活動報告

2023年ドリームトラスト(インド)からの近況報告

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 国際糖尿病支援基金のパートナーであるインドのドリームトラストより、11月14日の国際糖尿病デーのイベントが開かれたとお便りがきました。


 一昨年まではコロナ渦の影響で、人の移動や物資の運搬が制限され、現地の糖尿病の子供たちは通院もインスリンの入手も難しくなり、通学もできないため自宅でのリモート授業で凌いでいた時期が続きました。
この間、毎年ドリームトラストが開催していた「世界糖尿病デー」のイベントは中止となりましたが、2023年は様々なイベントが開催され、皆が盛り上がり、コロナ以前に完全に回復したと確信しています。

 2023年はドリームトラスト創始者であるシャラッド・ペンデセイ先生がご逝去されるという大変悲しい出来事もありましたが、「患者自身による患者のためのイベント」を実現できたことで、シャラッド先生も天国で喜んでくださっていることと思います。日本でも糖尿病の治療にあたって、「主治医は自分自身」と言われます。

1型糖尿病の子どもたちの現実の苦労を理解する:家庭訪問でより深い視点を

 ドリーム・トラスト・チームとアンナ・ウーリッヒさんたちは、ドリーム・トラストに登録されている1型糖尿病の子どもたちの家庭を訪問しました。家庭訪問は、子どもたちが直面する日常の困難について、理解を深めるための非常に重要な機会となりました。家庭訪問を通じて、投薬管理、健康的な食材の入手を含めた健康的な食事が可能か、家庭での生活環境、生活習慣の調整および精神的支援などが必要とされていることを知ることができるのです。

世界糖尿病デーの開催

 11月14日の世界糖尿病デーを祝うために1型糖尿病の子供たちが集まりました。会場は精神で満ち溢れている状態でした。本イベントは、ドリーム・トラストの創設者である故シャラド・ペンゼイ博士を追悼して開催されました。

 本イベントの目玉は「1型糖尿病患者による、1型糖尿病患者のための」プログラムで、 司会は、いずれも幼少期から1型糖尿病を患い、毎回参加しているアディティヤさんとアイスワリヤさんです。彼らは現在、それぞれ技師と開業弁護士としてキャリアを積んでいます。
写真及び動画撮影を、13年間1型糖尿病を患っているシュバムさんが担当しました。

 本プログラムの主賓はオーストリアから来たアンナ・ウーリッヒさんでした、彼女自身も過去40年間1型糖尿病を患っています。ドリーム・トラストとの関わりは20年になります。
本プログラムは、ドイツから来たロゴフスキー夫人の惜しみない出資によるものでした。子どもたちや10代後半の若者がソロ・ダンスを披露した後、ファッション・ショーを行い、瞬く間に会場が盛り上がりました。本プログラムに、150人の子どもたちとその家族が参加しました。

翻訳協力:渡邊岳様


【English】

Understanding the Real-life Struggles of Type 1 Diabetes children: Home Visits for a Deeper Perspective*
The Dream Trust team and Ms. Anna Uhlich along with her team visited homes of T1D children enrolled with Dream Trust. Home visits offer an invaluable opportunity and deeper insights into the daily challenges that these children face. During these visits, we look at factors like medication management, access to healthy food, living conditions at home, lifestyle adjustments, and emotional support.

* World Diabetes Day Celebration By the Type 1 Diabetics For Type 1 Diabetics:* "I have Type 1 Diabetes (T1D),but I am Unstoppable."
This spirit was resounding when children with Type 1 Diabetes got together to celebrate World Diabetes Day, which falls on 14th November. The event was organized in memory of the late Dr. Sharad Pendsey, Founder, Dream Trust.
The highlight of the gathering was that it was **"By the Type 1 Diabetics, For the Type 1 Diabetics".
The programme comperes were Aditya and Aiswarya, both having Type 1 Diabetes since childhood and now pursuing their career as engineer and practicing lawyer.
The photography coverage was led by Shubham, a Type 1 Diabetic for 13years. The Chief Guest for the evening was Ms. Anna Uhlich from Austria, herself a T1D for the past 40 years. She has been associated with Dream Trust for 20 years.
The programme was generously sponsored by Mrs. Rogowski from Germany. *Children , young adults performed solo dances, followed by a fashion show, which was an instant hit. The programme was attended by 150 children and their families.

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ドリームトラストから国際糖尿病支援基金あてにクリスマスカードが届きました。

 日本の国際糖尿病支援基金からのご支援のおかげで、今年も現地インドの糖尿病の子供たちが糖尿病の治療を受けることができました。来年も変わらぬご支援をよろしくお願いします。日本の皆様の健康とご多幸をお祈り申し上げます。
~Merry Christmas & Happy New Year!~

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関連サイト
2022年 国際糖尿病支援基金が支援するドリームトラストの患者さんの近況について
ドリームトラスト(インド)
国際糖尿病支援基金

 ドリームトラストの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口


2023年12月活動報告

寄付金収入(7件)14万918円

上記金額には、以下の寄付金が含まれています。
インスリン療法(BOT)についての不安と期待(糖尿病ネットワークアンケート(110件))

Dream Trust(インド)の1型糖尿病患者支援のためのスポンサー費8口(8人分)2,400USドル、ならびに活動資金500USドルを送金(468,224円)。
〔送金手数料3,000円〕

南米エクアドル「FUVIDA」の糖尿病患者
イェセベス・ドリマさん

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 南米エクアドルで小児糖尿病患者さんを支援するFundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(代表:アラセリー・バスルト・カルデロン氏)より、現地の糖尿病患者さんのレポートが届きましたので、ご紹介します。

