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2017年11月21日
糖尿病の食事療法を継続するためのポイント 食を楽しみながら成功
第16回病態栄養セミナー レポート
糖尿病治療の大きな柱である食事療法のポイントは、まず摂取エネルギー量を適正範囲内にコントロールし、炭水化物・脂質・タンパク質をバランスよく、規則的に摂取することだ。塩分摂取量の目標を1日6g以下にすることもポイントとなる。
食事療法というと、食べたいものを制限されると思いがちだが、現在の食事療法の考え方は、一人ひとりの患者に対応したオーダーメイドであるべきだと変わってきている。「食事療法」を「食事制限」とは考えないこと。医食同源であり、生きていくうえで好ましい食生活を、患者と医療者が一緒に考えていくことが重要とされている。
糖尿病の食事療法を進めるうえで、大切なのは、患者に「食事療法をすることでどのような効果があり、糖尿病という病態が改善に向かうために必要である」ことを理解してもらうことだ。
医師、看護師、管理栄養士が糖尿病という病態についてしっかりと説明し、患者に納得してもらえるよう指導することが求められる。患者は自身で問題を解決する潜在的な力をもっており、医療者が患者の生活習慣を詳しく聞き取り、その力を引き出すことで、患者が自己決定しセルフケアできるようになるのを「待つ」ことが必要だ。
「どうしたらうまくできるかわからない、自信がない」という場合は、具体的な方法の検討とともに、自信をつけてもらえるよう支援する。「これならできそうだ」と思えるような方法を一緒に考えていくことが大切だ。
毎日の食事のエネルギー摂取量をきちんと守るのは困難なので、ときには3日単位や1週間単位など心の余裕をもち、長続きできるようアドバイスすることも役に立つ。
糖尿病治療の目的は、健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)を維持し、健康な人と変わらない寿命を全うすることだ。
高血糖の状態が長く続くと、糖尿病の三大合併症(網膜症、腎症、神経障害)や、狭心症・心筋梗塞、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症などの大血管障害の発症や進行の原因となる。
そのためには、血糖はもちろんのこと、体重・血圧・血清脂質の良好なコントロール状態を維持することが重要であり、それが糖尿病の三大合併症や大血管障害の発症・進展の防止につながる。
糖尿病の治療は、患者のそれぞれの状態に合わせ、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて行う。特に、食事療法と運動療法は糖尿病治療の基本となる。
日本の糖尿病患者の大部分を占める2型糖尿病では、食事療法と運動療法で体重を適正化し、筋肉や肝臓、脂肪組織などにおいてインスリンの良好な働きを促す治療が行われる。
食事療法を成功させるために必要な条件は、(1)便利であること、(2)魅力的であること、(3)日常的であること、(4)必要なときは管理栄養士に相談できること。
食事療法をしっかり守れば、糖尿病の血糖コントロールの目標であるHbA1c7.0%未満を目指すことは可能だが、食事療法を続けるのが難しいという人も多い。
その理由は、「独居、高齢など自分で食事を作るのが難しい」「自宅での食事に不安をもっている」「療養食を一人分だけ用意するのは面倒だ」「コンビニやスーパーで弁当などを買っている」「つい間食を摂ってしまう」「糖尿病腎症と診断された」など、さまざまだ。
そんな人でも、宅配食サービスを利用すれば、食事療法を安心して続けることができる。宅配食メーカーの努力によって、プロの管理栄養士によりエネルギー量や栄養のバランスが調整された治療食のメニューが豊富に用意されている。
宅配食のメリットは、(1)栄養の基準値を厳守しながらも、食材は豊富に使用、(2)工夫された日替わり献立や味のおかげで、飽きることがなく、心理的負担も少ない、(3)1人分の食事を別に準備する負担がない。食事療法の一環として、食事管理をしっかりでき、食べておいしさを実感できる宅配食は利用価値が高い。
宅配食サービス「健康宅配」を展開する武蔵野フーズは、医療従事者向けに「第16回病態栄養セミナー」を開催した。糖尿病の食事療法を続けるために必要な知識を、専門家が解説した。
武蔵野フーズは、糖尿病の食事療法への理解を深める目的で、10月に都内で「第16回病態栄養セミナー」を開催した。講演は第1部と第2部に分かれ、武蔵野フーズが提供する宅配食サービス「健康宅配」ランチの試食会も開催された。
当日は武蔵野赤十字病院栄養課の原純也氏が「食事療法のエッセンス〜糖質制限の是非と栄養食事指導を行う心構え〜」と題し、また武蔵野赤十字病院内分泌代謝科の杉山徹氏が「知っておくべき糖尿病の合併症Overview〜『どうして血糖を良くしなければならないの?』と聞かれたら〜」と題し、それぞれ講演を行った。
一人ひとりに対応した食事療法
食事療法は糖尿病治療の基本
宅配食サービスのメリットは大きい
「糖質制限食」は効果がある?
