患者さんのほんね、医療者のホンネ

2013年06月04日

Q. 「不満」や「不便」の具体例、「希望」や「改善点」など

A. 医師・医療スタッフのホンネ

  • この10年くらい新薬が続々と登場しているが治療薬の選択が多様化し、自分の使用順序などがなかなか確立できない。(医師)
  • 多くの職種が丁寧に患者指導を行っているにもかかわらず、診療報酬が少ない。このままでは糖尿病医療そのものが崩壊する可能性がある。既に、指導は病院収入にならないということで糖尿病治療から撤退あるいは省略化が行われている施設もある。(健康運動指導士)
  • 糖尿病が専門でない医者にかかっている患者は、正しい治療を受けていないことがある。医者は地域の糖尿病専門医を速やかに紹介するべきだと思う。血糖値が高いにもかかわらず、食事や運動面の指導が充分でなく、薬やインスリンがどんどん増えてしまっているケースがときどきある。(管理栄養士)
  • 血糖自己測定の保険適用を内服者にも拡大してほしい。血糖を測定するだけで、行動療法となるかと思われるからです。ダイエットの体重測定と同じ原理です。(医師)
  • 治療薬の使用に保険点数上の制約がかなりある。(医師)
  • カーボカウントの普及。(管理栄養士)
  • 定期的な受診ではフォロー出来ないことが多い。スタッフの充実、指導時間の確保など問題は多い。(看護師)
  • 初期教育(この教育という言葉も疑問ですが)が大事なのに、十分なスタッフや時間がとれず、ある程度進んでから専門医へということが多いのも問題なような気がします。ドクターに食事を気をつけてといわれてもどうしたらいいか分からないという患者さんが多くいます。(管理栄養士、健康運動指導士、日本糖尿病療養指導士)
  • もっとCDEJや認定看護師の活動が認められ、診療報酬として加算できるようになって欲しい。(看護師、日本糖尿病療養指導士)
  • 生活を主体に考えたくとも、医師が指示しないので理想通りにはできないことがある。例えば、持効型インスリンを寝る前に打つ方が、眠くなってしまって打ち忘れないように目覚ましをかけて我慢していると聞いたとき、夕食前ではどうかと相談しても聞き入れてもらえないことがある。また、家族にインスリンを打ってもらわなければならない状況の患者さんに3回/日の指示が出て、家族のQOLが下がってしまうケースなど。(看護師、日本糖尿病療養指導士)
  • 診療報酬上のチーム加算が無いこと(看護師、保健師、日本糖尿病療養指導士)
  • インスリンの自己注射によるストレスを軽減できないかーということ。(薬剤師)
  • 経済的負担による受診抑制・検査抑制が一番怖い。治療中断して合併症が出てから再通院という方を何人もみています。主治医の最初の病状説明が悪いと言われればどうしようもありませんが、現場では口を酸っぱくして『もしウチに来れないときはどこでもいいから、治療中断だけはしないで下さい』と言ってます。健診で予防は大変大事なことだと思いますが、いま糖尿病を発症している方の経済的負担を是非低く!医師にはそれに見合った診療報酬を!疲れています。。。(医師)
  • 医師・コメディカルスタッフによるチーム医療を希望する。特に健康診断とその事後措置は予防医療と考えると、医師中心よりもコメディカルチーム中心がいいと考える。医師不足の中、医師には治療に専念してもらいたい。そのためには医療の規制緩和が必要。現状は何でも医師の指示のもとでなければできない。(看護師、保健師)
  • もっと患者さんに関わる時間が欲しいです。(看護師、日本糖尿病療養指導士)
  • 糖尿病関係の治療療養資格に対するフィーが少ない。スタッフがそろった指導にはある程度フィーを考慮してもいいのではないでしょうか。(薬剤師)
  • 勤務先の医師の治療・方針は誇れるが 当院にかかる前まで他の医療機関での治療に問題があるという患者さんに逢うことがある(患者さんが初診時からやはり専門医を受診する必要をしらせたい)(管理栄養士)
  • 予防や早期発見に対しての啓発や情報提供を全体で行い、国民ひとりひとりが自分の健康への意識を高めるような教育や医療が受けられるようにするためには、医療保険などさまざまな問題があると考えています(管理栄養士)
  • 医師・看護師が栄養指導に対して本気ではない。(管理栄養士)
  • 医師は検査値のみを重視している事が多いように感じるので、患者さん全体を見てほしい。患者さんの心を見てほしい。(看護師、日本糖尿病療養指導士)
  • 色々な職種での連携が必要だがなかなか人材が集まらない。(医師)
  • 患者自身の病識の程度を知ることが、大事。人任せ、医者任せの患者が多いことに驚く。(保健師、日本糖尿病療養指導士)
  • インスリン治療での医療費が高額で経済的に大変な方もいます。少しでも助成があればと思います。(看護師、日本糖尿病療養指導士)