 国際糖尿病支援基金は、この活動の趣旨に賛同し、2008年より南米エクアドルのFUVIDAを支援しています。

1型糖尿病と診断されたとき

 私はイェセベス(エリザベス)・ドリマです。現在17歳です。

 8歳の時に1型糖尿病を発症しました。
その当時、毎朝7時に学校へ登校し15時に帰宅する毎日でした。昼食後に居眠りをし、以前にも増して食欲旺盛で水をたくさん飲んでは何度もトイレへ行くので、その様子をみた担任の先生が、イェセベスは病気の可能性があるので病院へ連れて行ったほうが良い。と、私の母に言いました。

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 母に連れられて病院で検査を受けた結果、血糖値が257mg/dlであったため糖尿病と診断されました。糖尿病について何も知らなかったので、私たちはとても大きなショックを受けました。
 その後も、念のためにいくつかの病院を受診しましたが、ある病院にたどり着いた時には血糖値が500 mg/dlまで上昇し、その場で19日間入院しました。その当時私を診察した医師は、糖尿病性昏睡に陥ってもおかしくない状況であったと言っていました。それ以来、私は糖尿病と共に生活を送っています。

 私はこれまで4回病院へ搬送され、最後の入院は今年2023年で胃腸の感染症によるものでした。容体が悪化し経鼻胃管カテーテルを挿管されましたが、最終的には糖尿病性ケトアシドーシスに陥ってしまいました。
カテーテルを挿管するためにフェンタニルが投与され、管を抜くときに激しく抵抗したため、医師は私の手と足を縛らなければならなかった。と、母から聞きました。
また、入院前から既に足に激しい痛みがありました。私と家族は糖尿病に対する教育を十分に受けておらず、血糖コントロールの重要性を理解していなかったために神経障害を発症していたようです。私は足に力が入らず歩行困難となり、日常生活を送るうえで車椅子が必要になってしまいました。


FUVIDAを訪問して

 しばらくして、糖尿病の患者さんを支援しているFUVIDAの存在を知りました。
初めてFUVIDAを訪問したとき、若くして神経障害を患い、車椅子に乗る私を見て、代表のアラセリーさんは私を抱きしめながら、糖尿病治療に必要なものがすべてそろっているので、全力でサポートすると言ってくれました。
再度、FUVIDAを訪問した時には、アラセリーさんのいう通り、治療に必要なものがすべて用意されていました。歩行器も与えられ、どれほど回復しているかを知ることも励みとなりました。

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 FUVIDAでは糖尿病療養に必要な物資の支援や教育を受け、私の体調は徐々に改善していきました。特に間歇スキャン式持続血糖測定器も与えられたので、血糖変動を確認することができ、より適切な栄養摂取や治療を受けることができています。そのおかげで、数分間1人で立てるまでに回復し、母の腕につかまりながら歩行できるようになりました。
歩行の練習を重ねた結果、数歩ながらも歩けるようになったので、その様子を動画で撮影し、Tik Tokへ投稿しました。撮影中は、家族がそばで見守り、私が転倒しそうになると支えてくれました。

 FUVIDAと、FUVIDAを支援する国際機関の支援のおかげで、私の体調は迅速的に改善し、糖尿病療養に必要な治療を受けることができています。わが国の医療施設では、1型糖尿病の治療に必要な物資の提供が十分ではありません。このことから学んだことは、年齢、体格、国籍に関係なく、糖尿病の発症に関しては、国籍・年齢・体格に関係なく誰でも発症しうるものであり、発症の原因も違えば、置かれている状況や立場も、人それぞれなので、ひとくくりにできない難しさがあります。

 私の経験から、糖尿病と診断されても落胆せず、むしろ人生が私に与えてくれる教訓であると考えています。何歳であろうと、診断されてからどれだけ経過していようと、重要なのは毎日しっかり血糖コントロールを行うということです。それを怠ると合併症は身近に迫ってきます。

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翻訳協力:永吉早苗様

●関連サイト
2021年南米エクアドル「FUVIDA」の糖尿病患者さん(1)ホスエ・ピナルゴテ・エリアス
2021年南米エクアドル「FUVIDA」の糖尿病患者さん(2)サマンサ・ビジャシス
2021年南米エクアドル「FUVIDA」の糖尿病患者さん(3)ガブリエラ・カレーニョ
Fundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(エクアドル)
国際糖尿病支援基金


 FUVIDAの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口

※通信欄へ「FUVIDA支援」とお書き頂きますようお願い致します。


2023年11月活動報告

寄付金収入(3件)16万円


インスリン・フォー・ライフ(IFL)グローバル
最近の活動と取組みについて(アリシア・ジェンキンス代表)(2)

 「インスリン・フォー・ライフ(IFL)グローバル 最近の活動と取組みについて(1)」については、こちらをご覧ください。

糖尿病キャンプや検査プログラムの支援について

 IFLが支援している各地の糖尿病キャンプでは、資料3のように、毎回、合併症のスクリーニングや健康診断も実施しています。
オーストラリアの1型糖尿病患者で、糖尿病の合併症により31歳で早世した、フィオナ・クォックさんにちなんで名づけられた「フィオナ・クォック合併症予防プログラム」では、病院で購入可能で血液検査、尿検査、眼底検査、血圧測定を行うことができました。
ニールたちは、この検査プログラムをモルジブ、震災後のエクアドル、今もなお継続しているフィリピンの小児・青少年糖尿病キャンプやコミュニティ、刑務所でのスクリーニングで実践しました。

