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2026年10月28日
健康管理に新しい選択肢 歯垢・血圧・腸内細菌の働きを「見える化」~パナソニック、ダイソン、ファーウェイ、江崎グリコの注目製品・サービスを紹介~
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- オーラルケア 予防 検査値(HbA1c、血糖値他)
糖尿病の健康管理では、血糖値に加え、口の中の状態や血圧などにも目を向けることが大切だ。歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼし合い、糖尿病に高血圧が重なると心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まる。また、近年では腸内細菌の構成や働きと2型糖尿病との関連も研究されている。
こうしたテーマに関連して、自分では把握しにくい体の状態や日々のケアを「見える化」する新しい製品・サービスが続々と登場している。本記事では、それらを通じて見える化された情報を、日々のケアの改善や医療者への相談、食生活の振り返りにどう生かせるかという視点で紹介したい。
取り上げるのは、パナソニックおよびダイソンのオーラルケア製品、ファーウェイの血圧測定機能付きスマートウォッチ、江崎グリコの腸内細菌解析サービスの4つ。いずれも2025年以降に登場した健康管理の新しい選択肢だ。
カメラで歯垢や歯間を「見える化」 毎日の口腔ケアの改善に
糖尿病と歯周病は、互いに悪影響を及ぼし合う関係にある。糖尿病のある人は歯周病が悪化しやすい一方、歯周病の治療によって血糖コントロールの改善がみられることも報告されている。糖尿病のある人にとって、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を取り除くことは、大切なセルフケアの一つだ。しかし、毎日歯を磨いていても、奥歯や歯の裏側などに残った歯垢を鏡だけでしっかり確認するのは難しい。
こうした歯垢の磨き残しを「見える化」する新製品が、パナソニックの「プラークスキャンブラシ(EW-HCXB0)」である。
特徴は、本体の先端に小型カメラと青色LEDを搭載し、染色液を使わずに磨き残しを確認できること。歯に青色光を当てると、歯垢に含まれる細菌由来の物質が赤い蛍光を発する。その光をカメラで捉え、画像処理によって歯垢のある部分をピンク色に強調表示する仕組みだ。
使用する際は、専用アプリを入れたスマートフォンと本体をUSBケーブルで接続して歯を撮影する。画面で奥歯や歯の裏側などの磨き残しを確認でき、付属のブラシ(電動ブラシではない)で歯を磨くこともできる。
専用アプリでは、撮影画像をもとに磨き残しを5段階で評価し、画像とスコアを保存する。同じ部位を繰り返し撮影すれば、スコアの変化をグラフで確認でき、自分が磨き残しやすい場所や磨き方を変えた後の様子を振り返れる。歯科衛生士監修の動画で、苦手な部分の磨き方を学ぶことも可能だ。
なお、家庭用の製品だが、歯科医院を通じて販売される。2026年10月下旬から順次受注を開始すると発表されており、購入を希望する場合は歯科医院に取り扱いの有無を確認したい。
一方、2026年9月1日に発売された「Dyson CameraJet(ダイソン カメラジェット)」は、カメラで歯と歯のすき間を検知し、ブラッシングと同時に水流で歯間を洗浄する「歯間洗浄機能付き電動歯ブラシ」である。
10万画素の小型カメラで撮影した画像をAI(人工知能)が1秒間に28枚解析し、歯間を検知すると、最短0.1秒で円すい状に広がるジェット水流を噴射して歯垢を洗い流す。フロスのような歯間ケアとブラッシングを同時に行えるほか、独自の音波振動技術で歯の表面や歯ぐきの境目の汚れにもアプローチする。
専用のアプリでは口腔内のライブ映像を確認できるほか、磨いた範囲を示すマップや過去のケアの記録から、磨き方を振り返ることもできる。
