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2026年07月13日

簡便なお口のケアで健康長寿に⁉ 高齢者の死亡リスクが低減

 要介護認定を受けていない比較的健康な高齢者が、お口のセルフケアを続けることで死亡率にどのような影響があるかは明らかでない。東京科学大学の研究グループは今回、高齢者を対象とした大規模な疫学調査「日本老年学的評価研究(JAGES)」のデータを用いて、日常的な口腔ケアと死亡との関連を検討。歯間清掃グッズや舌ブラシといった簡便かつ低コストな口腔ケアをしている人は、全死亡(死因を問わない全ての死亡)リスクが明らかに低かった、とする研究結果をJ Dent(2026;172:106789)に報告した。今回示されたのは高齢者における口腔ケアの重要性であるが、歯周病と糖尿病との関連を考えれば、糖尿病患者にとっても気になるところだろう。

65歳以上の高齢者9,600人余りを6年間追跡

 研究グループは、JAGESの追跡データを用いて、日常的な口腔ケアと全死亡リスクとの関連を検討した。

■対象:歯が1本以上あり、機能的に自立している65歳以上の地域在住高齢者9,676人
■日常的な口腔ケア:7項目(①1日2回以上の歯磨き、②歯間清掃グッズ(デンタルフロスや歯間ブラシ)の使用、③舌ブラシの使用、④歯磨き粉の使用、⑤液体歯磨き(マウスウォッシュなど)の使用、⑥過去12カ月以内の歯科治療のための受診、⑦過去12カ月以内の歯科健診のための受診)
■追跡期間:6年間

歯間清掃グッズ使用で11%、舌ブラシ使用で23%のリスク低減

 追跡期間中に発生した死亡は1,000人年当たり17.3件。

 年齢や性などの背景因子を調整後に解析したところ、歯間清掃グッズを使用している人は、使用していない人に比べて全死亡リスクが約11%低かった〔逆確率重みづけした調整後のハザード比(HR)0.89、95%信頼区間(CI)0.80~0.99、〕。舌ブラシを使用している人は、使用していない人に比べて全死亡リスクが約23%低かった(HR 0.77、95%CI 0.68~0.87、)。


図.日常的な口腔ケアと高齢者の全死亡リスクとの関連(対象:9,676人、追跡期間:6年間)

(東京科学大学公式サイトより)


 1日2回歯磨きをしている人では、していない人との比較において全死亡リスクの明らかな低減は見られなかった(HR 0.96、95%CI 0.87~1.07、)。

 なお、年齢、性、社会経済状況、生活習慣、健康状態別の解析でも、結果は一貫していた。

 以上から、研究グループは「歯間清掃グッズや舌ブラシといった簡便かつ低コストな口腔ケアを行う高齢者で、全死亡リスクが著明に低かった。超高齢社会の日本において、日常生活の中で取り組みやすいこうした口腔ケアは、健康寿命を延伸させる可能性がある」と結論。「歯間清掃グッズや舌ブラシの使用が死亡リスクの低下と関連するメカニズムについては、今後解明していく必要がある」との考えを示した。

 糖尿病に関して言えば、糖尿病は歯周病を悪化させ、歯周病は糖尿病における血糖コントロールを難しくする―というように、両者の間には相互に悪影響を及ぼし合う「双方向の関係」が存在する。一方で、歯周病を治療すると血糖コントロールが改善するとも報告されている(Diabetes Care 2010;33:421-427)。今回得られた知見は、高齢者における口腔ケアの重要性だが、糖尿病患者においてもまた然りと言えそうだ。

■参考

[ 糖尿病ネットワーク編集部 ]

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