 私たちが得た糖尿病に関する知識と意識を促進し、他の人々の助けに応じられるように、その一部を資料4のように書き留めています。
もちろん、もっとも重要なことは命が救われることですが、これらの資料を残すことで、より多くの人に私たちの必要性と私たちの活動を知ってもらい私たちが支援できるようになりました。

  
  • 保険経済学 
  • アドボカシー 
  • 冷蔵庫なしでのインスリン保管      
  • 6か国の糖尿病疫学  
  • 眼の検査 
  • ウズベキスタンで1型糖尿病死亡減少 
  • ウクライナでの戦争による糖尿病治療に必要な医薬品・器機へ影響

 ニールと当時の医学生たちはフィリピンの糖尿病キャンプに参加し、臨床現場即時検査(POCT)として、指先に針を刺す簡易穿刺検査を実施していることを紹介しました。ブドウ糖だけではなくHbA1c、コレステロール、尿中のタンパク質についても主要な大病院での検査機器と比較して、糖尿病で注意すべき、すべての重要な要素が非の打ち所がないほど正確だったので、これらの機器が導入される運びとなりました。

 過去にウズベキスタンにおいて、ロシア語を話すオーストラリア人の若い医師の協力のもと、年間30,000mlのインスリン支援を開始しました。当時のウズベキスタンは15歳未満の糖尿病患者の死亡率が非常に高い状況でした。私もニールと現地を訪問しましたが、現地の看護師たちは1型糖尿病についてよく理解していたもののインスリンが無いことを知ることとなりました。2002年に支援を開始してからインスリンの供給が広まり、小児糖尿病患者の死亡率も12分の1に低下しました、そしてさらに重要なことは、人々の糖尿病に対する意識が高まったことに加え、ウズベキスタン政府がこの問題に取り組み、我々がインスリンを支援する必要がなくなったは素晴らしい成果でした。

 これを機に緩和ケア医で人権弁護士でもある、フランクリン・フレナン博士に協力を求めました。
 インスリンと糖尿病治療が「贅沢」ではなく、基本的な人権であることを強調する記事を医学雑誌へ掲載するために、フランクリン医師は私たちを手助けしてくれました。そして私たちは学術的に裏打ちされた「人権を守る法律を作る」必要性があることを力説しました。

  特に貧困層が多い国の場合、法律について述べるだけでは物事を解決できないことが多いことから、私たちはオンラインセミナーを開始しました。国連の健康権に関する特別通信員であるモーフォ・キング医師と共に、私たちはアフリカの糖尿病の若者を対象に、ウズベキスタンの例を実践するためのセミナーを2021年に実施しました。
  ラテンアメリカでも2022年に同様のセミナーを開催し、そこで伝えられた内容は複数の言語に翻訳され、Life for childのHPにも掲載されています。
 小児糖尿病患者へは、経済的に恵まれない地域の糖尿病患者さんを対象にしたマテリアルなどの入門書も作成しました。これにより、地元の臨床医が患者の権利を守るために政府にどのように働きかけるべきかを学ぶことができるようになりました。


災害時の支援について

 災害などの緊急事態が発生した際に、我々は毎回どこよりも早く支援を実施し、継続することが重要と考えています。年々、人災と自然災害の数は増加していますが、一部の先進国では災害へ備える環境が整備されているため死亡率や負傷率が減少していますが、途上国などは、元々のリソースが不足していることに加え、災害への備えが不十分なため、それを私たちが支援しようとしています。

 IFLの経験に基づいて改善することと、私はIDF-WPRの委員で6年間評議会に所属してこのプロジェクトを担当し、人々に如何に災害を回避し、どのように備えるべきかを伝えるために大規模な災害対応マニュアルを発行しました。災害時には、多くの場合、政府や支援団体の支援であっても、インスリンが到着するまでに平均3週間から6週間かかり、インスリンや注射器などの糖尿病療養に必要な物資は含まれていません。
1型糖尿病患者はインスリン無しでは、3週間持たないことが分かっています。数週間インスリン注射を受けられなかった患者さんは数日以内になくなっています。


■緊急/災害時について資料5
  • 何処で何が必要か、どのように届けるか?
  • 被災地の場所はどこか?必要ものは何か?
  • 通訳・翻訳の必要性について
  • 普段と違う種類のインスリンや血糖測定機への対応など

 IFLには各支部があり、支援先に迅速かつ必ず物資が届くように、世界中にネットワークを持つ重要性があるため、緊急連絡先リストがあるのです。そのため、早急に人を派遣し言語の翻訳も可能で、重要な糖尿病の知識も共有できます。

例えば、インスリンや血糖測定器はその国で使用されているものとは異なる可能性があるため、それらと代替えできるインスリン製剤の一覧表を共有して知ることができます。普段使用しているものと違っていても、資料6の一覧表を通して、代替可能なインスリンを見つけることができます。

同様に、災害時には血糖測定器についても使い慣れた血糖値単位ではないmmol/Lかmg/dlである表示の機器を使用する場合が起こり得ます。でも代替え可能な一覧表で対応することができます。災害時にはmmol/Lやmg/dlで測定される可能性があります。そこで私たちはどちらの単位でも血糖値把握ができるよう資料7のような血糖測定器値の換算チャートを提供しています。

インスリンについて、私たちが行った研究では、熱帯地域の高温下で冷蔵保存をしていなくてもインスリンを使用できることはわかっていますが、凍結してしまった場合は使用できません。これは私たちが行う重要な仕事として、資料8のように、自分自身で使用した注射器や穿刺針を再利用できることを伝えています。
ただし、他人と注射器や穿刺針は決して共有しないことが重要です。


