糖尿病ネットワークで今年3月に実施した「インスリン療法と医療費に関するアンケート」(委託者:日本イーライリリー株式会社)の第2回目の追加情報が公開された。今回は、医療費の負担感を「治療内容別」に検証した。
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アンケート調査は、今年3月1〜18日にかけてインスリン療法中の糖尿病患者を対象に行われたもの。全国から2,650名(1型患者949名、2型患者1,594名、妊娠糖尿病などその他の患者107名)の有効回答が得られ、現在受けているインスリン療法にかかる医療費の現状が明らかになっている。
参照:インスリン療法中の糖尿病患者2,650人の調査結果を発表(2013年06月19日)
今回、追加されたデータは、「医療費の負担感」を治療内容別に解析したもので、回答者のインスリン治療歴、月額医療費、1日のインスリン投与/単位数、1日の注射回数、インスリン製剤に関する説明への要望による意識の差を探ってみた。
治療歴の長短にかかわらず
約9割が「負担感」
回答者のインスリン治療歴は、5〜10年が24%と最も多く、10〜20年が21%、3〜5年未満が14%、1年未満が10%という構成。この中で、医療費の負担感がどう異なるかを見てみた。すると、10〜20年未満と30年以上では、半数近くが「大変負担である」と回答、全体平均でも4割いた。「負担である」は、全体平均で46%と前者を上回り、両者を合わせて「負担」と回答した人は86%に上った。
インスリン治療歴
医療費の平均月額では、10,000〜15,000円未満が最も多く39%、15,000〜20,000円が19%と6割を占めている。その中での負担感をみてみると、やはり金額が高くなるにつれて「大変負担である」が増加。月額が5千円以下であっても、「負担」を感じている人は4割強に上っている。個々の収入や生活環境によって、治療費の重みは異なるものの、全体平均で86%の方が「負担」との回答だった。また、当たり前ではあるが、医療費に影響を与える1日のインスリンの投与量や注射回数が多い人ほど「負担感」は高値を示した。
負担感の高い人は、服薬指導への不満感が高い
月額医療費
最後に、服薬指導に対する要望で分析した。すると、医療費の負担感を大きく感じている人ほど、自分に処方されているインスリン製剤についての説明を「切に希望する」、「希望する」と回答した人が多いことがわかった。
やはり、説明を受け納得して支払うのと、納得が伴わないまま支払うのとでは、感じ方は違ってくることを示唆していると言えるのではないだろうか。納得しながら治療を重ねていくことができれば、負担ではあっても治療に対する満足感は異なってくるはずだ。そういう意味で、“納得感”は医療費のみならず、治療の成果をも左右する大きな要素となる。次回は、「医師とのコミュニケーション」について検証する。
インスリン製剤に関する説明への要望と医療費の負担感
[ DM-NET ]