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2026年07月01日
熱中症対策の落とし穴、ペットボトル症候群にご用心 理想の水分補給とは
日本では平均気温が上昇傾向にあり、夏の暑さは年々厳しくなっている。気象庁は、こうした状況を受け今年(2026年)4月に、最高気温が40℃以上の日を新たに「酷暑日」と定めた。今年の梅雨明けは平年より遅めのようだが、間もなく迎える暑い夏に向け、アボットジャパン合同会社は6月25日に、「理想的な水分補給と血糖管理」と題したメディア勉強会を開催。糖尿病の専門医であるおばな内科クリニック(神奈川県)院長の川名部 新氏は、用心したい夏場の高血糖リスク「ペットボトル症候群」と理想的な水分補給の仕方について解説した。
強いのどの渇きから甘い飲料が飲みたくなる悪循環に
気温が上がる夏場は、ペットボトル飲料を飲む機会が増える。熱中症対策にスポーツドリンクをがぶ飲み、すっきり爽快感が味わえる炭酸飲料をがぶ飲み、活力チャージや眠気覚ましにエナジードリンクをがぶ飲みなど、甘くておいしい飲み物につい手が伸びがちだ。
そこで注意したいのが「ペットボトル症候群」だ。ペットボトル症候群の正式名称は、清涼飲料水ケトーシス。
ペットボトル症候群が起こる仕組みはこうだ。糖分の多い清涼飲料水を大量に飲み続ける➡血糖値が上昇➡強いのどの渇きが生じる➡ますます糖分の多い飲料が飲みたくなる➡高血糖が悪化する―という悪循環。
(川名部新氏講演資料)
体重減少には警戒が必要
主な初期症状は、異常なのどの渇きと多飲、多尿。中期では倦怠感や集中力の低下、眠気が現れ、体重が減少する。さらに進行すると、脱水や意識障害を起こして救急搬送され、インスリン投与や点滴といった入院での治療が必要になるケースもある。
川名部氏によると、特に留意したいのは体重減少だという。甘い飲料を大量に飲むと、体内で糖が増え過ぎ、相対的にインスリンが不足する。すると、糖をエネルギーにうまく変換できなくなり、代わりに脂肪や筋肉を分解してエネルギーを作り出すようになる。その結果、体重が減少する。また、脂肪や筋肉を分解する際にケトンが生成されることで体が酸性に傾くと、意識障害などの重篤な状態を招く。
同氏は「体重減少が見られたら警戒を」と警鐘を鳴らす。
カロリーゼロ飲料もゼロではない、きちんと理解することが大切
では、ペットボトル症候群になりやすいのはどのような人か。糖尿病患者や糖尿病予備群の人はもちろん、糖分が入った清涼飲料水を1日1L以上飲むような人は要注意だという。
なぜなら、甘いペットボトル飲料には、実に多くの砂糖が含まれているからである。例えば、500mLのペットボトル飲料に含まれる砂糖の量(角砂糖換算)は、炭酸飲料で約17個、カフェオーレやオレンジジュースで約10個、スポーツドリンクで約8個、経口補水液で約3個にもなる。
カロリーゼロを謳った飲料も厳密にはゼロではない。人工甘味料でも血糖値は上昇するため、水やお茶と同じ感覚で飲むのは危険だという。
また、日中涼しい室内で過ごし、ほとんど汗をかかない高齢者が、熱中症予防に良かれと、スポーツドリンクをせっせと飲むこともまた、血糖値を上昇させうる。
ただし、甘い飲料を一切飲んではいけないということではない。屋外で過ごす時間が長い人やスポーツで多量の汗をかく人、高齢者や体調不良で十分な食事や水分が摂取できない人が経口補水液などを飲むことは、脱水予防に有用である。
「甘い清涼飲料水には多量の糖分が含まれていることを、きちんと理解しておくことが大切だ」と川名部氏。
夏の理想的な水分補給「4つのS」
最後に川名部氏は、夏の理想的な水分補給について「高血糖リスクを抑えつつ、脱水を予防することが重要だ」と強調し、4つのSを示した。
(川名部新氏講演資料)
この夏、猛暑下での熱中症対策が「高血糖リスク」に繋がらないよう、糖分の多い清涼飲料水の摂り過ぎに注意したい。
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