今後の新たな支援活動について

 現在、我々はウクライナへの支援活動を行っていますが、コロナ禍やウクライナ戦争、その他いくつかの自然災害の後には、新たな課題がいくつか発生します。コロナ禍では、先進国も途上国も関係なく、どの地域でも供給ラインがしばしば寸断され、ますます多くの人々が恵まれない状況に陥り助けを求める人々が増えています。
 インスリンなどを必要とする人たちに販売して利益を得ようとする政府や民間人もいるため、私たちはそれを低価格で提携先の医療機関を通じて、人々に直接販売する代替えプログラムを実施しています。

 エチオピアへの支援については、支援物資を提携先へ直接届けるようにしています。内戦状態を抜け出しつつあるものの、今なお混乱が続くエチオピアへの支援は、物資の制限などがあり難しいものですが、私たちはインスリンと注射器を購入するプログラムを今まさに開始しようとしています。

 同じくマダガスカルでも支援を試みようと考えています。
HbA1c検査を提供している会社では小児糖尿病患者向けのプログラムがたくさんありますが、大人向けではありません。そこで、私たちはすべての人が臨床現場即時検査(POCT)でHbA1c検査を受けられるように消耗品を提供することを検討しています。HbA1cテストはモニタリング(経過観察)に役立ちます。

 最後に活動方向として次の写真を紹介します。日本の国際糖尿病支援基金をはじめ、多くの団体や個人が私たちの活動に協力をしてくれています。芸術的感性豊かな子供たちの作品を通じて「協力すれば、できる!」と言っています。
我々は今後もさらに多くの支援活動を一緒に続けて行きたいと考えています。
これからも皆様のご協力の程よろしくお願いいします。

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 インスリン・フォー・ライフ(IFL)の活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口


2023年10月活動報告

寄付金収入(1件)2万3,700円

上記金額には、以下の寄付金が含まれています。
血糖降下薬の処方変更について(糖尿病ネットワークアンケート(474件))

インスリン・フォー・ライフ(IFL)グローバル
最近の活動と取組みについて(アリシア・ジェンキンス代表)(1)

 2023年7月にインスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアのメンバーが来日し、IFLの最近の活動と取組みについて、代表のアリシア・ジェンキンス医師よりお話をうかがいましたので、ご紹介します。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)の活動を支援をしています。

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 私はIFLグローバル代表のアリシア・ジェンキンスです。
今回、我々はオーストラリアから、IFL創設者のロン・ラーブ氏とスタッフのニール・ドナラン氏とともに、都内にある国際糖尿病支援基金の事務所を訪れています。
本日はIFLの最近の活動と取り組みについてお伝えしたいと思います。

 世界中の糖尿病患者の状況は、その国の置かれた状況によって大きく異なります。
オーストラリアや日本のように経済的に恵まれた国で育った糖尿病患者の多くは、医師の診察を受け糖尿病療養に必要なインスリンや血糖測定器を簡単に利用することができます。ほとんど差別を受けることもなく、通常の生活を送ることができ、長寿も実現出来ています。 しかし、世界中の糖尿病患者のすべてがそうではありません。

 2021年国際糖尿病連合(IDF)の資料によると、糖尿病を持つ人の約81%は貧困等の恵まれない地域に居住しており、多くの子供や成人がインスリン不足や適切な治療を受けられず、不十分な血糖管理により発症してから早期に深刻な合併症や若年死に直面しています。
(IDF 9th Atlas,2021)



 資料1は、グラハム・オークル博士と行ったある糖尿病患者についての研究です。
これを見るとオーストラリアのような経済的に恵まれている国では小児1型糖尿病の家族の糖尿病治療の自己負担額は、たとえ下位5分の1以下に属する低所得者層であっても1%未満であることがわかります。
 しかし、私たちが調査した15か国では、小児糖尿病患者にかかる平均的な自己負担額は家族全体の収入よりも16%多い状況です。
 インスリン数本と注射器とテストストリップだけで、国によっては一家の収入の10倍から14倍の自己負担額となります。そのため外部の支援が無くては生き延びることが出来ません。
貧困課題を抱える国々では、糖尿病を持つ若年層11万2,000人と成人の約50%がインスリン製剤や血糖管理物品などの基本的支援を必要としていると推計されています。



 一部の国では、政府が糖尿病患者への援助を試みていますが、2015年時点の約60から70か国で低所得国と中低所得国に注目し、インスリンが提供できる国はどれくらいあるのかを発表しました。それを資料2に示しています。

 低所得国はいずれもインスリンを提供しておらず、中低所得国であっても10%に過ぎません。これら2つのグループはいづれも、血糖測定機やテストチップを提供していないため、酷い低血糖を起こしてしまうのです。
家庭での重度の低血糖症を防ぐためには血糖測定に必要なテストストリップやグルカゴンも必要で、経済規定に恵まれない地域の人々を支援するには、我々のように外部からの援助が必要なのです。



■IFLでは、途上国の糖尿病患者に対して、3つのことを実践しています。

  • 使用期限内の未開封インスリン製剤・血糖測定機器および試験紙など基本的なサプライの寄附募集・購入・現物提供や被災地(災害時の緊急支援)を含む対象地域の支援
  • 対象地域の糖尿病キャンプ支援を通じて、そのコミュニティに必要とされる糖尿病関連知識の伝授やすでに糖尿病状態にある人のスクリーニング強化
  • アドボカシー活動や学術調査研究等によって、対象となる人々が必要としている基本的な糖尿病治療や物品使用の享受向上を目指す


 IFLは1986年にオーストラリア・メルボルンにて、ロン・ラーブ氏により設立されました。設立当初のメンバーの何人かは今も続けて活動を行っています。
IFLはオーストラリアを本部として、現在8つの支部があります。また、日本の国際糖尿病支援基金とは長年にわたり素晴らしいパートナーシップを結んでいます。



