食事
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Q1. 焼肉やおすしを食べたときのボーラスはどうすればよいですか? ポイントはありますか?
A.
焼き肉の場合は、炭水化物量の応じたカーボカウントで追加しますが、4〜6時間後からの血糖上昇が見られることが多いので、その場合、8〜12時間のベーサル増量でうまくいくことがあります。しかし、焼き肉の量と、ベーサル増量程度や時間についての指標はありません。お寿司については、寿司飯の量に合わせてのカーボカウントに従ったボーラスだけでうまく行くのではと思います。
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Q2. お酒(アルコール)摂取したときのカーボカウントのコツ・ポイントは?
A.
できるだけ炭水化物の多い食品を先に食べ、その分をカーボカウントで追加しておく。ビールやお酒、酎ハイのような糖質を含んでいるお酒を飲む場合は、ある程度まとめて2〜3杯ごとにこまめに追加する。また、アルコールをたくさん摂取した場合は、翌朝の低血糖を予防するために眠前の目標血糖値を150〜200mg/dLぐらいと高めに設定する(必要に応じて眠前に糖質を摂取)。
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Q3. 夜食やおやつなどの間食を食べたとき、補食をとったとき
A.
すべてカーボカウントでボーラスを注入します。前後の運動量や、時間帯によっては目標血糖値を高めに調整します。
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Q4. 食事の時間が毎日不規則なとき、1〜2食抜いてしまうとき
A.
ベーサルが正しく設定されていれば、不規則な食事や欠食は血糖値に影響ありません。ただ、毎日の食事摂取量の差が大きい場合には、ベーサルの変更の必要な場合もあります。血糖値に応じてベーサルを調節すると便利です。
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Q5. ボーラスウィザード使用時における糖質/インスリン比、インスリン効果値、アクティブインスリンのそれぞれの評価はどのようにしていますか?
A.
- 糖質/インスリン比は、インスリン量の30単位/日以上の患者さんでは10g/20〜30単位ぐらいで、15g/20単位以下の患者さんは20g程度で開始しています。乳幼児では、30g以上になることもあります。できるだけわかりやすい数字で始めるのがよいでしょう。
評価は補正インスリンなしで、食事で摂取する糖質量分のインスリンを打ちます。そして、食後4時間以降、食前血糖値に戻っているかを確認します。糖質/インスリン比が高すぎると食後血糖が上がり、低すぎると下がってしまうことがわかります。なお、食後1〜2時間値では、インスリン量は評価しない方が良いと思います。 - インスリン効果値は、インスリン量の30単位/日以上で50mg/dL、それ以下の患者さんでは100mg/dLぐらいで開始します。乳幼児では200〜400mg/dLになります。
評価は、ベーサルが正しくされていることが必要で、糖質/インスリン比よりも難しいです。前のボーラスや食事の影響がある時間帯に、補正インスリンだけを追加した場合の、血糖の下がり方で評価します。 - アクティブインスリン時間は、我々は普通の体格の成人では3〜4時間、やせ形の方や年少児の場合は2〜3時間、肥満の方や低血糖の多い方、腎機能の低下した方は4〜5時間に設定します。
評価は、補正インスリンが重なったことが理由での低血糖を疑うことがあれば、1〜2時間長めに変更します。逆に、補正インスリンが不十分であれば短めに変更します。
- 糖質/インスリン比は、インスリン量の30単位/日以上の患者さんでは10g/20〜30単位ぐらいで、15g/20単位以下の患者さんは20g程度で開始しています。乳幼児では、30g以上になることもあります。できるだけわかりやすい数字で始めるのがよいでしょう。
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Q6. デュアル・スクエアボーラスの割合等、参考となるようなデータはありますか?
A.
デュアルの場合の、ノーマル分は高血糖の補正インスリンの分にする。明らかにGIの高い甘いものを食べる場合は、その分だけノーマルにするというように指導しています。しかし、胃の調子や、食事に含まれる脂質や食物線維の量などの割合で変化しますので、それ以外の明確な指針はまだありません。少しGIが高いものが含まれているだけであれは、50:50で始めて見ることだと思います。