  • 病診連携がなかなか進まず、外来での診療時間が長くなり、待ち時間も長い。(看護師、日本糖尿病療養指導士)
  • 介護施設での血糖測定、インスリン注射が医師・ナースに限定されている事に不満。家庭では家族は可能。(医師)
  • 食事療法の継続性の難しさ。手間のかかる食品交換表。毎食実践するのはとても不便で患者さんからの不満も多い。結局続けている人は稀。カーボカウントや糖質制限なども、食品交換表に比べて少しは手間が省けるといったものかもと患者さんの声を聞くと思ってしまう。高齢者でも続けられるような簡単な指導方法はないかと思う。(日本糖尿病療養指導士)
  • 2型糖尿病の初期の段階では空腹時血糖は正常、食後血糖が高値と言われているにもかかわらず、検診は空腹時血糖で評価されている点が不満。多くの患者予備軍を見逃している。インスリンを使用していない患者に対して血糖測定を行うと患者負担が大きい。もっと安価な血糖測定のセンサーを望む。(もしくは保険適用)(薬剤師)
  •  医療費を削減って個人負担ばかり増え、貧乏人は医師にかかることも出来ない。DM・IGTの意識付けとして、SMBGの活用は充分意義があるでしょう。 なぜ、インスリン使用者のみ管理料として適応なのですか?(臨床検査技師、日本糖尿病療養指導士)
  • 医療費削減も当然重要なことではあるが、糖尿病予備軍や内服薬患者に対し、今より進行させない意識付けのためにも、SMBGは必要だと思う。インスリン使用者以外でも、もう少し手軽(経済的に)に血糖チェックができるような手段が必要だと思う。(薬剤師、日本糖尿病療養指導士)
  • 糖尿病患者さんの精神的サポート。カウンセリングの場を広めるべき。(薬剤師、日本糖尿病療養指導士)
  • せめて「インスリン」剤などがもう少し「安ければ」と思います。(看護師)
  • 医療法第42条施設を設けて、生活習慣病の方の食事指導、運動指導を15年以上続けているが、糖尿病の方のドロップアウトは、他の生活習慣病と比べて非常に高い。 我々は「糖尿病気質」と考えているが、今の便利で、いつでも好きな食べ物が手に入る世の中では、「糖尿病気質」の方は、指導するだけ無駄かと思うようになっている。(医師)
  • 医療、行政、福祉など各々の職域での連携はなされているように思うが、異職種で連携できなければ地域ぐるみでの療養指導などは難しいと思う。それぞれができること、できないことを補い合うようなサポートが必要と思う。(管理栄養士)
  • 運動指導のガイドラインの不備(管理栄養士、健康運動指導士)
  • 社会が、まだまだ糖尿病に対して誤解している。患者の無理解や過食が発症・進展の直接原因となっている症例はそれほど多くない。(医師)
  • 190床の総合病院ですが、ここ20年くらい糖尿病専門医が不在。コントロール不良の患者さんが多いです。何とかしたいが力がないです。相談室に関っていますが一人で頑張っている状況です。(看護師)
  • 会社は健診などで発見してくれるのはいいが、職種事態を変えなければいけない場合など、なんの対策も取ろうとしない。ま、それが企業なのかもしれないが、糖尿病になるストレスを与えているのも起業事態のはず。(薬剤師)
  • 1型糖尿病患者と2型糖尿病患者は根本的に病態が違うのではないかと思っています。1型糖尿病患者さんは原因が特定できず、生涯にわたりインスリン療法を継続しなければならない病気なので、国が医療費を補助する制度があっても良いのではないかと思っています。(医療ソーシャルワーカー)
  • 医師がもっとチーム医療に協力してほしい(管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、徳島県糖尿病療養士)
  • 糖尿病専門医が少ない。(管理栄養士)
  • チーム医療や地域連携とは言っても、なかなかシステム化できず、とても差があるように感じる。地方によって、また病院内においても・・・。全体的にレベルアップできたら(同じ感覚で意見交換できたら)良いと感じているが中々である。もっと時間をかけたいと思っても時間は限られており、難しいと感じているので、連携システムは必要と思う。(管理栄養士、日本糖尿病療養指導士)
  • 交換表の使い方が、分かりにくい. 患者さんの中には、持っていることだけで満足してしまう方もいたので、それでは意味がない。もっと分かりやすい、もしくは使いやすいツールがあるといいのでは?(管理栄養士、栄養士)
  • 開業医がもっと積極的に糖尿病の治療を考えていただきたい(専門医以外の開業医)(臨床検査技師)

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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