血糖値を推測することも可能であると結んでいます。

   食後の血糖値を知るのに最も一般的であるSMBGは、食後1回の測定では変化の速い血糖値のピークを確認するのは難しい部分がありますが、これらを補完する役割としても、SMUGの有用性が期待されるところです。

参考:第54回日本糖尿病学会年次学術集会
「糖尿病患者における食事負荷試験の食後2時間尿糖値からみた平均血糖値の推定(第2報)」より

安部 純 1)、 小野沢しのぶ 1)、 清水美津夫 1)、阪本要一 2)、山口いずみ 2)
宮下真理子 3)、池田義雄 3)

1)医療法人社団清水内科、2)東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科、
3)タニタ体重科学研究所

2011年07月 

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※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。

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