糖尿病セミナー

6. 血糖自己測定とは

2016年4月 改訂

Q&A

Q. 尿糖測定と血糖測定の違いは?

A. 血糖測定が、血液から直接、血糖値を測定するのに対し、尿糖測定は、尿に浸した試験紙の色の変わり具合で、高血糖かどうかを判断するもので、血糖値を間接的に推定する方法といえます。尿糖測定は、採血の苦痛がない点がメリットですが、反面、尿糖は血糖値が約160〜180mg/dL(個人差がある)を超えないと出ないため、それ以下の場合に、すべて陰性となってしまう問題点があります。
 この点を克服したのがデジタル尿糖計(kkタニタ)です。0〜2000mg/dLまでの尿糖量が示されるため、食事、運動、治療薬の効果の判定に役立ちます。境界型を含め軽症の糖尿病のコントロールにはお勧めです。

Q. より正確に測定するコツは?

A. 決められている測定方法を守ることが大切です。よくあるミスポイントとして、試験紙の保管期限や保管状態が守られていない、採血前に手を洗っていない(または手が乾いていない)、測定に必要な量の血液を採血できていない、極端に寒い(または暑い)場所で使用している、などが挙げられます。試験紙の保管方法や測定に必要な採血量、使用可能な環境温度などは、測定器ごとに異なりますので、ご使用前に確認してください。なお、もし測定結果に疑問があれば医師・医療スタッフに尋ねてください。

Q. 血糖自己測定に健保はききますか?

A. インスリン等の自己注射療法をされている患者さんは、医師が指示した1日の測定回数に応じて、必要な枚数の試験紙が保険で給付されます。また、測定に必要な簡易測定器や穿刺針、穿刺器具なども給付の対象です。
 自己注射療法をしていない患者さんも、病状によっては年に1度、健保が適用されます。いつどのように導入するのがよいのかについては、主治医のアドバイスに従ってください。
 なお、保険でカバーされる部分以外の自己負担金額は、確定申告時に医療費控除の対象となります(詳しくは税務署にご相談ください)。

効果バツグンの5つの提案

(1) 採血は、おなかや二の腕が痛くない

 採血は、よく指先からしますが、少しでも痛みを減らしたい場合は、指先より痛点の少ない手掌(たなごころの部分)、上腕外側部、腹壁などをお試しください。

(2) メモ魔になる

 血糖値を記録するだけでなく、気付いたことは何でもメモしておきましょう。メモは、コントロール改善のためのヒントの宝庫です。

(3) 先手必勝、低血糖

 理想的な血糖値をめざすほど、低血糖との闘いになります。低血糖になる前に、自己測定で早期発見、早期対応で、ナイスコントロール。

(4) 食前・食後、セットで測定を

 HbA1cを下げるには、食後の高血糖をいかに抑えるかがポイントです。食前だけでなく食後もセットで測定し、コントロールすることがコツ。

(5) 測定機器はきれいに、過保護に

 精密機器はデリケート。血液の汚れ、小さなほこりが故障の原因になります。使用後は清潔に。持ち運びは専用の袋やケースに入れましょう。

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