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2026年07月02日
日本の子供は睡眠不足、子供を守る手立てとは?
日本は夜更かしの子が多い。ゲームやSNSに夢中になり、気づけば深夜―。夜更かしが続けば睡眠不足になり、肥満や生活習慣病のリスクが高まる。英国からは、「十分な睡眠時間が取れている子供は2型糖尿病のリスクが低い」という研究結果も報告されている(Pediatrics 2017;140:e20170338)。大阪大学の研究グループは今回、小学生の保護者を対象に、子供の健やかな発達において重要な「睡眠」に関する大規模調査を実施。その結果、日本の小学生における睡眠負債(日々の睡眠不足が積み重なった状態)の実態が明らかになったと、Sleep Med(2026年6月2日オンライン版)に報告した。同研究グループは、睡眠負債から子供を守る手立てについても指南している。
125校に通う小学生の保護者にオンラインアンケートを実施
調査は、2023年11月~2024年3月に小学生の保護者を対象として、オンラインによるアンケート形式で行われた。子供の平日および週末の睡眠時間、睡眠負債に加え、それらと関連する生活習慣についても検討された。睡眠負債は、週末と平日の睡眠時間の差(週末の睡眠時間-平日の睡眠時間 、SSR)と定義された。
■対象:125校に通う小学生(6~12歳)の保護者■主要評価項目:平日の睡眠時間
■副次評価項目:SSR
平均睡眠時間は平日9時間16分、休日10時間18分
集計の結果、アンケートの回答率は8.8%で、分析対象は4,273人だった。
平日の平均睡眠時間は9.28時間(9時間16分)、休日の平均睡眠時間は10.30時間(10時間18分)、SSRの平均は29.6分だった。
全児童における睡眠不足(9時間未満)の割合は、平日が31.7%、週末が13.4%であり、週末の睡眠延長(SSR 2時間以上)の割合は6.6%だった。
睡眠時間の短縮と関連する要因は女子、年長、宿題、通塾など
データの偏りを調整後に解析したところ、平日の睡眠時間は男子に比べ女子で、年少の子供に比べ年長の子供で短く、SSRは大きかった。宿題や習い事(通塾)は平日の睡眠時間の短縮と関連し、宿題とSSRは正の相関を示した。
就寝前1時間のスクリーンタイム、就寝時刻に関するルールの欠如、大人との寝室の共有なども平日の睡眠時間の短縮と関連していた。なお、スクリーンタイムに含まれたのは、タブレットやスマートフォン、パソコンなどの使用で、テレビの視聴は含まれなかった。
「就寝前1時間のスクリーンタイムの制限」や「就寝時刻の固定」といった家庭のルールがある場合は、平日の睡眠時間が守られ、結果としてSSRも抑えられることが示された。
一方、平日の睡眠時間の延長と関連していたのは、就寝前の読み聞かせや読書、外遊びだった。
家庭のルール作りが子供の睡眠を守る「盾」に
今回の結果を踏まえ、研究グループは「小学生における平日の平均睡眠時間は、国立睡眠財団(National Sleep Foundation)が推奨するこの年齢層の最低時間を僅かに上回る程度であり、多くの家庭で睡眠負債が発生していた」と強調。その上で、「週末の寝だめは、平日の睡眠不足のサイン。子供の健やかな発達のためには、睡眠を子供の権利として守る視点が必要である。通塾や大人との寝室の共有を止めるのは難しいかもしれないが、家庭のルール作りなどの介入が子供の睡眠を守る『盾』になる」とまとめた。
子供の睡眠をどう守るのか。糖尿病リスクを上昇させないためにも、改めて考える必要がありそうだ。
■参考
- \日本の子どもの睡眠不足を救おう/ 就寝前デジタル機器制限と就寝時刻固定が 子どもの睡眠を守る
- Sleep Med(2026年6月2日オンライン版)
- Pediatrics 2017;140:e20170338
