患者さんのほんね、医療者のホンネ

2016年07月21日

Q. 熱中症を重症化させない夏場の過ごし方として、患者さんにどのような指導が効果的か、また指導現場でのご意見、お悩みなど

A. 医師・医療スタッフのホンネ

  • 水分の補給と室温の管理
  • 炎天下での活動は避ける。水分摂取を積極的に行う。熱中症を疑う症状が出たら、はやめに作業を打ち切る。
  • 水分摂取は2リットル以上など具体的な数字を伝えている。また、喉が乾いたと感じるのは、既に脱水状態なので、意識的に水分補給するよう話している。脱水対策しているというが、熱中症対策飲料を意識的に飲む人が多く、心配。
  • WBGT(暑さ指数)によって危険度を分け、水分・塩分の補給、休憩回数の目安を設けてポスターで示したり、体調チェックリストを用いて、管理監督者が把握できる状況を作っている。また、尿の色を自分でチェックできるようなカラーチェックシートをトイレに掲示し、脱水状況を把握してもらっている(一部、ビタミン剤など服薬されている方は対象外)。
  • 繰り返しの指導や教育、気温や高温注意報などにあわせての注意喚起を行っている。
  • 就業者で言えば、作業管理・作業環境管理・健康管理・労働衛生教育・労働衛生体制の5管理をしっかり行うことで、予防できると考える。
  • 一般的な教育を行っても、健康意識の低い方はリスクを下げきれない。
  • 朝食抜き、寝不足、二日酔い、体調不良の継続者は、特に注意が必要と感じる。
  • 医療機関や主治医に求めることは、就業者の場合、対象(患者)がどのような場所で作業しているかということを問診し、それに合わせた指導を行ってほしい。
  • 体温調節機能の破綻ということをきいたことがある。
  • 水分を取るといってもジュースなどを水分と思う人もいるので、水やお茶というようにしている。脱水になりやすい高齢者は渇中枢の低下があるので、水筒やペットボトルなど何本などと具体的に話すようにしている。
  • こまめな水分補給。喉の渇きを感じなくても身近に水分を準備しておく。ビールを水分換わりにしない。
  • コマーシャルで熱中症対策飲料がさかんにいわれ、飲みすぎて塩分とりすぎ、糖分とりすぎの方がいるのが気になります。また、高齢の方で痩せておられる方は食も細く、水分補給でたべられなくなるといわれるのが、気になります。
  • エアコンを使用してもらい、水分をこまめにとってもらう。一般的なことしかわからない。
  • 高齢者だと、周りが暑がっていても、本人は体温調節機能が衰えてきている影響か、暑さが気にならない場合が多い。特に独り暮らしだと危険性が高まるので、温度計を準備して、27℃を超えないよう、扇風機やエアコンを利用すること、水分塩分の補給をこまめにするよう、指導しています。
  • 飲水量を具体的に示す(ペットボトル何本分など)。日中の運動は避ける。
  • 脱水症状等から予防する事を踏まえ、5・6月頃より夏の過ごし方のパンフレットを作成し、日頃から気をつけられそうな生活指導を行っています。
  • のどが渇いていなくても、水やお茶をこまめにとる。スポーツドリンクは糖分が多いため、避けること。汗を大量にかいたときや発熱時、下痢のときなどは、経口保水液をとるとよい。などをお話ししています。ただし、運動不足は血糖の上昇につながるので、特に触れません。
  • 30分に1回少量の水を飲む
  • 住環境の整備、通風や空調器機の適正使用、こまめな水分補給、食欲不振への対策など具体的指導、体調不良時の早期受診勧奨。特に高齢者は水分補給の大切さを繰り返し指導する必要性を感じている。
  • 電解質の入った飲み物を、薄めて飲むように先生が指導されても、まずい物を嫌う糖尿病の人はポカリスエットなどを普通に飲んでしまう。
  • 排尿の回数や性状に注意するといい。患者がわかる指標にもなる。
  • 自覚症状を過信しない。水分は喉が渇いて無くても「1口飲む」習慣を付ける
  • 外出時は水分を携帯する
  • 自覚症状があるときは涼しい場所で休み、水分をとる。
  • SMBG出来るなら実施。
  • 夏場、特に日中は外出を避け、室内で空調を効かせて、適切に水分摂取をさせる。
  • 夜間も空調を効かせて高温多湿とならないようにし、寒いと感じるなら空調を切るのでなく厚着をして対処するように心がけさせる
  • 喉がかわいてなくても水分取って下さいね。水やお茶のペットボトルを目の付くところに置くようにして、こまめに飲んでください。
  • 何が効果的なのかはエビデンスが無いのでわからない。
  • もともと水分の補給は年間を通して指導しているので、更に高血糖及び高齢者、運動を積極的に行っている方、肉体労働、農業の方に熱中症の注意勧告を行っている。今年度のような暑さでは誰もが通常注意しているし、体に不利な気候で有れば無理はしていないと思います。
  • 病院に勤務中なので、時間ごとに記録をこまめに見て、適切な水分が摂取されているかチェックする。また、摂取出来ていない患者さまには積極的に促しを行なっている。また、ほかのもので食欲や意欲を湧かせて水分を取ったりしていただいている。それでも、高齢者は、夏場には具合が悪くなりやすいので、ほかの状況も見ながらの援助が必要と感じています。
  • 室内でも高温になります、冷房は必需です。また、皮膚の乾燥・尿回数も注意ですから、目安に水分保持に心がけて下さいと指導
  • 外来受診時に 話すだけではわかりにくかったり忘れたりするので、パンフレットなどを用いて説明したり、配布している
  • カフェインを含まない麦茶と、塩分補給として梅干しを。スポーツ飲料は不可。クーラーは夜間もつけるように、と指導している。
  • 高齢者でやや認知症があり指導・内服を忘れてしまわれる方や自覚症状のない方、特に身寄りのない独居者への啓発方法
  • 心不全の既往がある患者さんの水分摂取の仕方
  • ご高齢の方はエアコンの冷えを嫌い、自分には向いていない・扇風機で十分という方が多い。温度の変化を感じにくくなっている点も踏まえ、エアコン28度程度の設定で直接風が当たらぬ様に扇風機の利用法を案内し、インスリンの夏場の温度管理用のチェックカードを手元に置き30度を超えない(赤色)様に室温に注意し、また、のどが渇かなくてもこまめに水分補給する様、ご本人ご家族(見守り担当の方)に説明しています。受診時にはお宅での様子を伺い確認するようにしています
  • 水分は、自分が欲しいと思うだけでなく、コップ1杯分ほど余分に追加飲料するように言う。
  • 冷房は体に良くない、足が冷えてしまう、扇風機で空気を循環させているから大丈夫、窓を開けていたら風が通るからいらない、などエアコンのマイナスイメージを持っている方が意外と多く、高齢者になるほどその思いを持っていて、エアコンをつけず屋内にいながらも熱中症になる方がいました。神経障害や感覚低下により体感温度が実際の室温より低く感じる場合もあります。温湿度計で温度をチェックする、口渇がなくても1時間に1回は水分を摂取する、エアコンの設定温度は26〜27度で、夜間もタイマーにせずつけたままにする。直接風が当たらないようにする。援助者がいる場合は気をつけてもらうように声掛けを依頼するなどです。軽度認知障害で独居の方は、指導しても症状の自覚がなかったり、声をかけてくれる方がいないと熱中症リスクは高いと思います。

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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