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左:2002年の運営委員 右:2023年現在の運営委員

  糖尿病患者にとって生命維持でもあるインスリンの支援を行うには、グローバルビレッジの構築が必要です。当事国だけではなく、周辺国、国連やWHO、各国糖尿病関連団体、企業、医療機関による支援協力、ソーシャルメディア、ブロガーのネットワークなどを活用して支援物資の寄付者を必要としています。IFLでは個人への支援は行っていないので、現地の医療機関の協力が欠かせません。また資金提供には多くの医師、看護師、栄養士、研究者、学生、弁護士、会計士、ソーシャルメディアの専門家が私たちをサポートしてくれています。私たち自身も権利擁護活動を行っており、例年、他の権利擁護団体や糖尿病団体との連携も強化されています。



IFLグローバルから年間での平均的な支援と関連費用は次の通りです。
  • インスリン製剤:35万mL
  • インスリン用注射器:150万本以上
  • 血糖測定用試験紙:50万枚以上、血糖測定器:数1000台
  • 800回以上の発送
  • 240万オーストラリアドル(日本円で2億円超)に相当
災害発生時は、これを大きく超えることになります。


 途上国の多くの国がIFLの支援を受けてきました。常時、約30か国がIFLからの物資を受け入れており、通常は年に4回支援が行われています。これまで96ヵ国がIFLの支援を受けました。
 IFLが支援した糖尿病患者さんを一部紹介します。入院中のインドの小児糖尿病患者の女の子の家族には金銭的な余裕がありませんでした。その病院にいたアメリカ人医師とインド人医師が定期的に医療を提供することを約束し、IFLからインスリン等を無料提供したおかげで、4週間後には体重も増加し元気になりました。
 もう1人の小児糖尿病患者は、エクアドルのサマンタです。4歳だった彼女がIFLからの支援を受け、貧困に陥ることを免れたため、オーストラリアの多くの若者と同様に大学に通うことができました。現在22歳になり豊かな人生を送っています。

■南米エクアドルの1型糖尿病患者サマンタさん
https://dm-net.co.jp/idafj/act/update/post-45.php



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 また私たちは、コロナ禍以前はエクアドルやフィリピン、モルジブで現地の糖尿病患者さんを対象とした糖尿病キャンプの運営を支援しました。日本からもボランティアとして参加していただき運営を手伝ってくれました。これらの活動はコロナ禍で中断したものの、直ぐにコロナ以前に戻ることを期待しています。
 エクアドルで糖尿病患者を支援しているFUVIDAでは、現地の子供たちが参加し、糖尿病について多くのことを学ぶことができます。途上国の一部では1型糖尿病がそれほど一般的ではないため、現地の若い医師、医学生、医療従事者などもボランティアとして参加し、糖尿病キャンプの運営を手伝いながら、1型糖尿病について学習します。



インスリン・フォー・ライフ(IFL)グローバル最近の活動と取組みについて(2)へ続く

■インスリン・フォー・ライフ・グローバル
https://www.insulinforlife.org/
■アリシア・ジェンキンス新代表挨拶
https://dm-net.co.jp/idafj/post-59.php

 インスリン・フォー・ライフ(IFL)の活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口


2023年インスリン・フォー・ライフ(IFL)のウクライナ支援について(ニール・ドナラン氏)

 2023年7月18日にインスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアのメンバーが国際糖尿病支援基金の事務所を訪れました。
 2022年3月から実施しているウクライナの糖尿病患者さんへの支援について、スタッフのニール・ドナラン氏からお話をうかがいましたので、ご紹介します。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)の活動を支援をしています。

 私は今回で6回目の来日となります。約3年ぶりに日本に来ることができて、とてもうれしく思っています。私は日本が大好きで日本の方々はとても素晴らしいと思っています。
また、IFLと国際糖尿病支援基金は20年以上にわたって良好な協力関係を築き、多くの共同プロジェクトを行ってきました。日本からは森田会長をはじめ多くの方々が私たちの活動をサポートしてくれています。


ウクライナへの支援について

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 IFLが2022年3月から実施している、ウクライナの糖尿病患者さんへの支援についてお話します。ご存知のように2022年2月にウクライナで戦争がはじまりました。
その直後、ウイーンに住んでいるウクライナ出身の1型糖尿病患者オルグ・ノビコフさんから支援の呼びかけがあったことと、ウクライナ現地からも我々に要請があったため、まずはヨーロッパ圏内にあるインスリン・ツム・レーベン(IZL)ドイツ支部とオーストリア支部が現地の糖尿病患者さんへの支援をはじめました。その後で我々オーストラリアも他の支部と協力して物資の輸送を開始しました。


 写真1にウクライナの地図を示します。赤と紫に色づけられている地域がロシア政府、または軍がウクライナを攻撃しているのが分かります。これは2022年5月時点で作成されたものですが、この戦争を追ってみると侵攻と奪還が繰り返され、決着が付かない状態が続いています。

 ウイーンには、IZLオーストリア支部とウクライナ出身のオルグさんなど献身的なボランティアスタッフがいます。彼らが約10時間かけてトラックを運転しチェコ共和国からポーランドを通ってウクライナ西部・リヴィウへ向かいました。ウクライナ国内にはたくさんのドローンやミサイルが飛んでいて非常に危険なため、入国する際には細心の注意をはらわなければなりません。ロシア軍はこの地域を爆撃しているだけでなく現在もウクライナ西部で軍事活動を続けており、ウクライナ政府はロシア軍の進軍を阻止しようとしているのです。


