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2026年08月20日

傷の治りが遅い ~亜鉛不足(徳島大病院 脇野修教授)~

 口内炎がなかなか治らない、傷の治りが遅い、味を感じにくい―。こうした不調の背景に、亜鉛不足が潜んでいる可能性がある。亜鉛は、体内に存在する量はわずかだが、生体機能の維持に欠かせない必須微量元素。亜鉛不足がもたらす影響について、徳島大病院(徳島市)腎臓内科の脇野修教授に聞いた。

 ◇自覚症状は多様

亜鉛不足の症状

亜鉛不足の症状

 亜鉛は300種類以上の酵素の働きに関与し、細胞分裂やDNA合成、タンパク質合成などを支えている。特に皮膚や粘膜のように細胞の入れ替わりが活発な組織では、欠乏の影響が表れやすい。「亜鉛不足の影響はさまざまな臓器に及びます。皮膚の再生には細胞増殖が不可欠であり、亜鉛が不足すると創傷治癒が遅れやすくなります」と脇野教授は話す。

 代表的な症状の一つが味覚障害だ。味覚に関わる味蕾(みらい)細胞の入れ替わりが速いため、亜鉛不足の影響を受けやすい。この他、皮膚炎や口内炎、脱毛、感染症にかかりやすく治りにくい、貧血―なども見られる。小児では成長障害が問題となる場合もある。

 ◇慢性疾患にも注意

 亜鉛不足の背景には、摂取不足だけでなく吸収低下、体内での消費増加などがある。高齢で食事量が少ない人や、偏食傾向が強い人、極端な食事制限をしている人では不足しやすい。

 「糖尿病や慢性腎臓病、肝疾患などの慢性疾患がある場合も注意が必要です。慢性的な炎症や酸化ストレスの影響、栄養状態の低下などが関与し、体内の亜鉛のバランスが崩れることがあります」

 診断は血清亜鉛濃度の測定で行い、1デシリットル当たり60マイクログラム未満が欠乏症の目安とされる。目安に至らない程度の値でも症状を伴うことがあり、補充により改善すれば診断の裏付けとなる。

 治療はまず食事の見直しが基本だが、明らかな欠乏の場合は医師の管理下で亜鉛製剤を用いる。一方で過剰摂取が続くと銅欠乏による貧血などを招く可能性もある。「気になる症状があれば、内科を受診して亜鉛欠乏症の有無を確認してください。自己判断で長期間補充を続けるのではなく、血中濃度を確認しながら適切に管理することが重要です」と脇野教授は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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[ 糖尿病ネットワーク編集部 ]

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