ヨーグルトや低脂肪の乳製品を週に4~5回食べると、2型糖尿病を発症するリスクが24%低下するという研究が発表された。
この研究は、英ケンブリッジ大学のニタ フォロウヒ氏らの研究チームが発表したもので、英国の大規模コホート研究「EPIC-Norfolk」研究の一環として実施された。研究は、欧州糖尿病学会が発行する医学誌「ダイアビトロジア(Diabetologia)」に発表された。
ヨーグルトを食べると糖尿病リスクが下がる
砂糖なし・低脂肪の乳製品がお勧め
研究チームは、英ノーフォーク州在住の男女3,500人を、11年間追跡して調査し、食事と糖尿病の発症との関連を調べた。
調査期間中に753人が2型糖尿病を発症したが、ヨーグルトや低脂肪のフレッシュチーズやカッテージチーズなどの乳製品を食べていた人たちは、全く食べていない人たちと比べて糖尿病を発症した割合が24%低かった。
低脂肪の乳製品を種類別に調べたところ、ヨーグルトのみを食べていた人では、糖尿病リスクは28%低下したことが判明した。カップ入りヨーグルト(120g)を平均で週4.5個食べていた。
ヨーグルトには、腸内で非常に有効な働きをする善玉菌(プロバイオティクス)や、ビタミンKが含まれており、糖尿病のリスクを下げる作用があると考えられている。
ビタミンKは、緑黄色野菜や海藻類、緑茶などに多く含まれているほか、腸内細菌によっても合成され、発酵食品であるヨーグルトやチーズ、納豆に多く含まれている。また、ヨーグルトには、カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなど、有用な栄養素も含まれている。
一方、糖尿病のリスク低下との関連がみられたのは、乳製品の中でも低脂肪製品に限られており、牛乳や高脂肪のチーズなどでは糖尿病リスク低下の効果はみられなかった。
「乳製品には体に良い成分が含まれています。今回の研究で、低脂肪のヨーグルトやチーズが、糖尿病の危険性を低下させると確かめられたのは喜ばしいことです。ただし、糖分を加えてあったり、脂肪分が多いと、そうした効果を期待できなくなるので注意が必要です」と、フォロウヒ氏は話す。
なお、間食としてポテトチップの代わりにヨーグルトを食べていた人では、糖尿病リスクは47%低下していた。「間食をヨーグルトに置き換えるだけで、糖尿病の発症リスクを半分に下げることができます」と、フォロウヒ氏はアドバイスしている。
糖尿病人口は世界的に増え続けており、糖尿病有病者は2035年には3億8,200万人に増えると予測されている。「食事を改善することで、糖尿病のリスクを下げることができる」と、研究者は述べている。
Yoghurt cuts risk of type 2 diabetes(ケンブリッジ大学 2014年2月5日)
Dietary dairy product intake and incident type 2 diabetes: a prospective study using dietary data from a 7-day food diary(ダイアビトロジア 2014年2月)
[ Terahata ]