 写真2はウクライナのリヴィウへ送られる最初の支援物資で、2022年3月6日に発送しました。その後、ボランティアスタッフが自ら運搬しました。これはウクライナ国内の病院に届ける支援物資です。

 その後も我々はウクライナへ向けてインスリンとテストストリップ、血糖測定器の支援を開始しました。写真3は、オーストラリアから最初に支援した物資です。オーストラリアからインスリンが届くまで5日かかります。インスリンは空輸中の凍結を防ぐため品質管理を徹底しなければなりません。発泡スチロールに入れ、それぞれの箱へ保冷剤とともに梱包します。ウィーン到着後、税関を通過し特別な書類へ記入する必要があります。

 現地に到着した我々の支援物資の写真を拡大してみると、インスリンの各箱にはオーストラリアの承認医薬品であることを示す登録番号が記載されていることが確認できます。これは、我が国の医薬品はすべて政府により保険省への登録が義務付けられており、この登録がない医薬品を国外へ輸送することは禁止されています。 支援物資が確実に支援先へ配布されていることと、支援物資のインスリンに不正がないことをご理解いただけると思います。

 ウクライナ現地にもインスリンポンプを使用している患者さんがいます。我々は普段、インスリンポンプの支援は行っていませんので、IFLアメリカの協力を得てインスリンポンプ用の供給品を提供してもらいました。IFLイギリスからはボランティアスタッフの協力を得て、ヨーロッパの様々な地域からウクライナへインスリンを輸送しました。

 我々は、輸送費用などの資金を調達をする必要があったため、Spare a Rose for Ukraineプロジェクトを立ち上げました。同時に日本の国際糖尿病支援基金にも協力を求め、募金活動を行いました。日本の皆様からはたくさんのご支援をいただきましたことを深く感謝申し上げます。


現地での様子について


 IFLからの支援物資は、ボランティアによってウクライナ国内の医療施設や糖尿病患者さんへ配布し、現地の方々からとても感謝をされました。

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※プライバシー保護のため 写真を加工しています。

 国連はのちにIFLがウクライナで必要とされているインスリン等を支援していることを知ることとなりました。当初、国連は私たちの支援活動を知らなかったのです。
この写真はIFLからの支援物資です。梱包のされかたから、我々が送った荷物であることを認識できます。現地の医療従事者から患者さんへオーストラリアからのインスリンが配布されます。 

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  IFLが2022年3月から2023年8月までにウクライナへ支援した物資総数
●7か国(オーストラリア・アメリカ・イギリス・オランダ・ドイツ・クロアチア・ルクセンブルグ)からウクライナへ支援物資を送付
●同期間中の企業・団体よる寄附協力
国際糖尿病支援基金/Dexcom/Diabeloop/Medtronic/Glooko Ink/Ascencia/Insulet Facebook、Instagram、Twitter
●送付数量:
発送回数91回、梱包数310箱、インスリン製剤140,000mL超、注射器270,000本、血糖測定試験紙210,000枚超、インスリンペン4,000本超、ペン型注射針160,000超、HbA1cキット1,000個、血糖測定器2,500台超、穿刺針265,000本、アルコール消毒綿33,000パック


 一方、2022年3月から2023年8月までに、IFLオーストラリアがウクライナへ支援した物資は、梱包数138個で50回ににわたり輸送しました。
ある製薬会社から200,000枚のテストストリップを購入しました。また、募金活動で得た寄付金で血糖測定器や糖尿病療養に必要な資材、輸送費を負担させていただきました。寄付金の中には国際糖尿病支援基金を通じて日本の方々から頂いたご寄付も含まれています。日本の皆様にはあたたかいご支援をいただきまして、ありがとうございました。
郵送費だけで日本円で約216万円かかりました。

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 IFLでは、今後も引き続き、ウクライナ現地の糖尿病患者さんへの支援活動を行っていきたいと考えておりますので、日本の皆様のご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。


■ウクライナの糖尿病患者さんへの支援については、下記の中からご希望の方法をお選びいただけます。

(1)国際糖尿病支援基金を通じてIFLへご寄付の場合

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口

※通信欄へ「IFL ウクライナ支援」とお書き頂きますようお願い致します。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

(2)Spare a Rose for Ukraineを利用してのご寄付
https://www.insulinforlife.org/spare-a-rose/

「Spare a Rose」については、こちらをご覧ください。


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ウクライナの糖尿病患者さんへ緊急支援のお願い(2)
ウクライナの糖尿病患者さんへ緊急支援のお願い(1)
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
国際糖尿病支援基金


インスリン・フォー・ライフ・グローバル(オーストラリア)
アリシア・ジェンキンス新代表挨拶





Insulin for Life Global(Australia)
president.Alicia Jenkins

アリシア・ジェンキンス代表
(オーストラリア在住)

  私は、オーストラリアをはじめイギリス、アメリカで30年以上専門教育を受け臨床・研究の経験を持つ糖尿病専門医です。私はオーストラリアの田舎で生まれ育ち、母のメアリーが1939年の18歳の時に1型糖尿病と診断され、以後、74年に渡って糖尿病と共に元気に生き続けたことが、糖尿病に関心を持ったきっかけです。

  インスリン・フォー・ライフ(IFL)・オーストラリアへは、2000年に主要メンバー及び医療アドバイザーとして参加しました。IFLは2016年に現在の名称「IFL・グローバル」へ変更し、その翌年に私は代表職へ就任し今日に至ります。

  我々は、インスリンを始め糖尿病治療に必要な機器類を購入または諸団体や個人から寄付されたものを途上国の糖尿病患者さんへ支援し、活動を拡大してきました。IFLの活動には8か国に渡る国々の強力な援助があり、この8ヵ国の中には、日本の糖尿病支援基金が含まれます。詳しくはIFLホームページをご覧くだ さい。

