大阪市は吉本興業と共同で、介護予防に効果がある「いきいき百歳体操」の動画制作した。大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センターが監修している。
地域住民が主体となり立ち上げられた「通いの場」は市内500ヵ所以上で開催されている。大阪市は介護予防活動の支援に本腰を入れている。
市内500ヵ所以上に「通いの場」
75歳以上の後期高齢者数は、2020年までに前期高齢者数を上回り、要介護認定を受ける高齢者が増加すると予測されている。高齢者が介護認定に至らず生活できるよう、介護予防活動を推進することは重要な課題となっている。
大阪市は、高齢者が誰でも一緒に参加できる介護予防活動の地域展開をめざし、高齢者の自宅からできる限り身近な場所で、「介護予防に効果のある住民主体の通いの場」を開催するのを支援している。
具体的には、誰でも安全に行え、効果も実感できる「いきいき百歳体操」や「かみかみ百歳体操」を推奨。それらを収録したDVDなどの貸出や、体操を効果的に行っていただくためのリハビリテーション専門職の派遣を行っている。
こうした取組みや区での普及啓発により、「住民主体の通いの場」は順調に増加し、2018年3月末時点で500ヵ所を超えた。
国は高齢者人口1万人あたり10ヵ所に「通いの場」を設けることを目標としており、同市も高齢者人口70万人として700ヵ所の開催を住民の方とともに目指している。
関連情報
吉本新喜劇の笑いで楽しみながら運動
「通いの場」を増やすために、より多くの高齢者が「百歳体操」に興味をもち実践できるよう、このほど新しい「百歳体操DVD」の動画を、吉本興業と共同で作製した。大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センターの監修を受けている。
「百歳体操DVD」は、高齢者が楽しみながら体操を続けられるよう、全編に吉本新喜劇のメンバーが出演しており、笑いを随所にちりばめ、毎回おなじみのメンバーと一緒に楽しく体操ができる内容になっている。
従来の「いきいき百歳体操」や「かみかみ百歳体操」に加え、認知機能向上に効果がある「しゃきしゃき百歳体操」も収録した。
住み慣れた地域で運動習慣を定着
「いきいき百歳体操」は、イスに座り、映像に合わせて準備体操、筋力運動、整理体操の3つの運動を行うことで、運動機能を向上できる内容。生活に必要な筋肉を鍛え、けがや転倒を予防できる。
おもりを手首や足首につけて、座って行う運動で、おもりは筋力や体力に合わせて0〜2kgの10段階に調整できる。50歳を過ぎて筋力トレーニングを行っていないと、毎年ペットボトル約1本分(454g)の筋肉が減り、80歳までに筋肉は半分になるとしている。1回30分週2回以上行うことを奨励している。
いきいき百歳体操
「かみかみ百歳体操」は、映像に合わせて口の周りや舌を動かす運動を行うことで咀嚼力・嚥下機能の向上に効果がある。しわや頬のたるみも予防できるという。
かみかみ百歳体操
「しゃきしゃき百歳体操」は、映像に合わせて頭と身体の両方を動かす2つの動作を同時に行うことにより、判断力や注意力の向上に効果がある。物忘れや認知症の予防に役立てられる内容だ。
しゃきしゃき百歳体操
同市は「百歳体操DVD」の貸し出しをはじめるとともに、同市ホームページでも公開している。市内の老人福祉センターでの百歳体操の実施状況も公開している。高齢者一人ひとりが住み慣れた地域でいきいきと豊かに尊厳をもって暮らすことのできる社会の実現を目指している。
百歳体操を始めよう(大阪市 2018年7月18日)
いきいき百歳体操のリーフレット
[ Terahata ]