食事療法の基本はカロリーをコントロールした健康食であることは、医学的に確かめられている。しかし、カロリーを抑えた食事を続けられないという患者も少なくない。そういう人の治療の選択肢として「糖質制限食」が注目されている。
糖質(炭水化物)の摂取量を減らす糖質制限食は、短期的には減量や血糖コントロールの改善につながると考えられている。カロリー計算や栄養バランスの配慮などが要らず、簡単に取り組めるのも魅力となっている。
糖質を減らせば減らすほど、血糖値を下げる効果が期待できる。だが、糖質を抜いて十分なカロリーを保とうとすると、タンパク質や脂質の量が増え、栄養のバランスが偏ってしまうおそれがある。
また、糖質制限食の安全性を長期にわたり調査した研究はなく、糖質をどの程度まで制限できるかということも大きな課題となっている。糖質制限食を行いたい人は主治医やかかりつけの管理栄養士に相談することが勧められる。
宅配食で本格的な治療食を自宅で体験
糖尿病や腎臓病の食事療法について、頭では分かっていても、実践がともなわないという人や、忙しくて勉強している時間がないという人は多い。そんな人には、糖尿病治療食の宅配システムを利用し、専門家が作った本格的な治療食を在宅のまま手軽に体験する方法が効果的だ。
武蔵野フーズの宅配食サービス「すこやか膳」は、1食のおかずを250kcalに、塩分を3食合計で6g以下に調整した冷蔵の宅配食だ。
「健康宅配」は、管理栄養士がバランスの良い献立を作り、味付けに改良が重ねられ、食材もエコファーマ認定を取得した指定農家から調達した野菜を使用し、工夫されている。
治療食は一般的には味が薄い料理が多いが、「健康宅配」は低塩分ながら満足できる、しっかりとした味作りが工夫されている。メニューも豊富で飽きがなく、毎日続けられる食事セットだ。当日の試食会でも「おいしいと思う」という感想が大多数を占めた。
「健康宅配」のサービスは1997年に開始され、これまで20年間のノウハウを蓄積し、現在は1日に8,000食以上が提供されている。「健康宅配」は衛生管理が徹底された工場で製造されており、商品開発から製造、宅配まで一貫体制で提供されており、衛生管理された工場で素材の下ごしらえ・調理・盛り付けから包装までおいしさにこだわっている。
宅配食は食事療法の強力な「栄養教育」になる
宅配食は調理いらずで、面倒なエネルギー計算やタンパク質制限の必要がない。食事を全て完璧に自分で作るのはとても大変だが、料理済み食品を上手に取り入れると、食事療法を無理なく、ストレスをためずに続けることができる。
特に、食生活の改善を、「忙しいから」「難しいから」といった理由で避けてきた人たちにとっても、大きな助けとなる。摂取エネルギー量を満たす食材のボリュームや味付けなどを具体的に体験できる点では、宅配食は強力な「栄養教育」の教材となる。
宅配食を1~2ヵ月間続ける、毎月10日間だけ利用してみるといった方法でも、ほとんどの人は治療食のノウハウをマスターして、無理なく安全に食事をコントロールすることが可能になる。
「健康宅配」は、「冷蔵食」と「冷凍食」の2つの宅配サービスから選べることが特長だ。「冷蔵食」の宅配サービスは、(1)日替り献立で、食材に合わせた調理法・だしの使い方にこだわっている、(2)冷蔵食ではダイコンやキュウリ、コンニャクなど、冷凍弁当に不向きな食材も使用している、(3)作って家庭に届けるまで10℃以下で一貫管理。配達日の翌14時まで食べられる。(4)電子レンジで温めるだけで食べられる――というメリットがある。
武蔵野フーズの「冷蔵食」の宅配サービスは、宅配エリアは東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、群馬、栃木、茨城、福島、宮城、山梨、静岡などの1都11県。1日2食~3食を1日分から利用できる。
(株)武蔵野フーズ 健康宅配 糖尿病食、腎臓病食などの食事療法は健康宅配
提供:武蔵野フーズ
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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