  IFLへ提供された支援物資は、この20年程で約15倍に増加しました。IDF(国際糖尿病連合)発表の資料によれば、糖尿病患者の81%は医療事情の良くない地域で生活しているとのことで、我々IFLの活動はますます重要性を増してきていると実感しております。
また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、医療においては物資だけでなく、供給体制自体も悪化してしまいましたが、その状況下の中で国際糖尿病支援基金は、毎年、欠かさず定期的に支援をしてくださっています。
途上国では5オーストラリアドル(日本円換算すると約480円)があれば、糖尿病患者1人に対し、1週間分のインスリン、注射器、血糖測定器を提供できるのです。

  我々は「医療供給体制が脆弱な国々の恵まれない途上国の糖尿病患者さんの命を救い、患者さんの経済的負担を和らげる」という目標のもと、以下のことを実践しています。

  • 未使用で使用期限内のインスリン、テスト・チップをはじめ、糖尿病治療に必要な機材を購入または寄付を受け、継続的に支援する。また災害などの緊急時にも被害のあった地域に向けて支援活動を行う。
  • 主に途上国において患者さんや医療従事者への糖尿病教育や、糖尿病キャンプ、スクリーニング検査などの啓蒙活動を支援する。
  • 糖尿病治療に必要な薬剤や機材の入手及び治療を受けることが可能となるように支援すると共に実態調査をする。

  IFLでは、国際糖尿病支援基金のような安定的・継続的なパートナーシップに期待を寄せています。

■インスリン・フォー・ライフ・グローバル
https://www.insulinforlife.org/

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ドリームトラスト (インド)サンケット・ペンデセイ新代表挨拶

Dream Trust(India)
president.Saknet Pendsey

サンケット・ペンデセイ代表
(インド ナグプール在住)



 





  ドリームトラストのスタッフ及び会員一同は、設立者であり私の実父であるシャラッド・ペンデセイ医師を2023年6月14日に亡くし、深く悲しんでおります。シャラッド医師は、インスリンが入手できず生きることが叶わない子供を無くすことを目的に当組織を立ち上げました。当時、ある少女の小児糖尿病患者のために始めたことがきっかけですが、これまで数えきれないほどの多くの糖尿病患者の生活を向上させてきました。当組織を継続的に支援してくださる世界中の方々のお力添えが無ければ、実現できないことなのです。

  現在のドリームトラストの活動が実現に至るまでに、シャラッド医師は「孤軍奮闘」状態で、多大な努力をしたことを我々は忘れてはいけないと思っています。子供たちの健康状態を向上させるだけでなく、自立のための教育や社会復帰に向けた訓練なども発足当時としては革新的な考えでありました。シャラッド医師は、日本の国際糖尿病支援基金から、寄付金の額以上に長期に渡り途切れることのない信頼できる支援に支えられていました。

  父の功績を称えると共に、当組織はチーム一丸となり、海を越え、同じ空の下で、共に父の遺志を引き継いで行きたいと願っております。私、サンケット・ペンデセイは医師であり、ドリームトラストの運営責任者の立場にありますが、国際糖尿病支援基金の皆様が、わがドリームトラストのチーム一同と共に父の遺志を継ぎ、父が蓄積したノウハウを共有しつつ、父が目指していた道を共に歩むべく、今後も懸命に取り組んでくださることを強く信じております。我々の主たる目的は、生きるために必要不可欠なペン型を含むインスリンを始め注射器や血糖測定機などを、ドリームトラストの会員の全てに、引き続き提供し続けることです。

  父の闘病中、私がドリームトラストの運営をしてきました。その間、60名の小児糖尿病患者が支援を受ける側に加わり、当組織が支援をしてきました。当組織が先導してきた自転車や冷蔵庫の支給、奨学金の支給といった活動を続けると共に、もっと多くの新たな活動に取り組むことを続けて行きたいと思っております。

 国際糖尿病支援基金から長期に渡り、ドリームトラストの活動にご支援をいただいていることに感謝するとともに、今後も引き続き、ご協力をいただきたくよろしくお願い申し上げます。1型糖尿病の子供たちのために、この世界が快適で住みやすいものとなるよう、共に取り組んで行きましょう。

■ドリームトラスト(インド)
http://www.dreamtrust.org/


ドリームトラスト(インド)代表の交代について

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  Dream Trustの創設者であるシャラッド・ペンデセイ医師が2023年6月14日にお亡くなりになり、シャラッド医師のご子息であるサンケット・ペンデセイ医師がドリームトラストの活動を継承していくことになりました。

  父が他界してから14日後、全ての儀式が終了しました。生前、非常に多くの人々から慕われていたことから、1ヶ月に渡り多くの弔問客がやって来ました。
当クリニックは現在、完全に通常営業に戻っており、多くの困難が立ちはだかるものの、ドリームトラストの活動は決して休止しません。
毎週水曜日と木曜日は、当施設で支援を受けている1型糖尿病患者の診療日とインスリンを受取る日として設定しています。
父が他界した当日は水曜日であったため、多くの子供たちが当クリニックに来院しました。
  Dream Trustは今後も、インド国内の糖尿病患者さんたちにインスリンを提供し続けます。


【English】

All the rituals as per tradition got completed on 14th day after my fathers demise. Because of his immense popularity we had a lot of visitors to pay their condolences for a month.
Our clinic work has started full fledged and work of dream trust never stopped despite all the challenges. As you may be aware, every wednesday / thursday is designated as type 1 diabetes clinic of Dream trust.
On 14th June (Wednesday) on the day of my father's demise many children had turned up for their routine clinic visit to collect insulin. Despite mourning from inside, dream trust staff continued to distribute insulin to all the children.

