日本の国際糖尿病支援基金(会長 森田繰織)では、2012年11月24日より京都で開催される「第9回IDF(国際糖尿病連合)西太平洋地区会議」において、オーストラリアのインスリン・フォー・ライフ(IFL)(代表 ロン・ラーブ氏)とともに、途上国の糖尿病の患者さんの実情を知ってもらい理解を得ることを目的に共同出展を行う予定である。
国際糖尿病支援基金は2001年に発足し、以来、活動の一環として支援金を募り、「IFL」をはじめ、インドの「ドリームトラスト」、エクアドルの「Fundacion Aprendido vivir con Diabetes(FUVIDA)」、ケニアの「Kenya Lifeline(JAMBO!)」などの支援団体と協力しながら、途上国の糖尿病患者さんの支援活動を行っている。
2012年10月までに支援者から寄せられた寄付金は、総額約8,343,684円にのぼり、うち、7,693,768円を上記の団体へ支援してきた。
これらの金額は、日本で生活している私たちにとってはそれほど大きなものに感じられないかもしれないが、途上国の糖尿病患者さんたちにとってはたいへんな金額であり、多くの方がその恩恵を受けることができた。
一方、インスリン・フォー・ライフ(IFL)は、これまで多くの途上国の糖尿病患者さんや、災害などの緊急時には被災地へ医療資材等の提供を行ってきた。
自身も1型糖尿病患者である代表のロン・ラーブ氏は、IFL設立のきっかけとして、糖尿病患者が生きるために必要不可欠なインスリンが先進国では使用期限が切れると同時に廃棄されていることを知り、これらの医療資材を無駄にすることなく、経済的な事情で治療が受けられない途上国の糖尿病患者さんのために有効活用ができないかと考え1999年に設立した。
インスリン・フォー・ライフは、オーストラリアを拠点にアメリカ、カナダ、オーストリアなど6か国に支部をもち、未使用で使用期限切れが4か月以内であるインスリンや、血糖測定器のテストチップ、血糖測定器・注射器・注射針といった医療資材の寄付を募り、IFLが認定した各国の糖尿病患者さんを支援する団体へ、医療資材等の寄付を行っている。
ラーブ氏は、2000年から2006年までIDFの副理事長を務め、現在、糖尿病療法に当っての炭水化物摂取量を抑え、インスリンを低量に抑える療法を促進する活動にも関わっている。
国際糖尿病支援基金の会長である森田繰織氏は、今回の共同出展に向けて、「若いころの私も含め、日本人は糖尿病になってしまったということで、後ろ向きに考えてしまう人がまだまだ多いように感じます。日本は、皆保険のお蔭で、多くの人たちは収入の範囲以内でインスリンを入手し、治療を続け、仕事や勉強を続けながら“普通”に生きて行くことが可能だと思います。全世界というレベルで考えて行くと、健康保険制度が未発達な国の方が圧倒的に多く、貧困のためインスリンを入手することも難しく、生き延びること自体が難しい状況に置かれている患者さんの方が圧倒的に多いのが実情です。今回の共同開催に当って、国外の糖尿病患者さんたちのことについて、日本の皆さんに知っていただくことで、この恵まれた状況にある日本という国で糖尿病患者として前向きに生きて行くきっかけとなれば幸いです。」と話している。
関連サイト
日本の国際糖尿病支援基金(IDAFJ)は、糖尿病患者への支援を行っているオーストラリアの「インスリン・フォー・ライフ(IFL)」やインドの「ドリーム・トラスト」などのに団体の活動に賛同し、十分な治療を受けられない途上国の糖尿病患者さんを支援するために基金への寄付とご協力を広く呼びかけていま
す。
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