ニュース
2026年10月29日
口の痛みや味覚異常 ~口腔カンジダ症(北里大北里研究所病院 酒井克彦部長)~
- キーワード
- 時事通信社
健康な人の口の中にも存在するカンジダ菌が異常に増殖して発症する「口腔(こうくう)カンジダ症」。カンジダ菌は通常は無害な常在菌だが、免疫力の低下や口腔内の乾燥などをきっかけに症状が表れる。北里大北里研究所病院(東京都港区)歯科口腔外科の酒井克彦部長に話を聞いた。
◇高齢者や持病ある人

高齢者に多い
カンジダ菌はカビ(真菌)の一種で、口腔内や消化管、皮膚、陰部などに存在する。口腔カンジダ症は、頬の内側や歯肉、舌、口角などで異常に増殖することで起こる。「口の中のヒリヒリ感やピリピリした痛み、灼熱(しゃくねつ)感、味覚異常などが主な症状です」と酒井部長。
粘膜に白いコケのような付着物(白苔=はくたい)が見られる偽膜性カンジダ症、白苔は目立たず粘膜が赤くなる萎縮性カンジダ症、粘膜が白く厚く盛り上がる肥厚性カンジダ症などがある。
乳幼児から高齢者まで発症する可能性はあるが、特に高齢者に多い。「加齢や病気などによる免疫力の低下の他、抗菌薬やステロイド薬の長期服用、糖尿病やがんなどの基礎疾患が危険因子になります。口の乾燥(ドライマウス)や入れ歯の使用、口腔内の不衛生も要注意です」
◇口腔ケアで再発予防
口の痛みや違和感、白苔の付着、粘膜の赤みなどがあれば、歯科や耳鼻咽喉科に相談を。主な治療法は抗真菌薬による薬物療法だ。シロップやゲル、貼り薬などがあり、症状や状態に応じて使い分けられる。「他の薬との飲み合わせもあるため、主治医や薬剤師ともよく相談してください」
「通常は2週間程度で改善することが多いですが、原因となる病気や口腔内の環境を改善しなければ再発を繰り返すことがあります」。予防や再発防止には、歯磨きや舌磨き、うがい、入れ歯の適切な管理など清潔に保つことが重要だ。ドライマウスがある場合には、唾液腺マッサージも効果的だという。
「口腔カンジダ症は単なる口のトラブルではありません。痛みや味覚異常で食事が取りづらくなると低栄養につながり、筋力や免疫力の低下を招くことも。口の中を常に清潔に保ち、乾燥を防ぐことが予防の基本です」と、酒井部長はアドバイスしている(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
[時事通信社 2026年10月26日]
記事の内容(HbA1c表記や医師の所属など)は掲載日時点のものです。 本サイトに掲載されている記事・写真・図表の無断転載を禁じます。 治療や療養についてはかかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。


