血糖値が正常範囲以下(70mg/dL未満といわれることが多い)に下がった状態のことです。糖尿病の薬物療法をしている場合、血糖値が必要以上に下がり過ぎ、低血糖になることがあります。糖尿病で薬物療法を始める際には、低血糖への対処法をしっかり覚えることも必要です。
【血糖値55mg/dL未満】(おもに交感神経症状)
□発汗 □ふるえ □動悸 □空腹感 □頭痛
【血糖値50mg/dL未満】(おもに中枢神経症状)
□眠気 □脱力感 □めまい □集中力の低下 □不安感 □抑うつ □不機嫌 □周囲との不調和
さらに低血糖が進むと【血糖値30mg/dL未満】
□異常な行動 □けいれん □意識がない □手足のまひ □昏睡
□食事に関係していること →Q.570へ
食事の間隔が開いてしまったとき
食事の量が少なかったとき
食事の内容が偏っていたとき
□アルコールを飲んだとき →Q.578へ
□運動に関係していること →Q.573へ
いつもより長時間からだを動かしたとき
いつもより激しい運動をしたとき
□食前に運動したり入浴したとき →Q.579へ
□薬に関係していること →Q.574へ
インスリンの注射量や飲み薬の服用量を多く間違えてしまったとき
インスリンの種類を間違えたとき
インスリン注射量の加減が適切でなかったとき
血糖降下作用を強める働きがある他の薬を服用した時
□シックデイ →Q.580へ
□合併症に関係していること
糖尿病以外の病気がある →Q.565へ
神経障害がある →Q.583へ
腎症がある →Q.584へ
□その他
血糖コントロールが改善してきたとき →Q.581へ
高齢者 →Q.582へ
月経周期との関係 →Q.585へ
□高齢者
□低血糖をくり返し起こしている
□糖尿病性神経障害が進行している
□β遮断薬など、低血糖症状を隠してしまう薬剤を服用している
1.血糖値をはかろう:
血糖自己測定器(SMBG)でこまめに測定する。さらに可能であれば、CGMなどを利用して間質液の糖濃度の動きを把握しておきましょう
2.ご自分の低血糖症状を覚えておき、疑わしい時は迅速に対応しましょう
3.重症低血糖になったらどうするか、患者さん本人はもちろん、ご家族や周囲の人にも理解しておいてもらいましょう
4.もしものときに備えて、ご家族や周囲の人に伝えること、お願いしたいことをアクションプランにまとめ、共有しておきましょう
防ごう、備えよう!低血糖 <患者さん本人&周囲の方向け>
低血糖時のアクションプラン 低血糖を起こした時に、患者さん本人または周囲の人が取るべきアクションを簡潔に一枚にまとめたシートです。もしものときに備えて、低血糖時にはどうしたら良いか主治医や医療スタッフに前もって相談し、患者さん本人がよく理解しておくのはもちろん、ご家族など周囲の人とも共有しておきましょう。 監修: 北岡 治子 先生(清恵会病院 名誉院長)
|
『10月8日は、糖をはかる日』について
『10月8日は、糖をはかる日』は、2016年糖尿病治療研究会により制定されました。2021年6月糖尿病治療研究会の解散により、一般社団法人日本生活習慣病予防協会が『10月8日は、糖をはかる日』を継承することになりました。
<糖尿病治療研究会40年の歩み>