赤身肉や高脂肪の食品を避け、サラダや調理済みの野菜を好んで食べる食生活の人では2型糖尿病の発症が少ないという、オーストラリアで行われた調査結果が発表された。
この調査研究は、メルボルン大学の研究者らによって1990年から94年にかけて実施されたメルボルン共同コホート研究で行われたもので、米医学誌「American Journal of Epidemiology」3月号発表され
た。
研究は3万6787名の成人を対象とした前向き試験で、食習慣と2型糖尿病の発症の関連について調査した。3万1641人の(86%)参加者が再調査を終え、期間中に365人が2型糖尿病と診断された。
研究者は124品目の食品や飲み物について主因分析に基づき調査した。その結果、食習慣のパターンを次の4種類に分けた。その結果、赤身肉や高脂肪の食品を好む食事パターンを避け、サラダや調理済み野菜の多い食事を選ぶことで、2型糖尿病の発症を減らせることが示唆された。
- オリーブオイル、野菜サラダ、豆類を好む地中海式の食生活
甘いパン、菓子類、マーガリン、お茶は好まない。
→ 糖尿病の発症は少なかった。出生国によってこの食事パターンのある人が多かった。
- サラダ、調理済みの野菜を好む食生活
→ 糖尿病の発症につながらなず、逆に少なくなった。
- 肉などの高脂肪食品を好む食生活
→ 糖尿病の発症が確実に増えることが確かめられた。
- 果物類を好む食生活
→ 糖尿病の発症は少なかった。
研究者は「食事指導では個々の食品ではなく、食事パターンにも焦点をあてることも重要」と指摘している。
American Journal of Epidemiology, 2007; 165: 603-610.
American Journal of Epidemiology(英文・要約)
[ Terahata ]