このように、2製品はカメラを活用して口の中の状態や日々のケアを「見える化」する点で共通している。パナソニックの製品は歯垢そのものを検出し磨き残しを確認・記録できるのに対し、ダイソンは歯間の位置を検知し、ブラッシングと同時に水流で洗浄する。それぞれの特徴を踏まえ、口腔ケアで何を重視するか、また予算によっても選ぶ製品は変わってくるだろう。
いつでもどこでも血圧を「見える化」 手首で測れるスマートウォッチで血圧への意識を高める
口腔ケアとともに、糖尿病のある人が気を配りたいのが血圧である。糖尿病に高血圧が重なると心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まるため、血糖だけでなく血圧の管理も重要になる。
血圧を数値として「見える化」し、把握するための新しい選択肢が2025年2月に発売されたファーウェイの「HUAWEI WATCH D2(ファーウェイ ウォッチ ディーツー)」。心拍数や睡眠、運動の記録、心電図の測定、スマートフォンの着信通知や通話など、多彩な機能を備えたスマートウォッチに、血圧計の機能を組み込んでいる点が特徴だ。日本で管理医療機器の認証を受けており、ベルト内の空気袋(カフ)を膨らませて手首で血圧を測定する。
普段から身に着けているスマートウォッチで血圧が気になったときに気軽に測定できるほか、設定した時刻に測定を促すリマインダー機能も備える。さらに、24時間にわたり設定した間隔で血圧を測定する「自動血圧モニタリング」機能も搭載。測定結果はスマートフォンのアプリに記録され、日中・夜間の血圧の平均値や推移を確認できる。
このように時間や場所を選ばず血圧を測定し、日中・夜間の変化も「見える化」できることは、血圧への意識を新しい形で高め、健康管理を見直すきっかけにもなりそうだ。
ただし、日本高血圧学会では、家庭での血圧測定には原則として上腕式血圧計を推奨している。医師から定期的な血圧測定を指示されている人は、使用する機器や測定時間、測定方法について主治医の指導に従いたい。
※編集部による測定の一例であり、両機器の測定精度が同等であることを示すものではありません
腸内細菌の働きを「見える化」 食生活を見直す手掛かりに
近年、腸内細菌の構成や働きと2型糖尿病との関連が研究されるなか、その活動を「見える化」し、食生活の見直しをサポートする新たなサービスも登場している。
江崎グリコが2026年9月14日に開始した「mRNA HEALTH TRACKER(メッセンジャー アールエヌエー ヘルストラッカー)」は、米国Viome(ヴァイオーム)社の技術を使い、便に含まれる腸内細菌のmRNAを解析するサービスである。mRNAは遺伝子の働きを反映する分子で、従来のDNA解析による腸内細菌検査では主に「どんな菌がいるか」に注目していたのに対し、このサービスでは腸内細菌が「どのように働いているか」まで調べる。
利用者は専用キットを使って自宅で便を採取・郵送し、食事や生活習慣に関する質問にWeb上で回答する。結果はWebアプリで確認でき、食べ物の分解やガスの産生、腸内細菌の多様性などを評価した26種類の「健康スコア」が、数値と「良好」「やや注意」「注意」の3段階で示される。
さらに、健康スコアに基づいて約300種類の食品を、積極的に取り入れたいものや摂取を控えたいものなど4段階に分けて提案してくれるため、「何を食べるか」を考える際の参考にできる。
検査キットの料金には、腸内細菌や栄養学の知識を持つパーソナルアドバイザーとのオンライン面談(1回あたり30分)も含まれ、検査結果の説明を受けたり、食習慣について相談することが可能だ。また、解析結果に基づいて提案されるミールセットやサプリメントが別売りで用意されており、希望する人は日々の食生活に取り入れることができる。腸内細菌の多様性や働きを知るところから、日々の食の選択までを支える仕組みだ。
糖尿病などの治療中は、提案される食品が必ずしも自身の食事療法に適しているとは限らない点に留意する必要がある。主治医や管理栄養士による食事指導を基本に、提案内容をどう取り入れるか相談しながら、検査結果を食の選択を考える材料として役立てるのがよいだろう。
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