健康ブームを背景にさまざまな健康食品が売られているが、一般消費者には本当に信頼できるものなのかが分かりにくい。厚生労働省は健康食品についての有識者会議を設置する見込み。
健康食品のガイドラインができる
保健機能食品とは
消費者が安心して食生活の状況に応じた食品を選択できるよう、適切な情報提供をすることを目的に、国が2001年に制度化したのが保健機能食品。
保健機能食品には次のものがある
。
特定保健用食品
特定の保健の用途に利用される食品。国が製品ごとに有効性と安全性を審査して、その上で期待できる機能などの
表示が認められる。
栄養機能食品
1日に必要な栄養成分を摂れない場合に、その補給・補完のために利用する食品。ビタミン・ミネラルの補給のために利用される食品で、製造者などが栄養素の機能を
表示するものをいう。
このほかに厚生労働大臣の許可を得て、病者用、妊産婦用、授乳婦用などの特別の用途に適する旨を表示する「
特別用途食品」がある。
健康に良いとして売られているサプリメント、健康補助食品、健康食品などについて、厚生労働省は、安全性をどう確保するかについて検討する有識者会議を設置する見込み。海外の健康食品の安全性についての情報なども参考にし協議する予定
。
検討の対象となるのは、法令上、一般食品と同じ扱いを受けている「健康食品」。国の審査を経て効能
表示を認めた「特定保健用食品」や、国の基準に合えば栄養分(ビタミン・ミネラル)の機能が
表示できる「栄養機能食品」は対象に含まれな
い。
厚労省は2005年、健康食品の安全性について「安全性に関する自主点検ガイドライン」を作成し、健康食品の製造者に、原材料の安全性や取り扱いについて情報収集や点検を行うよう促している。
しかし、サプリメントなどの健康食品は、製造過程で栄養成分を濃縮することが多いため、原料に微量に含まれる毒性のある物質も濃縮されているおそれがある。そのため、品質の低さや、過剰の摂取することで健康被害が発生する懸念が指摘されるものもあり、安全の確保が重要な課題となっている。
健康情報の信頼性を確かめるには
健康に役立つ食品の機能を紹介するテレビ番組などがたくさんあり、食品に対する消費者の関心が高まっている。特定の栄養成分だけを取り上げ「健康に良い」とする情報が多い
。
こうした情報が実験結果をもとに説明されていても、ただちにその結果を人に対してあてはめられない場合もある。そのまま受け入れる前に一度考えてみることが必要だ。
健康・栄養情報の信頼性を評価するフローチャート(東北大学大学院医学系研究科 坪野吉孝監修)を参考に作成
詳しくは「健康食品」のホームページ(厚生労働省)へ
東京都福祉保健局「健康食品ナビ」
[ Terahata ]