世界の糖尿病の医療費は年間に90兆円に増え、日本は8兆円に上るという調査結果を国際的な研究チームが発表した。
■糖尿病の医療費
- 中国:18.5兆円(1,700億ドル)
- 米国:11.4兆円(1,050億ドル)
- インド:8兆円(730億ドル)
- 日本:8兆円(730億ドル)
●詳細はこちら→日本の糖尿病の医療費は8兆円 世界第7位の糖尿病大国に
- 米国の 2005年度の糖尿病有病数は2,080万人で、全人口に対する有病率は7%と推定
- この中で治療を受けている人は1,460万人で、未治療の人が 620万人
- 20歳以上の成人での糖尿病有病数は2,060万人、有病率は9.6%に上り、2005年度には新たに150万人が糖尿病と診断された。成人男性の有病率は10.5%、成人女性の有病率は8.8%。
- 60歳以上の成人での糖尿病有病数は1,030万人で、有病率は20.9%に上る。
- 20歳以下での糖尿病有病数は17万6,500人で、有病率は0.22%に上る。若年層では、特にアメリカインディアン、アフリカ系アメリカ人、およびラテン-アメリカ系アメリカ人で2型糖尿病が増えている。
- 糖尿病に関連する経済的な損失は1,320億ドル(15兆3,120億円/1ドル=116円)で、その中で合併症の医療費を含む直接的な損失は920億ドル(10兆6,720億円)、間接的な損失は400億ドル(4兆6,400億円)に上る(米国糖尿病学会の調査研究を基に推計)
米国疾病予防管理センター(CDC)の調査によると、医療費を節約したい気持ちから、診療を受けなかったり、薬を飲まない、処方箋を薬に代えるのを避ける45~64歳の糖尿病患者が増えているという。
糖尿病と診断された45~64歳の患者のうち、過去1年間に、医療機関での診療頻度を減らしたり、遅らせたことのある患者は18.8%に上るという。これは糖尿病ではない患者の9.6%の2倍に上る数値だ。
薬の服用をスキップするという患者は13.2%(糖尿病ではない患者では6.4%)、受診をしなかったことのある患者は14.4%(同6.9%)、処方箋を治療薬に代えるのを避ける、つまり薬代を払えない患者は16.3%(同7.9%)に上った。
米国糖尿病学会(ADA)は、米国の糖尿病による経済的な負担は2012年には27兆円に上ったと推定している。その内訳は、糖尿病の直接的な医療費19.5兆円と、糖尿病による経済的な損失7.6兆円になる。
●詳細はこちら→糖尿病の医療費の節約志向が高まるアメリカ 5人に1人が受診を回避
2型糖尿病患者1人あたりの生涯医療費の平均は約830万円(8万5,000ドル)で、このうち半分以上(53%)は糖尿病合併症によることが、米国で行われた調査であきらかになった。
調査は、米国全国健康・栄養調査(NHANES)の2009〜2010年のデータをもとに、2型糖尿病患者1人あたりの生涯の直接医療費を、年齢や性別、糖尿病合併症などの観点からシュミレートし算出したもの。
さらに、2012年の糖尿病による直接医療費は17兆2,480億円(1,760億ドル)で、医療費以外の経済的な損失は6兆7,620億円(690億ドル)。
また、1人あたりの糖尿病の生涯医療費は、540万円(5万5,000ドル)〜1,270万円(13万ドル)まで幅広く分布している。
●詳細はこちら→糖尿病の生涯医療費は1人あたり830万円 米調査
- 米国の糖尿病合併症に関わる直接的な医療費は、2006年は229億ドル(2兆2900億円)
- 糖尿病合併症のある2型糖尿病患者では、糖尿病のない平均的なアメリカ人に比べ、毎年の医療費がおよそ3倍に増加
- 心筋梗塞、脳卒中、網膜症、腎症、足の障害などの糖尿病合併症の年間医療費は、患者1人あたり平均1万ドル(100万円)。患者の自己負担額はおよそ1600ドル(16万円)に上る
- 2型糖尿病患者の5人に3人は、疾患に関連する深刻な健康上の問題の少なくともひとつを抱えている
- 米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC)が実施した「国民健康調査(NHIS)」では、2005年の時点で糖尿病の成人患者の40%は年間収入が3万5000ドル(350万円)未満と報告された。多くの米国人にとって、糖尿病の医療費の負担は深刻
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