ドリームトラスト代表
サンケット・ペンデセイ


■ドリームトラスト サンケット・ペンデセイ新代表挨拶
https://dm-net.co.jp/idafj/dream-trustsasnket-pendsey.php


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訃報

  ドリームトラストの代表であるシャラッド・ペンデセイ医師が、2023年6月14日に永眠されました。

  シャラッド医師は、インド中央部ナグプール市で糖尿病クリニックを開業されているほか、糖尿病による足の病変の研究に関して世界的に有名な医師でもありました。
経済的事情に恵まれずインスリン治療を受けられなかった2人の少女の死をきっかけに、インドの糖尿病患者さんが生き続けられるようにという願いを込めて、1995年にドリームトラストを設立しました。

シャラッド医師は、これまで数多くのインドの糖尿病患者さんの命を救い、糖尿病研究にも尽力されてきました。シャラッド医師のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

関連サイト
ドリームトラスト(インド)
国際糖尿病支援基金

 ドリームトラストの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口


IFLオーストラリアレポート「フィリピンの糖尿病患者リカ・ヴェニドさん」

 オーストラリアのインスリン・フォー・ライフ(IFL)では、フィリピン共和国の糖尿病患者さんへの支援活動を行っています。
 この度、IFLのニール・ドナラン氏より、現地の糖尿病患者リカ・ヴェニドさんからのお便りが届きましたので、ご紹介します。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)を通じて、2013年よりフィリピンの糖尿病患者さんを支援をしています。

フィリピンの糖尿病患者リカ・ヴェニドさん

私の名前リカ・G・ヴェニドです。1型糖尿病患者です。

 私が5歳の時、片足を引っ掻いたことで、しばらくの間、毎日午後に高熱が出て、傷がさらに深くなり足が腫れ始めました。

 その後、18日間昏睡状態に陥り、ネグロス東州立病院に運び込まれ、原因を探るためにいくつかの検査を受けました。その頃、母は私の体重が急激に減っていることに気がついていました。

 当時の医師から母へ私が1型糖尿病を発症していると告げられ、1日3回食前にインスリンを注射しなければならないという結論に達するまでに1か月かかりました。私は東ネグロス州で最年少の糖尿病患者になりました。

 私は現在18歳ですが、1型糖尿病を発症した5歳の時からインスリン注射は欠かせませんが、IFLからの支援のおかげで毎日を過ごすことができています。



【English】

My name is Lyka G Venido, Type 1 Diabetes

It all started when l was 5 years old, when one of my feet got scratched, for several days I got high fever every afternoon, and the scratch turned into a wound, my foot began to swell.

I was confined at a hospital Negros Oriental Provincial hospital of 18 days comatose they took several tests to find out what is happening to me.
By that time that my mother noticed that my body weight is rapidly decreasing. The doctor took my mother a month to come to a conclusion that l had Type 1 Diabetes and had to inject Insulin 3 times a day, before meals.
By that time, I was the youngest diabetes patient in our province of Negros Oriental.

From 5 years old up to now (18 years old now).
I am totally dependant on Insulin to make normal a day.

関連記事

2022年インスリン・フォー・ライフ(オーストラリア)からの近況報告
IFLオーストラリアレポート「フィリピンの糖尿病患者ミラ・ジョイさん」
フィリピンの1型糖尿病患者エウレカさん(IFLレポート)

 インスリン・フォー・ライフ(IFL)の活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口


2023年7月活動報告

寄付金収入(4件)13万円

インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)へ途上国の糖尿病患者への支援金として12万円(1,270AUドル)を寄付。

Dream Trust(インド)代表のPendsey医師のご逝去について

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  Dream Trustの代表であるSharad Pendsey医師が、2023年6月14日に永眠されました。

  Pendsey医師は、インド中央部ナグプール市で糖尿病クリニックを開業されているほか、糖尿病による足の病変の研究に関して世界的に有名な医師でもありました。
経済的事情に恵まれずインスリン治療を受けられなかった2人の少女の死をきっかけに、インドの糖尿病患者さんが生き続けられるようにという願いを込めて、1995年にDream Trustを設立しました。

Pendsey医師は、これまで数多くのインドの糖尿病患者さんの命を救い、糖尿病研究にも尽力されてきました。Pendsey医師のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

今後の運営方針については、現在先方へ確認しておりますので、改めましてご報告をさせていただきます。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

国際糖尿病支援基金
会長 森田 繰織


2023年5月活動報告

寄付金収入(1件)3万7,800円

上記金額には、以下の寄付金が含まれています。
糖尿病のスティグマとアドボカシー活動(糖尿病ネットワークアンケート(756件))

2023年3月活動報告

寄付金収入(3件)10万3,000円

FUVIDA(エクアドル)へ 小児糖尿病キャンプへの支援金として1000USドル(13万3,680円)を送金。
〔送金手数料3,000円〕

2023年2月活動報告

寄付金収入(2件)5万2,700円

上記金額には、以下の寄付金が含まれています。
患者の経済状況と糖尿病の医療費(糖尿病ネットワークアンケート(654件))

これまでに寄せられた寄付金

20,681,414円

これまでに実行した支援金

20,274,037円
2025年12月現在

お知らせ

2023年12月19日
2023年ドリームトラスト(インド)からの近況報告
2023年12月19日
2023年12月現状・収支報告
2023年12月19日
2023年12月活動報告
2023年12月19日
2023年12月支援者名