❸ 血糖トレンドを血糖コントロールに役立てる
血糖値を連続して測っておけると良さそうだっていうのはわかったけど、さっきの夜間低血糖みたいに、起こったあとでそうだったって気づいても、あまり意味がないんじゃない?
そんなことはないぞ。一日を通した血糖値の動き(日内変動)が見えると、自分の血糖値が何による影響を受けて変動したのか、考えるクセがつくし、対策を取ろうと思うじゃろ? 例えば、下図は患者さんが昼食にラーメンを食べた時の血糖変動の例じゃ。食事によって血糖値がどんなに急上昇したか、一目瞭然じゃな。食事に注意を払うことの重要さが目で見て理解できる。
それに、血糖値の日内変動を把握できると、低血糖のリスク回避やシックデイの対応にも役立てることができるぞ。
血糖変動の例(イメージ)
でも、血糖値はいろいろなことに影響を受けるって言ってたよね。じゃあ、日によってグラフの形は全然違うんじゃないの?! それを毎日、見ても意味が全然わからないよ。だいたい、僕は数字に弱いからグラフなんて苦手だし...結局、自分の血糖トレンドを知るなんて難しいんじゃない?
たしかに、血糖値は日によっても異なる動きをする。しかし、持続血糖測定器によるデータ解析の方法に、AGP(Ambulatory Glucose Profile)という考え方があるんじゃ。
これは、数日間、頻回測定された血糖値のデータから、日による変動の影響を取り除いて解析する方法じゃ。AGPで解析した結果、1日のうちで低血糖/高血糖の危険性が高い時間帯や、血糖値のばらつきの大きい時間帯などがわかる。つまり、測定した人にとって代表的な"血糖トレンド"を目に見える形にしてくれるということじゃな。ちなみに、AGPを示してくれるisCGM用ソフトもあるようじゃ。血糖値は今後、ますます"動き"で見る時代になりそうじゃな。
AGPで解析された血糖変動の例
ふーん。それなら、僕でも自分の血糖トレンドを理解できるかもしれないな。早速、血糖値のグラフが見たくなってきたよ!!