年末・年始の血糖コントロールで失敗する人が少なくない。忘年会やクリスマス、正月休みなどの行事が続き、食事でカロリーをとりすぎてしまうこと、お酒の飲みすぎ、寒い時季なので運動量が減ることなどが原因となる。
日常でちょっとしたコツを加えれば、食べすぎや飲みすぎを防ぐことができる――
おせち料理はカロリー・塩分が多い
おせち料理は保存性を高めるために味付けが濃く、糖分・塩分・酢などを多く使ってあるのが特徴。既製品はさらに味が濃く仕上げてある。1食でカロリー1,000kcal、塩分10gを超えることもあるので注意が必要だ。
「栗きんとん」「伊達巻き」「黒豆」は特にカロリーが多い。「田作り」「数の子」「かまぼこ」「エビの煮物」も塩分が多いので、1回に全種類を無理に食べないことが大切。「紅白なます」、「煮しめ」などの野菜料理もあるが、自分で作るときは、だしや柑橘類の香りを効かせて減塩しよう。
おせち料理は、3日続けて食べなければいけないわけではない。お祝い膳を気持ち程度にとどめて、ふだんの食事に早く戻した方が無難だ。
餅を食べ過ぎると体重が増える
餅は、もち米をふかして突き固めた保存食で、ご飯に比べると水分量が少なく密度が高いのが特徴。
市販の切り餅1個(50g)のカロリーが120kcalなのに対して、ご飯1杯(150g)のカロリーは240kcal。つまり餅2個とご飯一杯のカロリーは同じくらいになる。餅は2個までにとどめた方が無難だ。
暮れから正月にかけて、高齢者が餅をのどに詰まらせる事故が発生しやすい。小さく切る、あせらずゆっくり食べるなど、食べ方にも注意が必要となる。
よく噛むことで食欲をコントロールできる
よく噛むことは食欲にも影響する。「噛むという行為」により脳中の食欲に関連するホルモンの作用が刺激され、満腹感を得やすくなる。
ミカンやお菓子などをなるべく遠いところに置く
ミカンといえば「正月にコタツの上で」が定番で、ついつい手が伸びてしまう。
しかし温州ミカンは糖分が多く、カロリーは100g(中1個)あたり46kcalある。1個だけではおさまらず、ついつい何個も手を伸ばして食べてしまいがちなので注意が必要だ。
食欲は「視覚」によって刺激されるので、目につくところにお菓子や果実などを置かないようにすると効果的だ。
冬の鍋料理は栄養面でも優れている
鍋料理は豆腐、魚、肉など、いろいろな食材を使ったものがあり、味付けも多彩にある。これに野菜類を加えれば、蛋白質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとることができる。野菜をたっぷり入れ、きのこ、こんにゃく、昆布などを使った鍋料理を、ふうふういいながら食べるのは、寒い冬には堪えられない。
鍋料理は短い時間で調理でき、大勢で食べても、1人や2人で食べても楽しめる。水と昆布で野菜などを煮る「常夜鍋」は、いたって簡単に作れる。小ぶりの土鍋に昆布を引き、醤油で薄味にして(あれば日本酒を加える)、ほうれん草や小松菜、白菜と、豚肉の薄切りを交互にゆでながら、ゆったりとした時間を楽しめる。
ポン酢や小ネギ、ショウガなどの薬味を添えると、さらにおいしくなる。ゆでた野菜は生よりもたくさん食べられ、薄切りの豚肉は良質の蛋白質とビタミンBを含んでいる。
「野菜はいくら食べても大丈夫」は間違い?
煮物によく使われるジャガイモ、さと芋などのいも類、ニンジン、レンコンなどの根菜、カボチャは、野菜の中では比較的、炭水化物が多い。煮物の調理では砂糖やみりんも使うので、たくさん食べるとカロリーを摂り過ぎてしまうことがある。
油分を含むドレッシングをたくさんかけたサラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダなども、カロリーや炭水化物が多いので、注意が必要。カロリーを抑えられるのは、海藻やきのこ類をふんだんに使った海藻サラダ、海鮮サラダ、豆腐とちりめんじゃこのサラダなどだ。
[ Terahata ]